2025-2026 プレミアリーグ 第6節
Tottenham Hotspur 1 – 1 Wolverhampton Wanderers
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:103勝44敗15分(勝率:64%)
得点
54分:サンティアゴ・ブエノ(Wolves)
90+4分:ジョアン・パリーニャ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW シモンズ(78’オドベール)、リシャルリソン、クドゥス
MF ベンタンクール(63’ジョンソン)、パリーニャ、ベリヴァル(78’サール)
DF ウドギ(84’テル)、ファンデフェン、ロメロ、スペンス(63’ポロ)
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、ダンソ、サール、テル、スカーレット
ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ
FW アリアス(92’トティ)、ラーセン(84’アロコダレ)、ファンヒチャン(46’チャチュア)
MF H・ブエノ、ゴメス(64’ベルガルド)、アンドレ、ムネツィ
DF クレイッチ、S・ブエノ、ドハーティ(46’アグバドゥ)
GK ジョンストン
sub:サー、ウルフ、ゴメス、ロペス
焦ってバラバラになるのはもったいない
悪い意味でまたやってしまった。ホームで迎えるのは開幕から5戦全敗のウルブズとあれば、絶対に勝たなければいけない試合のはず。パレスの奮闘でリヴァプールとの差を詰めるチャンスをこんな形でふいにするのはもったいない。今年本気で優勝を目指せるのかといえばもちろんそうは思っていないが、喰らいつける限りは求めていくべきだ。追いかけて追いつけたところは去年から成長している部分だと思うけど、それをポジティブにするのは甘すぎるかな。こんなこと言いたくないけどさ、昨日のアーセナルvsニューカッスルを見てて思ったよ。勝利を渇望している目がウチと全然違うって。そう言う意味でもまだ遠いなって。
連敗中のウルブズはカップ戦で入れ替えたメンバーが良いプレーをしたことで、そのままリーグ戦に持ってきた。大連敗しているからできる荒療治だが、それが上手くいったらしい。出てきた選手たちはモチベーションが高く、そのテンションに押されてしまった。前半はしばらくしてリズムを奪い返すことができたけど、後半のフォーメーション変更と勢いに飲まれて失点してからは全く流れを掴めなかった。
ボールが比較的回っている時間帯でも最後の局面でペナルティエリアに踏み込む連携がなくてチャンスになりきらない。改善策が見つかるまではまだ時間がかかるだろうから我慢するけど、改善案はいくつか見られた。
左に置いたシモンズが内側に入ってもプレーできるように、ベンタンクールがかなり左に開いてバランスを取っていた。今いちばん創造性のあるシモンズのやりたいようにやらせてあげて、周囲がそのサポートをすると言うのは理にかなっている。ただベンタンクールは後ろのケアに徹するだけだったので、たまには自分が飛び出していくような変化をつけてもいいのかなとは思った。ウドギが関わっていい感じに前に出ていける場面はあるのにクロスの場面で迷ってしまうことが多かったのは、ウドギ個人の問題でもあるけど、真ん中に入る選手が少なくて出しどころが見つからないって言うのもありそうだった。
これは両サイドに共通して思ったんだけど、サイドでボールを持った時に一列内側のエリアに飛び込んでくる選手がもっと欲しい。サイドで抜き切らずにクロスを上げることが多かったが、ペナルティエリアの外側からのクロスだと中で待つリシャルリソンには遠いから、よほどピンポイントのクロスが入らない限り合わせるのは難しそうだった。あの遠いクロスが基本戦術ならもっと中に人を多く置くべきだし、そうじゃないならペナルティエリアの脇に走り込んで攻略する選択肢が欲しい。ウイングとサイドバックが縦に並んでしまうより、どちらかが外側でもう一方が内側でサポートできるような立ち位置が取れるようになるといいね。
選手個人に触れていくと、やはりスペンスはもう左サイドバックの選手になってしまったらしい。右だととてもやりづらそう。特に目立った攻撃参加はなく、悪いわけではないけど物足りないままだった。そして追撃のために入ってきたジョンソン・・・何もなかった。フランクが左のジョンソンを諦めたことは良かったと思うが、右でも貢献度は低く、逆にポジションを動かされたクドゥスがやりにくくなっただけだった。ジョンソンを入れるなら、カラバオカップで上手にサポートしてあげていたグレイを子守り役に同時に出して欲しいなと思った。今のジョンソンは周囲が彼を生かすための環境を完全に整えてあげた時にだけ輝く選手に見える。
追いかける展開になってからは落ち着きがなくバラバラで、ヴィカーリオを筆頭になんでもないキックミスでボールを失ったり、可能性の感じられない雑なミドルシュートを打つばかりだった。なのでもう厳しそうな時間にパリーニャのゴールが決まった時は早朝に叫び声が出てしまった。この展開でゴールを決めたら熱くなってユニフォームを脱いでしまう気持ちはわからんでもないよ。そこは逆転を目指してすぐに自陣に戻るべきと言うのもその通りなんだけど、それでいうと同点からの時間に逆転を信じてプレーしていたのはテルくらいだったと思う。ユニフォームを脱いだパリーニャよりもスローインの時に誰もボールをもらいに行かなかったことの方が問題だと思う。結局このチームには誰かがなんとかしてくれる症候群がある。
ま、良かったところにも目を向けないとフェアじゃないね。フランクが色々試行錯誤中なのが采配から見えてくるのは今後に期待できるところだ。ジョンソンはやっぱり右サイドだな、みたいな良かった結果は継続するしクドゥスやシモンズのポジション変更を試してみたりサイドバックは適度に休ませられていたりと長い目で見ると良い方向には進んでいる実感がある。今週のアウェー2連戦はまた新しい成長が見られると期待して次に進みましょう。