2025-2026 プレミアリーグ 第32節
Sunderland 1 – 0 Tottenham Hotspur
Stadium:スタジアム・オブ・ライト
得点
61分:ノルディ・ムキエレ(Black Cats)
トッテナム・ホットスパー
FW リシャルリソン(62’テル)、ソランケ、コロムアニ
MF グレイ(62’パリーニャ)、ベリヴァル(62’サール)、ギャラガー(85’シモンズ)
DF ウドギ、ファンデフェン、ロメロ(70’ダンソ)、ポロ
GK キンスキー
sub:オースティン、ドラグシン、スペンス、ビスマ
サンダーランド
FW ブロビー(98’イシドール)
MF ルフェ、ジャカ、ディアラ、サディキ、リッグ(82’タルビ)
DF マンダバ、アルデレーテ、オニエン、ムキエレ(82’ヒューム)
GK ルーフス
sub:エルボリ、サーキン、ヘールトロイダ、ジョーンズ、マイエンダ
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まずはお久しぶりです。代表ウィークで3週間も空いたせいもあってサイトの更新が1ヶ月近くも空いてしまいました。なんやかんやこの1年くらいは忙しさを理由に更新頻度がとても落ちていますが、もしかするともう少しで生活も落ち着いてきて少しは記事を増やせるんじゃないかという目処が立ってきました。まあその頃、我々はもうプレミアリーグのチームではないかもしれませんけどね、ははははは。
フォレスト戦の敗戦を受けてフロントは今季2度目の監督交代を決断しました。新監督はロベルト・デ・ゼルビ。本人は今のタイミングでの就任には難色を示していたそうですが、高給を掲示したのか何を条件にしたのか急転直下で契約が決まった。曰く「何があっても来シーズンはスパーズの指揮を取る」らしいので、ある程度もう降格の可能性も含みなんでしょうかね。そんなデゼルビの就任に対してはこんなネガティブな意見が目立つ。デゼルビは自分なりの強い哲学を持つ監督であり、それが浸透するのには時間がかかる。残留のかかった残り数試合でデゼルビらしさを実現するのは困難だ。ましてやビルドアップが全く上手くいかない今の選手たちの質ではより厳しいだろう。と。
まあ反論の余地はないですよね。このご意見はごもっとも。に見えますが、大きく間違っているところがあります。わかりますか。それはデゼルビだから厳しい、というわけではないというところ。別に誰が監督をやっても同じです。デゼルビだろうがポステコグルーだろうがショーンダイシであろうが、です。時期とチーム状況を考えると、より現実的なチーム作りをできるダイシやアラダイスみたいな監督が良いという意見も見かけましたが、正直どうでも良いことです。誰が監督になったとしても、今の選手たちは監督の言うことなんて聞かないので。
フォレスト戦の記事の締め括りにこんなことを書きました。
結果が出ていないことと、ここから3週間空くこともあってトゥドールが次も指揮しているかはわからないが、トゥドール歴の長い選手たちから大きな意識改革でき始めているのを見るとこのままトゥドールに賭けたい気持ちが今は強い。きっと新監督が来たら、状況を理解するまでわかりやすい実績や特徴をもった選手が優先されるようになって、同じことが繰り返されてしまうから。
予言者と呼んでください。今日の試合はまさにこの通りの状態じゃなかったですか。トゥドール体制では勝利こそ掴めなかったけれど、少しずつチームは変わってきていた。それがまた完全にリセットされてしまったような感覚を受けるようなデゼルビの初陣だった。トゥドール下でキーマンになりつつあったサールとテルがまたも外され、ギャラガーとコロムアニがスタメンに返り咲いた。今シーズン勝った試合のほとんどで重要な仕事をしてきたシモンズは限られた出場時間しかもらえていない。後ろからの繋ぎを諦めて現実的なロングボールでチャンスを作れるようになってきた流れを捨てて、また後ろからのビルドアップに挑戦し始めている。それがどれもこれも上手くいかなかったのだ。個人的には今シーズンは最後までトゥドールでいきたかった。もうまもなく初勝利を掴めそうなくらいにチームが良くなってきたのに、今までの経緯を知らない新監督がまた表層的な選手配置や戦術論でチームを改革しようと思っても無理なのです。トゥドールには家族の訃報があったらしいので、それが理由の契約解除ならしょうがないが、フロント主導の解任だったとしたらその見る目のなさには絶望ですよ。
試合が終わった後の書き出しなので不満タラタラではあるが、やっぱり試合前は少しでも希望を持って試合を見ていた。変化はすぐにわかったが、上手くいっているわけではなく方針が見えたと言うだけだった。後ろから繋ぐ意識を再開し、受け手がいないので結局ロングボールを放る。ロングボールのターゲットマンの競り合いのこぼれを狙って常に誰かが裏を狙って走っているというのは良かったが、特にそれがチャンスに繋がったことはなかった。今日は基本的にはこの一本槍で、一つ用意してきたものがハマらないとそれ以外のやり方がないのがわかってきてしまい時間が経つほどに見ていて辛かったよ。そういえば今更なんだけど、上手くいっていないのに続けていることの代表格といえば、ロングスローだよね。フランクが取り入れてそこからトゥドールもデゼルビも継続路線のようだけど、僕の記憶が正しければ今シーズンロングスローから得点に繋がったことは一度もないはず。なのに特に変わり映えのないやり方でただ放り込むだけなのはいかがなものか。まああれか、ショートスローで繋いでもどうせ崩せないからこっちの方がマシっていう判断なのかな。それならしょうがないか。せめて入り方とかの工夫はみたいけどな。
どうしても悪かった面の話をしたくなってはいるんだけど、特に新しい発見があったわけでもないなと思う。基本的にはこれまでと一緒。ただ良くなって来たのにまた元に戻ってしまった部分があるのが悲しい。グレイとサールのボランチコンビの時にようやく中盤からの機を見た攻撃参加が出てきたのに、それがなくなっている。今日はギャラガーが広く動く代わりにグレイを下り目のバランサーとして役割分担がされていた。しかし攻撃の局面でギャラガーはビビって前に出ていかず、誰かに預けてはその後方をケアするように動く。いやあもうその段階は抜けたはずだったのになって思う。ベンチにいる期間、一体何を見ていたのだろう。ボランチはグレイとサールのコンビに戻すか、グレイを前方に開放できる相棒と組ませるのが良い。ビスマでもパリーニャでも良いと思うが、ギャラガーとベリヴァルではグレイが下がってしまうので良くない。こうした組み合わせもデゼルビは今から試したりするんだろうなと思うと、本当にもう手遅れなんじゃないかって気がするよ。
このままでは終われないので、この試合から2つのポジティブを拾い上げます。1つ目、キンスキーの勇気。チャンピオンズリーグでのあの夜は、キンスキーの選手生命を奪いかねないものだった。それ以来となったこの試合でキンスキーは強い精神力を示してくれた。足元で受けることを恐れることなく、キックの時に滑って転んだことを相手サポーターにやじられても動揺することはなかった。ボールコントロールはヴィカーリオの数段上にあるのでこの短いチャンスでデゼルビの信頼を勝ち取れば、残りの試合を託される可能性だって十分にあると思う。というか、デゼルビが自分のスタイルに固執するのであれば、キンスキーじゃないと危ういのでは。
2つ目のポジティブは、ロメロの離脱。いえ、言い間違いではありません。ロメロの離脱です。負傷自体を喜んでいるなんてことはありえません。ただロメロの涙がスパーズのことを思って流したのか自身のワールドカップ出場を危惧してのものなのかといえば後者だろうなと思うくらいには冷めているけど、それでも誰かの怪我を喜んだりはしません。今日の試合から残留のためになることがあったとすれば、ここからの試合にロメロが出場できないことであると言うことは言い切っておきたい。
この後に及んで我らのキャプテンは、なんの反省もないように必要のない場面で荒っぽいタックルをしてイエローカードをもらう。お気持ちだけの攻め上がりの後にゆっくりと歩いて帰りながら、偉そうに手振りで味方に指示を出していたりする。そんなワールドカップチャンピオンのような振る舞いをしていれば、若い選手たちに対する悪影響は計り知れないと思うのだ。今はなりふり構わず走って戦って体を張るような姿勢を見せて欲しいのに、持ち場を離れて歩いているなんて許されない。味方を鼓舞するのではなく不満そうな表情をしているだけの選手がキャプテンではもはやゼロに近い士気を再び高めていくことなんてできないだろうに。
ロメロには悪いけど、どちらにせよロメロは外すべきだった。しかしキャプテンという役割とこれまでの選手個人としての実績に目が眩み、どの監督もロメロを制御することは出来なかった。そこにこの上ない口実がやってきた。もうロメロ本人からもなんとかしてチームを残留させるんだっていう気概は見えていなかったし、ワールドカップに向けた良い休息になるのだからWin-Winでしょ。ケビン・ダンソは戦える。ドラグシンだって1月くらいにはややクールすぎると批判的なことも書いたけど、今のロメロよりは頑張ってくれる。今はデゼルビの戦術がどうのこうのという次元にはありません。まずはチームのために走って戦ってくれること、勇気あるプレー選択を続けていくことです。ロメロからダンソへの変更はそうした精神性を波及させる第一歩になります。問題は緩やかな変化では間に合わないことだ。