2024-2025 プレミアリーグ 第2節
Tottenham Hotspur 4 – 0 Everton
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:87勝35敗10分(勝率:66%)
得点
14分:イヴ・ビスマ(Spurs)
25分:ソン・フンミン(Spurs)
71分:クリスティアン・ロメロ(Spurs)
77分:ソン・フンミン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW オドベール(67’リシャルリソン)、ソン、ジョンソン
MF マディソン(79’ペリヴァル)、ビスマ(74’グレイ)、クルゼフスキ(’67サール)
DF ウドギ(74’スペンス)、ファンデフェン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、ドラグシン、デイビス、ヴェルナー
エヴァートン
FW キャルバート=ルーウィン(74’ベト)
MF マクニール、イロエグブナム、ドゥクレ(57’エンディアイエ)、ゲイエ(91’アームストロング)、ハリソン(57’リンストロム)
DF ミコレンコ、キーン、ターコウスキ、ディクソン
GK ピックフォード
sub:ビルジニア、ホルゲイト、オルブライエン、メトカーフ、モペイ
パーフェクト・ゲーム
サッカーって楽しい趣味ですよね。応援しているチームが気持ち良い試合をしてくれるだけで、それまで一週間が報われたような気持ちになるし、それから1週間が幸せに過ごせるんだから。日曜なんて気分良すぎて人生初の住宅ローン組んできちゃいましたよ。
開幕節も内容は悪くなかったので、あれで変に消極的になったりしなければいいなと思っていました。むしろああいうゲームになって監督に怒られると次の試合は良かったりするもの。変更は脳震盪のベンタンクールの代わりに復帰のビスマ、サールに替えてクルゼフスキを中盤起用、負傷のソランケの位置にソンを置いて、新加入のオドベールが早速のスタメンです。
これは予想だけど、本当はビスマはもう少し出場停止にするつもりだったんじゃないかと思う。ただベンタンクールが抜けたことでアンカーの選択肢がなくなったので復帰が早まった。つまりグレイはまだ先発させるには早いと思われているということ。19歳オドベールがいきなり出ていることから、年齢は関係なさそうだ。
試合はというと、かなり一方的な内容になった。そりゃあ90分もあるのでエヴァートンの時間帯と言える時はあるにはあったが、スコア通りの完勝と言っていいと思う。
エヴァートンのスタイルといえばそれまでだけど、スパーズを相手に引きこもる戦略を取ってくるのはよくわからない。ちょっと分析すれば簡単なプレッシャーをCBにかけるだけで機能不全に陥ることが分かりそうなもんなのに。おかげで自由を得たロメロが司令塔のように後ろから素晴らしいロングパスと縦パスで攻撃を操っていた。スパーズでの公式戦100試合出場おめでとう。
左ウイングに入ったオドベールも好印象。とにかくドリブルで仕掛けていくし、かと思えば球離れよく味方を使ったりもする。このチームにはたくさんのウインガーがいるけど、ポステコグルーの好みに最も近いスタイルを持っているのはオドベールかもしれない。キーパーを横切るようなクロスを上げてほしい時にマイナスに出してしまったりしたのは、まだ加入したてのご愛嬌。下がった時のパスをまっすぐマクニールにプレゼントしてしまったプレーは危なかったが、今日の良かったイメージを失うほどじゃない。その積極性を忘れないでおくれ。
となるとやはり右サイドが気になる。先制に繋がったプレーで珍しくジョンソンが内側に向かうドリブルをしたが、あとは希薄な存在感だった。むしろ右ウイングの輝く場面はほとんどないのに4点も取れているのはすごいと言える。もしオドベールは評判通り両方のサイドをこなせるのなら、ソンを左に戻して右がオドベールになるのはもう次の試合かもしれないよ。
あとはクルゼフスキ。中盤でも良い。スタメンを見た時は攻撃的すぎる布陣だとは思ったが、幸い守備面では問題は起きなかった。ポステコグルーがどこまで考えていたのかはわからないが、2つの点でクルゼフスキの起用の意味があった。1つ目はマディソンとの関係性だ。
ポステコグルーの中盤はアンカーとバランサーとトップ下で構成される。今まではマディソンがトップ下、サールがバランサーを担っていた。ビルドアップ時に右の低い位置でサールがボールを引き出すのだが、意外とマディソンも下がってボールを受けるために、中盤がみんな低めの位置になってしまうことが度々あった。クルゼフスキは前に残る傾向にあるので、下がるマディソンとの相性が良かった。ただしエヴァートンのプレスが弱く、ビルドアップに苦労しなかったから言えることでもあるので、サールの方を重宝する場面はこの先必ずあることは言い添えておきたい。
2つ目はソンとのバランスで、ソンは責任感が故なのか、ポストプレーには自信がない故なのか、ワントップの位置を離れて自由にボールに関わろうとする。そして誰もいなくなるセンターフォワードのポジションにクルゼフスキがいてくるので形が崩れずに済んでいた。プレシーズンで偽9番やらせといて良かったね。
開幕戦と比べると、サイドチェンジ、ミドルシュート、裏への抜け出しが格段に増え、そのバリエーションのある攻撃にエヴァートンは手を焼いていた。ポステコグルーはビスマの例の違反について「子供を叱ると2日間は良い行いをする」とコメントしていたが、これはそっくりそのまま他の選手にも当てはまる。レスター戦のような技に溺れるような攻撃ではなく、しっかりとダメージを与える攻撃をしろという教えは、今は頭にあるのは当然でこれを継続することが大切だ。