2018ロシアワールドカップ特設ページ
2018W杯:決勝 フランス vs クロアチア
France 4 – 2 Croatia
Stadium:ルジニキ・スタジアム
得点
18分:マリオ・マンジュキッチ(OG)(France)
28分:イバン・ペリシッチ(Croatia)
38分:アントワーヌ・グリーズマン(France)
59分:ポール・ポグバ(France)
65分:キリアン・ムバッペ(France)
69分:マリオ・マンジュキッチ(Croatia)
フランス
ロリス、パバール、ヴァラン、ウムティティ、エルナンデス、ホグバ、カンテ(55’エンゾンジ)、マトゥイディ(73’トリッソ)、ムバッペ、グリーズマン、ジルー(81’フェキル)
クロアチア
スパシッチ、ブルサリコ、ロブレン、ビダ、ストリニッチ(81’ピアツァ)、レビッチ(71’クラマリッチ)、ブロゾビッチ、モドリッチ、ラキティッチ、ペリシッチ、マンジュキッチ
ロリスの優勝と最高のモドリッチ
2018FIFAワールドカップがここに完結いたしました。最後まで残ったのは20年ぶりの優勝を狙うフランスと初めて決勝の舞台にたどり着いたクロアチアでした。優勝候補と目されてきたタレント集団のフランスに対し、気持ちの込もった戦いを続け、全試合フルタイムの満身創痍で決勝を迎えるクロアチアです。ニュートラルなファンたちはクロアチア派が非常に多く、サッカーをよく知らない友人たちは皆そろってクロアチアに肩入れしていました。かくいう私もロリスを応援しつつ、自然とクロアチア寄りに見てしまう間で揺れ続けました。
初めての決勝にもかかわらず、クロアチアは平常心で試合に入りました。いつも通りボールを保持し前線は流動的に動かして穴を探す。フランスはポゼッションをとっとと諦めて、効率よく攻める形を模索します。グリーズマンのフリーキックが運よくゴールに吸い込まれてもフランスはシュートゼロ。ただし、クロアチアの攻めもうまくいっているわけではなくどちらのペースだと明言しづらい展開でした。
先制されても動揺することなく、周到に準備してきたであろうフリーキックからペリシッチが豪快に決め素早く同点に戻します。さすがは決勝トーナメント全試合で先制されてきたチームなだけある。しかしこの日、勝利の女神はフランス側につきました。今大会を象徴するようなVAR判定でのペナルティキックがフランスに与えられます。結局このシーンがこの試合の全てだった。PKの判定について僕は異論はありません。大会を通じてあのようなハンドは取っていたと思うし、決勝であの判定は厳しいなんていう声もありますが、判定に試合の重要度を持ち込むのはナンセンスでしょう。
そうなれば前に出るクロアチアをうまくいなすのはフランスの得意技。モドリッチが一瞬ボールを見失った事が悔やまれるポグバのゴールに、疲労からかディフェンスの寄せや戻りが甘くなったムバッペのゴールで万事休す。一気に諦めモードが色濃くなりました。それでも気持ちを切らさなかったマンジュキッチの魂のプレスでロリスからゴールを奪うも、一度切れた気持ちの糸は繋がらない。クロアチアに逆襲の気力は残されていませんでした。
かくして優勝は自国開催以来となるフランスの優勝でした。強靭なセンターバックに大会でブレイクしたと言える若き両サイドバック。相変わらず世界最高のカンテにポグバとマトゥイディが脇を埋める。攻撃はムバッペとグリーズマン頼りでも、優勝に納得のいく強いチームでした。
大会MVPはなんと6大会連続で準優勝から選ばれているらしく、今回はモドリッチでした。フランスはそれなりにバランスのとれたチームでムバッペという強烈な個を持ち合わせていても、誰か個人の活躍だけで上がってきたわけではない。もちろんクロアチアもよりチーム力で勝ち上がってきたチームでしたが、その中でもモドリッチのプレーは図抜けていました。決勝にベルギーがやってきたなら、アザール受賞の可能性もあったでしょうが、小国クロアチアを文字通り引っ張ってきたモドリッチの受賞もまた文句なしでしょう。
ワールドカップの優勝カップをトッテナムの選手が抱えた事って過去にあるのでしょうか。我の強いフランスの若者達をまとめる静かなキャプテン、ウーゴ・ロリス。決勝ではミスで目立ってしまいましたが、それまでのパフォーマンスは素晴らしかったし、あれがなければゴールデングローブをクルトワに譲ることもなかったんじゃないか。カップを掲げるタイミングがなんかしっくりこないものだったけど、ついに我らがキャプテンが大きな夢を成し遂げました。おめでとうフランス、おめでとうロリス。しばらくはワールドカップロスに浸ります。しっかりリフレッシュしてまた来シーズンはよろしくね。