[PL]第11節 トッテナム・ホットスパー vs イプスウィッチ・タウン

2024-2025 プレミアリーグ 第11節

Tottenham Hotspur 1 – 2 Ipswich Town

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:93勝37敗10分(勝率:66%)  

得点
31分:サミー・スモディクス(Tractor Boys)
43分:リアム・デラップ(Tractor Boys)
69分:ロドリゴ・ベンタンクール(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ソランケ、ジョンソン(84’マディソン)
MF サール(66’ヴェルナー)、ベンタンクール(84’ビスマ)、クルゼフスキ
DF ウドギ、ドラグシン、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、スペンス、デイビス、グレイ、ベリヴァル、ランクシャー

イプスウィッチ・タウン
FW デラップ(70’ハースト)
MF スモディクス(70’クラーク)、カユステ(92’ルオンゴ)、モーシー、ハッチンソン
DF デイビス、オシェイ、バージェス、トゥアンゼベ、ジョンソン
GK ムリッチ
sub:ウォルトン、クラーク、ウールフェンデン、タウンゼント、バーンズ、チャップリン

恥ずかしく、そして惨め

 週に2日の試合が続く過密日程はここで区切り、束の間の代表ウィークに入る。日程は確かに厳しいし負傷者も少なくはないが、ここ数年では一番ターンオーバーに成功している。一部の選手、例えばポロやソランケには過剰に負荷がかかってはいるものの、全体的には適度に休みを与えられているはずだ。もちろんフレッシュとまではいかないのはわかるが、ヨーロッパの大会に出るクラブはみんなこんな感じで、そしてちゃんと勝っている。

 相手は昇格組のイプスウィッチ・タウン。ユニフォームに描かれている不思議な計算記号の並びは、株主でもあるエドシーランのツアーの名前なんだってね。読みは「マセマティック」ツアーだそう。印象に残る粋な宣伝方法だ。23年振りにプレミアリーグの舞台に立ち、今日8236日振りの勝利になったらしい。おめでとう、おめでたくないけど。

 負けるべくして負けた試合だった。運動量も少なく闘争心も見えない。パレス戦とどっちが酷いかというと比べるのは難しいが、ほとんど同じような最低の負け方だった。いや、あの試合からまだ2週間しか経っていないのに繰り返したという点で今日の方が糾弾されるべきかもしれない。この経験を次に活かすという常套句はなんなんだろう。次とは文字通り、次の試合だけを指すのだろうか。

 ボールホルダーがパスの出し先に困っているのに、ボールを受けるための動きをしている選手が少なすぎる。例えばドラグシンが前を向いて探している段階になって初めて、上がっていたウドギがしょうがなさそうに降りてくるシーンが目についた。誰かが運んでくれるだろうと思っていたウドギもそうだし、顔を出す気のない他の選手も問題だ。ちなみにウドギはまだマシで、ポロは上がると基本的には2列目に吸収されてそれっきりになる。ジョンソンとポロとクルゼフスキが同じような高さで止まって待っているのをなんとかしたい。右サイドからの展開がなくなるから。

 右サイドでいうと、ジョンソンがまた悪い時のジョンソンに戻っている。高い位置に開いて待ってはいるが、ドリブルを仕掛けるのが苦手な意識があるので、いるだけでボールをもらう気はさらさらない。来ても前を向く素振りもなく下げるだけではなんのためにそこにいるのか。右サイドの攻撃はクルゼフスキが個人で打開を試みる時にだけ何かがあった。あれだけ攻撃の貢献度がないのに終盤に足を攣っていても同情する気にはなれないよ。サイドが積極性を持たないのならポステコグルーの戦術は終わりだからね。

 いつもは違和感のある選手交代をしても、結果的に勝っていたりするので言いにくかったが、今日は負けたので采配についても言いたい。

 もう前半から、チームにはエネルギーが見られなかった。スモディクスの先制点はその最たるもので、中央からサイドに展開された一連の流れの中でスパーズの選手たちは寄せては足先で適当な守備をしていた。クロスに対しては相変わらずファーサイドがフリーだし、ジョンソンも目の前で浮いているボールに食らいつかなかったことで余裕のオーバーヘッドを受けたわけだが、あれはジョンソンに限らず、全員が甘くいい加減な守備だった。

 ボールを失った後の即時奪還の切り替えプレスはなく、奪った後にカウンターで走っていく選手も少なすぎる。ハイライトレベルでしか見ていないが、リヴァプールの相手コーナーキックを仕留める時のカウンターの勢い凄かったよ。精度がどうこうというよりも4人も5人もの選手が70mスプリントしていくその姿勢が。

 そんな重い雰囲気のチームを変えるためにフレッシュな選手を入れて欲しかった。ジョンソンはもっと早く変えて、ビスマかマディソンを入れたかったし、明らかに勤続疲労で限界を迎えていたポロも替えて、スペンスかグレイを入れたかった。ドラグシンかウドギに替えてデイビスも欲しかった。ちなみにポロだけはもう本当に体が限界だったんだろうなと思うよ。ガラタサライ戦でもすでに苦しそうだった。これ以上走れとは言えないからベンチが動いて助けて欲しかった。

 繰り返すようだけど、ずっと内容は良かった中でたまに噛み合わない試合で負けてしまうことはどのチームにも起こる。しかしパレス戦で手痛い思いをした2週間後に同じような失敗をするのは許容できない。戦う姿勢のない負けはあり得ない。しかも今日はホームなのに。

 次節は2週後に面白いカードが待っている。2連敗で雰囲気の悪いスパーズと、スパーズ戦から始まった4連敗中のシティだ。他のチームはこんなブラックなビックマッチを好奇の目で笑っているだろう。ま、自分たちも少し冷ややかな気持ちでいるんだけどね。

2024-2025シーズン 試合結果一覧

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!