2021-2022 プレミアリーグ 第19節
Tottenham Hotspur 3 – 0 Crystal Palace
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:49勝18敗7分(勝率:66%)
得点
32分:ハリー・ケイン(Spurs)
34分:ルーカス・モウラ(Spurs)
74分:ソン・フンミン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン(76’ヒル)、ケイン(64’ベルフワイン)、モウラ
MF レギロン、ホイビュア(79’エンドンベレ)、スキップ、エメルソン
DF タンガンガ、ダイアー、サンチェス
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ロドン、デイビス、ドハーティ、ウィンクス、アリ
クリスタル・パレス
FW ザハ、エドゥアール(63’マテタ)、アイェウ
MF クヤテ、ヒューズ、ギャラガー(76’シュラップ)
DF ミッチェル(82’ファーガソン)、アンデルセン、トムキンス、ウォード
GK バトランド
sub:マシューズ、グエヒ、ケリー、リーデヴァルト
完璧に借りを返した試合
今週もギリギリまで開催が危ぶまれていたものの、延期の申請をリーグが拒否したらしく試合は行われることとなった。その影響でパレス側はヴィエラ監督が不在、そしてベンチメンバーは2人減となってしまった。まあスタメンは前節からの変更は1人だけだったようなので、リーグの判断は支持されるところだろう。
対パレス戦といえば、前の対戦は第4節。開幕から1-0で3連勝して首位に立っていた中で迎えたシーズン最初のロンドンダービー。この試合がどんな試合だったかというと、ヌーノ・サント体制で結果に伴っていなかった内容の悪さがモロに出た挙句、退場者も出してケインはシュートすら打てないという体たらくで0-3と完敗を喫した試合だった。
今日はその鏡のようなゲームになった。4節で退場となったタンガンガとパレスデビュー&初ゴールで話題をさらったエドゥアールが共に先発。しかし今日の試合は早々にザハが癇癪を起こしたせいもあり、パレスはほぼ何もできない試合になった。おそらく退場がなくてもスパーズは勝てていたと思う。パレスの選手からして、わずか3、4ヶ月でこれだけ別のチームになっていることは驚きだっただろう。
序盤こそボールの握り合いで優位に立ったのはパレスだったが、スパーズが少しずつプレーの強度を上げ、カウンターの怖さを見せつけるとそこからはスパーズが完全に支配する試合になった。今日もまた、全ての選手が素晴らしかった。
主役は1G2Aのルーカス・モウラ。スタメン当確のソンとケインに並ぶ1枠の争いに1歩ならずリードしていることを証明する活躍だった。中盤でのドリブルのキレだけでこの2年ほど出場機会をもらっていたモウラがついに数字を残すようになってきた。これぞ求めていた姿。攻撃に関わっていくときの期待感がこれまでと全然違うぜ。
ホント交代の選択が理想的
そもそも試合途中から安心して見ていられるような感覚がここ最近やっと戻ってきてありがたい限りなんだけど、それに加えて選手のやりくりにも不満がなくて日に日にコンテへの信頼が増している感覚が強くある。
相手に退場者が出ていたとはいえ、2点リードの60分台にケインを温存交代できる監督はケインがエースと認知されて以来、おそらく1人もいなかった。当たり前のようにケインはフル出場だったし、そのせいで年明けに壊れて慌てふためくのがスパーズの毎年の風物詩だった。
それがコンテの今日の選択はケイン、ソン、ホイビュアを下げてベルフワイン、ヒル、エンドンベレだ。確実に欠かせない選手から下げているし、今日は余裕があるとみて、序列の低い選手を選んでくれた。これもまた今までの監督にはなかったことだ。
例えば今日のベンチメンバーだと、温存のデイビスを除いて評価が高いのはウィンクス、アリ、ベルフワインだったはず。他の監督ならケインらを下げてもこの順で起用したがってきた。だから選手の故障でもない限り、それ以下の序列の選手が起用される可能性はなかった。チャンスがなければコンディションも試合感も取り戻せず、アピールすらできないままになってしまう。
こうして積極的に出場時間を確保することはとても意味があると思う。選手にとって、カップ戦でスタメン出場するよりも感じるものはあるだろう。このマネジメントはこの先必ず生きてくる。
あと今日の交代でコンテの考えで明らかになったことが1つある。ケインの代わりのCFはベルフワインだということだ。少なくとも、そうしたいと思っている。上背と展開力は足りていないけど、足元で収める技術は高い。そもそもケインと同じ貢献ができる選手はいないから、ベルフワインは自分なりに活躍できれば良い。ある程度でも目処が立てば、ケインの負担軽減も実現し、ベルフワインの出場時間も伸びていい事づくしだ。