[PL]第22節 トッテナム・ホットスパー vs ブレントフォード

2023-2024 プレミアリーグ 第22節

Tottenham Hotspur 3 – 2 Brentford 

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:81勝32敗10分(勝率:66%)  

得点
15分:ニエル・モペイ(Bees)
48分:ディスティニー・ウドギ(Spurs)
49分:ブレナン・ジョンソン(Spurs)
56分:リシャルリソン(Spurs)
67分:イバン・トニー(Bees)

トッテナム・ホットスパー
FW ヴェルナー(91’ドンリー)、リシャルリソン、クルゼフスキ
MF マディソン(88’ドラグシン)、ベンタンクール(46’ホイビュア)、スキップ(46’ジョンソン)
DF ウドギ、ファンデフェン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、デイビス、エメルソン、ヒル、スカーレット

ブレントフォード
FW トニー、モペイ
MF ヤネルト(88’ダムスゴーア)、ノアゴーア、イェンセン(57’ヤルモリュク)
DF ルイスポッター(88’パプティスト)、ミー、ピノック、コリンズ(78’アイェル)、ラスムッセン(78’ダシルバ)
GK フレッケン
sub:ストラコシャ、ヨルゲンセン、フレッドリック、ブライアリー

崩すってのはやっぱり課題

 開幕戦に2-2で引き分けたあの試合がアンジェ・ポステコグルーの初陣だった。昨年に比べると大きく変わったチームに驚きはしたものの、まさかそれが序盤の快進撃の前触れだとは思いもよらなかった。それから半年、主力の離脱に苦しんだ時期を乗り越えて、全体としての戦力は底上げされていると思う。難敵相手に力試しだ。

 ブレントフォードの基本フォーメーションは4-3-3なのだが、強敵とみなした相手と戦う時は3-5-2に変更してくる。今シーズン何度か見られたスパーズ対策として、うちのセンターバックにツートップでプレッシャーをかけてくるというやり方がある。スパーズは攻撃に向かうときに、センターバックがボールを持っている間に、サイドバックが高いポジションを取るまでに少し時間がある。ここに早めにプレスをかけることで、センターバックが出しどころを見つけられずバタバタしてしまうことが多い。

 これは有効なスパーズ対策ではあるものの、そのプレスを回避されるということは守備に少なくとも2人足りなくなるということでもある。だから採用するチームとしないチームがあるのだが、チーム連携の成熟度の高いブレントフォードはうまくやってきた。

 さらに5バックでサイドのスペースを埋めることで、クルゼフスキとヴェルナーも苦労していた。寄せが早いので仕掛けにいけず効果的な攻撃を生み出せない。そうして先発に戻ったマディソンにボールを集めては、彼が特別な閃きで何かを変えてくれるのを待つだけになってしまった。

 失点は後ろでのミスだったが、前半は特に攻撃のペースが遅く、中途半端なパス回しをしている時間が長かった。強引なシュートやドリブルは見られず、パスが増えるほどに五分五分の勝負パスもなくなる典型的なカウンターの餌食になるポゼッションチームのそれだった。誰のプレーが悪いというわけではなく、チームとしての悪循環だった。

 ハーフタイムでどんな喝が入れられるのかと思えば、スキップとベンタンクールを下げてホイビュアとジョンソンを入れてきた。マディソンとクルゼフスキをインサイドハーフにする並びの変更はだいぶ攻撃的な采配であり、ポステコグルーの不満が伺える。シティ戦もほとんど攻撃できずに終わったわけだし、イライラしていたのかね。

 個人的にはこの並びの是非よりも、早めに中盤の選手を交代したことで、終盤に何かあっても入れ替えが出来なくなることが気になった。仮にホイビュアが怪我したら守備に走れる選手がいなくなるぞ。まあ怪我をしない選手ではあるが。しかし結果は驚くほどすぐに出た。得点は全てロングカウンターによるものだ。やはり攻撃のスピード感も修正ポイントだったのだろう。わずか10分で3点を奪い試合の空気は一変した。特に2点差をつけるゴールを奪えたのは大きかったね。

 ウドギがトータル4点に絡む大活躍だったわけだけど、反省はするとして自信を失ったりはしないでほしい。ミスはミスだがそれを補うだけの活躍はしている。誰も君を責めたりはしないよ。これが引き分けや負けに繋がったのなら雰囲気は違ったのかもしれないが、そうはさせまいとした80分過ぎのロメロの覇気は凄まじいものだったと思う。敵も味方も吹き飛ばしながらボールに食らい付いていた守備は鬼気迫るものがあった。ヘディングするか迷ってバタついていたドラグシンに対し、守備とはこうするものだという背中を見せていたようにも思う。キャプテンマークを鎮静剤がわりにしているときのロメロは本当に頼もしい。

 なんとも不名誉な話だが、ソンとケインがいない状態でプレミアリーグで勝利をあげたのはなんと5年ぶりのことだそう。わりと2人とも怪我はしない方なので、不在の試合がどれだけあったのかは知らないが、まあ言われてみたら意外性もないわなと思ったりした。

2023-2024シーズン 試合結果一覧

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