2025-2026 プレミアリーグ 第15節
Tottenham Hotspur 2 – 0 Brentford
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:105勝47敗15分(勝率:64%)
得点
25分:リシャルリソン(Spurs)
43分:シャビ・シモンズ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW コロムアニ(74’オドベール)、リシャルリソン、クドゥス(80’サール)
MF グレイ、シモンズ、ベンタンクール(65’パリーニャ)
DF スペンス、ファンデフェン、ロメロ(80’ダンソ)、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、デイビス、ベリヴァル、ジョンソン、テル
ブレントフォード
FW ウァッタラ(88’ルイスポッター)、チアゴ、シャーデ
MF ヤルモリュク(76’ヤネルト)、ダムスゴーア(61’イェンセン)、ヘンダーソン
DF アイェル(46’ヘンリー)、コリンズ、ファンデンベルフ、カヨデ(76’ヒッキー)
GK ケレハー
sub:バルディマルソン、ピノック、オニェカ、ドノバン
これを基準にしていきたい
去年と比べてしまうとあれですが、自分たちの中ではそこまで良いシーズンになっているという感覚は今のところはない。絶望しているわけではないけど満足もしていないという感じ。順位はボトム10まで落ち込んでしまってはいるが、3ポイントの差の中に多くのチームがひしめいている混戦だ。前節と同じく勝点で横並びの相手を迎える。監督とエースを引き抜かれながら踏ん張っているブレントフォードだ。
この試合への思い入れの強いフランクの気合が乗り移ったようなハイパフォーマンスには目を疑ったよ。3日前まではあんなにエネルギーに欠けたチームだったのに、突如覚醒してこの強さ。でも今日はいい試合をしたねという感想はほどほどに、これを基準にしていきたいなって思いました。
先発の発表を見た時には4-4-2かと思ったが、コロムアニが左ウイングに出た4-2-3-1だった。開始数秒でグレイを中心にアグレッシブで前向きなプレーが見られた。良い立ち上がりだなと思ったが、まさかそれを続けられるとは思わなかった。しかし物事には理由がある。僕の最近偏ってきた思考から導き出される結論はシンプルなもので、ピッチ上にボールから逃げる選手がいなかったというのが大きな要因だと思っている。前節はサールとジョンソンを指摘したが、そこに変わったのがリシャルリソンとグレイだ。ベリヴァルとシモンズはどちらもボールプレイヤーなので大きくは変わらないが、最近出場時間の少ないシモンズの方がより貪欲に見えた。
とても良い違和感に溢れた試合だった。動きをつけてくれるグレイに触発されたのか、ベンタンクールも前向きなプレーが増えた。コロムアニが中央に寄ってプレーするのでスペンスが生き生きとサイドで仕掛けていたし、中にコロムアニがいるのでゴール前の厚みも出ている。いつもはサイドに張ってしまうクドゥスがシモンズとポジションチェンジして広く顔を出していたし、極め付けはポロがウイングを追い越す動きを何度も見せていた。これはニューカッスル戦からの数日で選手たちが頑張ったとかコーチ陣がいい準備をしたとかそういう話ではないと思う。連戦の中3日で劇的に変えられるのならこれまで出来ていなかったことの説明がつかない。きっとこれは頭の中ではやりたいと思っていたサッカーがあるけど、いざピッチに立ったらさまざまな要因で消極的になってしまい実現できていなかったことなんだろう。それが少しのきっかけで自信をつけて今日はやれるぞと積極的になり、ハマっているからより積極的になるという好循環だったのだ。
つける文句の見つからない試合だった。あまりにテンションが高いから、今日がノースロンドンダービーかと思ったよ。ついにシモンズに初ゴールが生まれたのも大きい。1点目はクドゥスの作ったスペースを巧みに突いた戦術眼がひかり、2点目は自らのミスから素早く切り替えてタックルを仕掛けに行った責任感とあとはなんて形容したらいいかわからないが、有り余る能力を見せつける独走だった。
あとこれは意見の分かれるところかもしれないけれど、左サイドバックの一番手は個人的にはスペンスかなと思っている。身体能力はウドギに分があるとは思うが、スペンスの方が器用でやれることが多い。相手ゴールに迫るほどにウドギはプレーが狭まっていく傾向にあるのが気になっているのです。スペンスの弱点は時々傲慢になって試合中に手を抜くところ。その姿勢だと遠からずウドギが追いつけ追い越せと迫ってくるとは思うが、現時点ではスペンスの方が好きです。
少し良いプレーをし始めた選手とまだ自信を持てていない選手とで差がつき始めてしまうかもなという試合でした。今日ベンチで見ていた選手たちは何か気づいてくれるものがあってほしい。これが継続できますように。