再建を託されたのはポステコグルー

2023年6月6日、トッテナム・ホットスパーはアンジェ・ポステコグルーが監督に就任することを発表いたしました。

このチームを変えてくれ

 思ったより早く決まったなあというのが最初に浮かんできた感想だった。コンテの解任以降は暫定監督という立ち位置にしていたから、オフにはどこからか新指揮官を探してくるんだろうということは明白だったが、いかんせん2年前のことが頭にはある。モウリーニョを切ってメイソンで繋ぎ、さあ監督は誰だと楽しみに待っていたのに、ようやく決まったのは6月30日だったのだから。

 今回も最初に出てきた名前はナーゲルスマンというビッグネームで、次にフェイエノールトのアルネ・スロットがいいところまでいって破綻と聞いていた。こりゃあ長引くぞ、待たされた末に誰にも決まらないで消去法のライアン・メイソンもあるぞ、なんて思っていたが、ポステコグルーの名前が出てからは意外なほどにすんなり決まった。

 さて、我々日本人には馴染みの深い監督がやってきた。オーストラリア人のアンジェ・ポステコグルーは自国のクラブで監督キャリアを始めてから、オーストラリア代表、横浜Fマリノス、セルティックという経歴だ。タイトルもたくさん取ってきた。ことセルティックではJリーグからたくさんの日本人を獲得したことでも印象深い。今回スパーズの監督になるかどうかという報道も、スパーズにも日本の選手がいくかもしれないという論調といつもセットになっていた。

 日本でのスパーズの注目度が上がってくれたら嬉しいと思ってこんなブログを何年もやっているんだから、そりゃあ日本人選手が来てくれたらなと期待はしているよ。ただいくら教え子を呼びたくても、いざ獲得となればうちの会長はシビアに判断するだろうから、ポステコグルーが来たから移籍濃厚みたいな記事は信じるに値しないと僕は思いますよ。ちなみにすっかり記念日は忘れていましたが、5月27日でこのブログは丸6年たっていました。我ながら引いてる。いつも読んでくれてありがとうな。

 マリノスもセルティックも真面目に見ては来なかったので、他の人たちのポステコグルー評を見てみてみると、概ねこんな感じ。

・ハイプレス・ハイラインの超攻撃的スタイル

 まあ他にもあったけど、重要なのはこれだけ。転換点はポチェッティーノ時代のあの試合です。覚えていますか、2017年11月1日に行われたCLレアル・マドリー戦です。これまでにない5-3-2のドン引きロングカウンター戦術で3-1でマドリーを破り、それに味をしめて多用した結果、ボールを握るサッカーができなくなり、今に至る「スパーズは引いて守ってソンとケイン」というイメージができたのです。

 そこからの脱却を目指すのが、この度のポステコグルー招聘だと思う。ここ何年も勝っても負けてもつまんない試合ばっかりだったからね。もちろん一筋縄ではいかないでしょう。誰が監督をやってもロクなビルドアップもできないこのチームで、攻撃だけに主眼を置くようなスタイルを求めてもかえって今の崩壊ぶりを加速させるだけかもしれない。

 それでも挑戦しないといけない。8位に終わりヨーロッパの大会への出場権を失った来シーズンはある意味チャンスでもある。毎週2試合をこなしていく日々と違い、シーズン中にもトレーニングの機会があるなんてことは近年の監督にはなかったことだから。

 すぐに数字はついてこない。来年は4位以内を目指すなんていう目標も高すぎるものになるだろう。この我慢の期間がいつか身を結ぶと信じて、長い目でみていければと思う。契約は4年間、フロントこそ、そういう覚悟を見せてくれよ。

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