[PL]第3節 ニューカッスル・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー

2024-2025 プレミアリーグ 第3節

Newcastle United 2 – 1 Tottenham Hotspur

Stadium:セント・ジェームズ・パーク  

得点
37分:ハーベイ・バーンズ(Magpies)
56分:ダン・バーン(OG)(Spurs)
78分:アレクサンドル・イサク(Magpies)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン、クルゼフスキ、オドベール(74’ヴェルナー)
MF マディソン(82’ペリヴァル)、ビスマ(82’ベンタンクール)、サール(46’ジョンソン)
DF ウドギ、ロメロ、ドラグシン、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、デイビス、スペンス、グレイ、ディヴァイン

ニューカッスル・ユナイテッド
FW バーンズ(62’マーフィ)、イサク、ゴードン(94’アルミロン)
MF ジョエリントン、ギマランイス、ロングスタッフ(68’トナーリ)
DF ケリー(68’ホール)、バーン、クラフト、リブラメント
GK ポープ
sub:ドゥブラフカ、トリッピアー、ターゲット、マーフィー、オスラ

サイドに逃げない攻撃を

 トッテナムにとって、ここセント・ジェームズ・パークは鬼門になりつつある。記憶に新しい過去2試合は合計で1得点10失点と恐ろしい成績だ。とはいえ今はどんな相手でも倒せそうな気がしていた。ここまで1勝1分だが内容は良い。

 補強をしてもしても本職がスカッドにいないセンターフォワードの位置にはクルゼフスキが入る。先発はしていたものの出来が微妙だったジョンソンに替えてオドベールが今日は右サイドだ。そしてベンチにディヴァインが入っているのが引っかかるね。若手の中でも彼はまだ戦力として数えるのは早そうなのにもうそんなに離脱者ばっかりなのかいスパーズは。

 押している時間が長かった前半だけど、チャンスはそれほど多くなかった。去年はあまり見られなかったミドルシュートが増えたので、枠内シュート数は稼げていたが、ペナルティエリア内から際どいシーンは作り出せなかった。今日はこの前半の攻撃についての話がしたい。

 たぶん前節のレビューと似たようなことを書くけど、上手くいかなかった前半と圧倒していた後半の違いは、サールとクルゼフスキの違いにある。文章で伝え切れるかわからないけど、思い出しながら聞いてほしい。

 相手陣内に入り、さあどこから攻撃を開始しようかと後ろで持ちながら探っている場面だ。まず左に降りてきたマディソンにボールを預ける。左サイドはソンがワイドでウドギがややインサイド。中央の下り目にはバランスを取るビスマとサールが横に並び、右にはオドベールが開き、そのやや内側にポロがいる。ここが問題だ。ワントップの位置のクルゼフスキを中心に半円を描くようにスパーズの選手がいない。

 これだと中央を攻める選択肢が全くなくなってしまう。たとえ縦パスをクルゼフスキに入れても、サポートに行ける距離に味方がいないのですぐに潰されてしまう。スパーズの狙いがサイドにしかないことが丸わかりなので、ニューカッスルはサイドに人数を割ける。本来はこうしてサイドにディフェンスを寄せて、中央を攻略するのがサイド攻撃の意味なのに。まさに手段が目的になっていると言える。

 右サイドの2人も常に右にいるので相手のマークがついてしまい、サイドチェンジしても余裕がない状態になっている。解決策の1つは、サールかポロのうち片方はもっと2トップのような位置でプレーし、もう一方がサールのやっていた右後ろのスペースを埋めることだ。中央に人数を置いて右はオドベールだけにすることで、ニューカッスルにはまずは中央をケアさせてウインガーを放置するように仕向ける。これでやっとサイドチェンジした時にオドベールがドリブルするスペースを生み出せると思うのだ。

 後半は中盤に落ちたクルゼフスキがソンと2トップのようにプレーするので、厚みのある怖い攻撃ができていた。いわゆるバイタルエリアと呼ばれる相手のペナルティエリア前の密集地帯でクルゼフスキはボールを受けてくれるのでペナルティエリアまで踏み込むチャンスが生まれる。じゃあサールが悪いのかというとそうもいえないけどね。それぞれの得意不得意がある中で誰かが役割を担えばいいので。攻撃を託されているマディソンが思っていたよりも低い位置でプレーしたがるのが問題とも言えるし、マディソンが下がらないと運べない他の選手が問題とも言える。つまり個人の責に寄るものではないよとこの話は締めておく。

 決定力不足、というには決定的で際どいチャンスは多くなかったと思う。再三の鋭いクロスに飛び込んでくる選手がいないのが不思議だった。昨年から見ている人なら誰でも、このタイミングでどこにクロスが上がるのかを予想できるくらいに再現性のあるクロスは上がっていた。ただしそれを差し置いても勝つべき試合だったと思う。特に後半は何度も何度も高い位置からのプレスがハマり、期待感のある瞬間があったのに、ちょっとした判断ミスが続いては得点を奪えなかった。

 次節はノースロンドンダービーだ。内容はいいのにという試合後の感想はここまでにしなければならない。今年こそはと意気込むアーセナルをまずはブライトンが食い止めてくれた。しかもライスの出場停止のおまけ付きで。ここで奴らの気持ちを折る試合が出来れば、スタートダッシュが決まらなかったここまでを差し引いてもお釣りがくる。回復の2週間のあと、期待しているよ。

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