[PL]第11節 トッテナム・ホットスパー vs マンチェスター・ユナイテッド

2025-2026 プレミアリーグ 第11節

Tottenham Hotspur 2 – 2 Manchester United 

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:104勝46敗15分(勝率:64%)  

得点
32分:ブライアン・エンベウモ(Utd)
86分:マティス・テル(Spurs)
90+1分:リシャルリソン(Spurs)
90+6分:マタイス・デリフト(Utd)
トッテナム・ホットスパー
FW リシャルリソン、コロムアニ(46’オドベール)、ジョンソン
MF パリーニャ(80’ベンタンクール)、シモンズ(80’テル)、サール
DF スペンス、ファンデフェン、ロメロ(88’ダンソ)、ポロ(67’ウドギ)
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、ロウズウェル、アカムリッチ、スカーレット

マンチェスター・ユナイテッド
FW エンベウモ、クーニャ(72’マウント)、ディアロ
MF ドルグ(80’ダロト)、フェルナンデス、カゼミロ(72’ウガルテ)、マズラウィ(69’シェシュコ)
DF ショー、マグワイア(72’ヨロ)、デリフト
GK ラメンス
sub:バユンドゥル、ヘブン、フレッチャー、ザークツィ

今シーズンは頑張ろうな

 スペイン・ビルバオで会って以来のマンチェスター・ユナイテッド。優勝したものの監督を解任し、新時代に進むスパーズとヨーロッパの出場権を失ったにも関わらず大型補強で巻き返しを狙うユナイテッドは、互いに今年こそはと思っている。歴史あるライバル関係はアーセナル、近年のいざこざではチェルシーを主にライバルとしているスパーズだが、ユナイテッドもある意味ではライバル関係と言えるかもしれない。自分たちの調子が悪くても君たちがいることで安心してしまうような優しい間柄だ。抜け駆けされるわけにはいかないね。

 怪我人が多くてあんまり選択肢はないものの、パリーニャ、サール、ベンタンクールを中盤に並べるような、対強敵相手の布陣を組まなかったことには安心した。フランクも今のユナイテッドを対等に見ているということだ。本日の実験はリシャルリソンの左ウイング起用だが、結果的にこれは上手くいっていたとは言い難い。

 ベリヴァルとクドゥスがいないことで、ダブルトップ下の候補がシモンズだけになってしまった。そんな中でフランクは現有戦力で出来るだけ近いことをやろうとしたんじゃないかと推察する。リシャルリソンはマイボールになった時には中央に移動するが、今回はトップ下というよりはツートップのような立ち位置だった。イメージは悪くなかったと思う。ただダブルトップ下にするときはそこに入る選手が積極的にボールを受けてくれることで、いい循環が生まれるのだがリシャルリソンとコロムアニは前で待ってしまうのでボールの引き取り手がいないといういつもの課題は課題のままになってしまっていた。

 フランクは試合後に、「ユナイテッドはクロスに弱いという分析が出来ていたから、リシャルリソンを選んだ」と話していた。最終的にはテルのゴールがクロスから生まれているので戦略は正しかったのだろうけど、まだ五分五分の時間帯だと今のスパーズはクロスに行くまでボールを運ぶことができないので今回は裏目に出てしまった。でも、いいんじゃないですか。こういうのを采配ミスだと断罪する時じゃないと思う。今はいろんなやり方や組み合わせを試していけばいい時期だ。脱線するんだけど、科学の実験に失敗はないんだという話を聞いたことがある。実験というとフラスコの中の薬品を組み合わせで爆発しているようなイメージは浮かぶと思うんだけど、科学実験の分野ではそれを失敗とは言わないらしい。今の環境、組み合わせ、やり方では望んでいた結果にはならないことが判明しただけ、だと。いい考え方だと思う。これがチームが成熟してさあタイトルを狙うぞというシーズンなら違うが、今年はそうじゃないからね。色々試していこうよ。

 采配面はさておき、この試合でも選手の動きが少ないことが気になってしまう。いざカウンターという局面でシモンズが個人技で状況を打開してくれているのに、追いつけ追い越せと走っていく選手がいない。こうした切り替えの場面だけでなく、ゴールに近い位置でボールが回せていても、基本的にはみんな棒立ちでディフェンスラインの裏を狙う駆け引きみたいなものも、誰かを空けるためのフリーランニングもない。あとこの後のエヴァートンvsフラムの試合を見ていて思ったんだけど、押し込んでいる時にダブルボランチが2枚とも後ろで立っているだけのチームって他にないですよね。どのチームも守備担当1人とセンターバックに後ろは任せてボランチの片方はペナルティエリア内に走り込んでいる。それをしないからなんか攻撃に厚みがないのだろう。シモンズはペナルティエリアの外からチャンスメイクしたいタイプなので、ボランチはそれを追い越した方がいい。テルのゴールは低めにいる中盤の選手をセンターフォワードに変えたことで、クロスを待つ選手が増えたから生まれたゴールだ。

 試合の締めかたは非常にもったいなかったが、逆転ゴールは相手に負傷者が出たことによる数的有利の影響があったもので、内容的には引き分けが妥当だった。ここから2週間空いたら前半戦の山場がやってくる。アーセナル、パリの連戦は今のヨーロッパで屈指の厳しい連戦だろう。起用できる選手が増えてくれることを願いつつ、この2チームに対して何を見せてくれるのか卑屈になりすぎずに楽しみにしようと思う。

2025-2026シーズン 試合結果一覧

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