[ECL]第6節 レンジャーズ vs トッテナム・ホットスパー

2024-2025 ヨーロッパリーグ 第6節

Rangers 1 – 1 Tottenham Hotspur

Stadium:アイブロックス・スタジアム  

得点
47分:ハムザ・イガマネ(Gers)
75分:デヤン・クルゼフスキ(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ヴェルナー(46’クルゼフスキ)、ソン、ジョンソン(60’ソランケ)
MF マディソン、ビスマ(69’ベリヴァル)、ベンタンクール(60’サール)
DF ウドギ、グレイ、ドラグシン、ポロ
GK フォースター
sub:オースティン、ホワイトマン、ドリントン、ハーディ、オルセシ、バーネット、ランクシャー

ちょっと落ち着いた方がいい

 ヨーロッパリーグはリーグフェーズ残り3節となった。年内はこれで最後。ただでさえ過密な日程にさらに試合を追加しないためにも、ストレートに決勝トーナメントに進める8位以内に残りたい。試合開始前でレンジャーズは8位、スパーズは9位だ。

 スコティッシュ・プレミアリーグはおよそ2強リーグと言ってしまえるように突出した2クラブが牽引しているリーグになる。レンジャーズとセルティック。今現在でちょうど2クラブの獲得タイトル数が通算で並んでいるらしい。レンジャーズは重要なシーズンを戦っている。

 そんなレンジャーズの本拠地に乗り込むのはかつて宿敵セルティックでタイトルコレクターとなったアンジェ・ポステコグルーの率いるクラブだ。いつだって熱量の高いスタジアムだと聞いているが、今日もボルテージは高かった。これはWOWOWの音量レバーのせいでもあると思うけど、実況解説が少し聞きにくいくらいには現地の声が響いていた。個人的にはそういう方が雰囲気あっていいので決してWOWOWへのクレームではないです。ちなみにフォースターもセルティックの在籍経験があるのでブーイングを浴びていた。

 先発メンバーのチョイスは、選択肢の少ない時でもあるのでしょうがない部分もある。特にディフェンスラインは本当は休ませたいのにね。ポロとウドギがフル稼働しすぎているから、週末のセインツ戦では思い切ってレギロンとスペンスに任せてもいいと思う。ただ最前線の組み合わせは引っかかった。ソランケを休ませたいのはわかるから、その場合の代役はランクシャーであって欲しかった。総合力ではまだまだでも、センターフォワードにドシっと構えてくれる選手がいた方がチームが締まる。これはプレシーズンにも思ったし、そういえばポステコグルーもイングランド代表を見て、「まずは選手を適材適所に配置することだ」みたいな発言をしていたのに自分はどうなんだい。

 上手くいっていない最近の試合から、何かが改善された兆しはあまり見られなかった。ボールを持っている選手に任せて周りは前に走っていくばかりなのでボールの出しどころがなくなったり、スペースを探して動くのではなくて止まって要求しているふりをしている選手ばかり。センターバックに入ったグレイが持ち運びに失敗してカウンターを喰らう場面が目立っていたが、慣れないポジションをやらされている18歳からもボールを引き取ってあげようとしない諸先輩方が悪いよありゃ。

 ここしばらくしている指摘はボールを受ける選手がいないことと、ウイングが止まって待つので詰まることだった。そういえば今日は解説の林さんにさえ言われていたね。右で作っている時にヴェルナーが左の大外に張って待っているだけで、クロスに飛び込まないからサイド攻撃が成り立たないと。この2点に加えてもう一つ問題提起をさせてください。適当なリスタート、やめません?

 主にGKからのリスタート、ゴールキックもキャッチからのフィードもそうなんだけど、プレーが切れてから再開するのを急ぎすぎている。これがチームでの狙いでゴールキックになるやいなや全員が前に走るならわかるが、どう見ても誰の準備も出来ていないのに素早く再開して、あっさりと囲まれて奪われることが多すぎる。本来は相手FWの切り替えより早くボールを動かして相手を混乱させるためにやるはずの戦術で味方が慌てているのでは意味がわからない。

 これはフォースターだけでなく、ヴィカーリオでもそうだったから一応戦術として共有されているはずだと思うが、なぜかフィールドプレイヤーの準備が出来ていないのにボールを入れては失っている。一旦チームを落ち着けて作り直してもいいはずだ。テンションの高いサッカーを志向しているのは良いが、自分たちの意思で試合のテンポをリセットすることで流れを戻したり休息の時間を作ってもいいはずだ。

 ちなみに主にと言ったのは、中盤でファールを受けた時のリスタートもそうだから、近い選手に素早く預けても次に準備をしている選手がいなくて焦って後ろに下げるのならこれも無駄なのでやめてほしい。せっかくマイボールになったのにすぐに失うことが自分たちのリズムを壊す要因になっているのは見ていられない。あと同じくらい、謎のパスミスとトラップミスも気になる。ただしこれはミスした選手が良くわかっているだろうから気をつけて欲しいという以外に言えないので触れるくらいにしておく。

 チグハグしていて雰囲気の重い状況の中で数少ない光を放っていたのが、途中から入ってきたベリヴァルだった。正直もう今シーズン中に戦力になることはないかなと思っていたところだったのに、ポジションを一列下げたことがベリヴァルを変えた。60分にピッチに入ると、積極的にボールを呼んでは散らして運んで最高のゲームメイクをしてくれた。

 何が良いって動いてボールをもらうところと、パスを出した後にまた動き直してボールを要求するところだ。これがここ最近言っている動いてボールをもらうという事。ベリヴァルだけが出来ていたし、それだけであれだけチームを変えていた。守備免除気味の限定的な使い方になったとしても、ベリヴァルは戦力としてカウントしてもいいところに来た。出場機会が少なかったおかげか、いい意味でチームに染まっていないことでチーム全体が飲み込まれている負の連鎖にハマっていない。チームを救う救世主になるかもしれない。言い過ぎだと思うだろうけど、まだ数字も残せていない選手にこれだけ言うほどに今のスパーズには光が見えないということです。

 直近8試合でわずかに1勝。マンチェスター・シティにしか勝てないチームになってしまった。「ジョンソンは点を取ることしか出来ない。悪い意味で」くらい意味不明だが、応援しているチームの調子がコレでまともでいられるわけはないので許してほしい。

2024-2025シーズン 試合結果一覧

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