[EFL]準決勝 トッテナム・ホットスパー vs リヴァプール

2024-2025 カラバオカップ 準決勝 1stレグ

Tottenham Hotspur 1 – 0 Liverpool  

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:95勝38敗12分(勝率:66%)  

得点
86分:ルーカス・ベリヴァル(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン(72’ヴェルナー)、ソランケ、クルゼフスキ
MF ベリヴァル、ビスマ、ベンタンクール(15’ジョンソン)
DF スペンス、グレイ、ドラグシン、ポロ
GK キンスキー
sub:オースティン、ドリントン、レギロン、オルセシ、ヤン、ムーア、ランクシャー

リヴァプール
FW カクポ(60’ディアス)、ジョタ(60’ヌニェス)、サラー
MF マクアリスタ(80’コナテ)、グラフェンベルフ、ジョーンズ
DF ツィミカス、ファンダイク、クアンサ(30’遠藤)、ブラッドリー(60’アーノルド)
GK アリソン
sub:ケレハー、ロバートソン、キエーザ、エリオット

金色の救世主たち

 シーズンの折り返しを迎えたところでも幸いなことに今シーズン出場する全ての大会でタイトルの可能性を残せている。ただし可能性とは数字上だけの話でリーグ戦は事実上の終戦であり、力を注ぐべきはカップ戦だ。マンチェスターの両雄を倒し、上り詰めた準決勝で対戦するのは目下25試合負けなしのリヴァプール。カラバオカップは何故か準決勝だけがホーム&アウェーなのでここでリヴァプールは引きたくなかった。一発勝負の怖さとはいかないからね。

 ただでさえ戦力不足の中でマディソンとサールが累積警告で1stレグは出場停止となる。チームに蔓延する体調不良の影響続きかフォースターがベンチから外れ、加入数日のアントニン・キンスキーが早速のスタメンに入った。それと出場こそなかったが、こちらも新加入の18歳、ヤン・ミョンヒョクもベンチにいる。

 まず先に説得力のない感想の述べておきたいんだけど、なんかめちゃくちゃ面白い試合じゃなかったですか。いや両チームに負傷者が出たあたりは残念だったけれど、強度の高さとか集中力とか緊迫感がずっとある好ゲームで、たとえ勝っていなかったとしても最高の試合だったと言っていたと思う。どこで点を取られていてもおかしくなかった反面、押し込まれていても一発を刺せる雰囲気はあった。

 スパーズは大抵の場合、元気よく試合に入るも徐々にスタミナがなくなり、後半に相手にペースを握られるとそこから押し返せないことが多く、それが大きな課題だった。切り替えの速さとかにまだ気になるところはあったけど、それでも今日は全体的にプレーが前向きで最後の最後まで戦えていた。

 チームに大きな変化をもたらしてくれたのが、新加入のキンスキーだ。1試合でシュートストップに関する評価は難しいが、足元の技術の高さは他のGKたちとは質の違うものだった。ロリスからヴィカーリオに変わった時はヴィカーリオは上手いなと思ったけど、そのさらに上を行く。プレスにきた相手FWの頭を少しだけ越すパスも正確で、時折見せる相手のDFラインの裏に落とす鋭いフィードが印象的だ。パスだけでなくトラップやショートパスも落ち着いていて足元への自信は垣間見えた。

 さらに最近課題だと思っているキーパーからのリスタートをキンスキーは急がないので後ろでボールを無駄に失う場面が激減した。これは加入間もなくてそこまで指示を受けなかっただけの可能性も捨てきれないが、やっぱりちゃんと準備が整ってから始めるビルドアップの方が良いよなと再確認できた気がする。これはひょっとすると戻ってきたヴィカーリオも安泰じゃないなと思える初戦の大きなインパクトだったよ。

 まあ今日はみんな良かったよね。この試合を見せられて重箱の隅を突くのはヤボに思えるから今日は褒めるだけにするよ。ベンタンクールの負傷でジョンソンを出した時点で、流れを変える交代カードはベンチにいなかったので疲れたら交代というわけにはいかなかった中でよく戦ったよほんと。

 本日のMVPランキング3位はジェド・スペンス。やりにくいはずの右利きの左サイドバックを任されながら攻守に圧巻のパフォーマンス。サラーは相変わらず脅威だったけど、単純に1対1では負けていなかったと思う。サラーは武器の多い選手だから、キープして味方を使ったり抜き切らずにクロスを上げたりしてくるので完封とはいかないまでも、今期ここまでサラーを抑えられたサイドバックは果たしてどれだけいるだろうか。

 2位はキンスキーなので次は1位。もちろんルーカス・ベリヴァルに授与させていただく。シーズン序盤はプレミアの洗礼を受け、冬にはレンタルかと思われていたものの12月に入ったあたりからメキメキと存在感を増してきた。もうここ数試合はベリヴァルこそが希望の星だと言えるほどになり、ついにこの決勝ゴールだ。涙腺に来た人は正直に手をあげてください。

 後半の半ばあたりでベリヴァルは疲れてきたように見えた時間があって、少しプレーが雑になってきたかなと思っていたが、それは間違っていたようだ。今日はアンカーではなくインサイドに入ったことで、より走るエリアが増えて大変だっただろうが、最後の最後まで走り戦っていた。今日もソランケは休むことなくプレスを掛け続け、限界を超えながら86分にコナテに競り勝ったのも、そこに走り込んだベリヴァルもこれぞハードワークという頭の下がるゴールだった。

 ホームで1-0で勝っただけでは2ndレグでアンフィールドに乗り込むチームからしたらリードとはいえないものだ。なんで準決勝だけ2試合なんだと思っちゃうよね。相手の若干のターンオーバーをしていたとはいえ、スパーズのチーム状況からしたら思ってもない大勝利だったと言える。なんとリヴァプールにとって今シーズン2度目の黒星らしいのでね。2ndレグは1ヶ月先なのでそれまでには戻ってくる選手も多いことでしょう。決勝に向けて、前に進む1ヶ月にしよう。

2024-2025シーズン 試合結果一覧

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