2026-2027 プレミアリーグ 第5節
Tottenham Hotspur 2 – 3 Aston Villa
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:110勝56敗20分(勝率:60%)
得点
45+4分:ヨアン・マンザンビ(Villans)
67分:ニコラス・ジャクソン(Villans)
79分:エミリアーノ・ブエンディア(Villans)
86分:コナー・ギャラガー(Spurs)
90+8分:ヤン・ポール・ファン・ヘッケ(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW マルムシュ、ソランケ(66’マディソン)、サヴィオ
MF トナーリ(84’ギャラガー)、ベンタンクール(84’ベリヴァル)、フェルナンデス(46’クドゥス)
DF ロバートソン、ファンデフェン、ファンヘッケ、ポロ(19’グレイ)
GK キンスキー
sub:ドゥブラフカ、セネシ、アダラビオヨ、ウドギ
アストン・ヴィラ
FW ジャクソン(88’エイブラハム)
MF マッギン(84’エンバイエ)、カマラ(84’バークリー)、ブエンディア、ゴメス、マンザンビ(72’ヘミングス)
DF ルッジェーリ、ミングス、リンデロフ、ワンビサカ(46’キャッシュ)
GK ザイオン
sub:ライト、ハーウッドベリス、ボガード、ガルナチョ
そんな態度は許されない
長めの代表ウィーク前の最後の試合、特に意味があるわけではない区切りだけど、ここまでをシーズンの序盤戦と分類してみても良さそうだ。試合内容が良くなりつつあることを心の支えにしてはいるが、そろそろ勝ちが欲しいところ。この試合に勝つかどうかで3週間の心持ちが違いますからね。相手は共に未勝利のアストン・ヴィラ。今日こそは。
今日も今日とて立ち上がりは悪くない。残留がかかっていながら試合開始と共に相手の勢いに飲まれていた最悪の時期を知っているからこそ、未勝利の現状に選手の闘志が失われていないことには安心する。あと必要なのは攻撃の成功体験のみ。メンバーを入れ替えすぎているのですぐには上手くいかないことなど机上ではわかっているものの、やはり実際に無得点と未勝利が続くと自信は失われていってしまうからね。熱のあるプレスでヴィラの自由を奪うことには成功する。話題沸騰中のザイオンのキックを封じるためにサポーターも協力体制を組み、煽りの声でミスを誘っていた。
カラバオカップのリヴァプール戦までは、日に日に課題に対する改善の努力が見られ、もう得点まではあと一歩だというところまで迫っていた。しかし今日はリヴァプール戦からの変化はあまりわからなかった。ハイプレスはハマっていたし、ボール奪取はできるのにボールを奪った途端にみんなそこからどうしたら良いかわからなくなっているようだった。ゴールに向かって走り出す選手はおらず、強引にドリブルを仕掛けるか責任逃れのパスをするかしか選択肢がなくなっていた。シーズン最初の1、2試合目に比べると、前線の選手の立ち位置は良くなっている。どういうことかというと、サイドに選手が流れすぎて誰が中央で勝負するんですかという状態ではなくなり、センターに一人ワイドに2人その間に2人とバランスよくポジションは取れていた。しかしその位置取りは良いのにそこからどうしたら良いのかわからずに立ちぼうけだ。どう崩すのか誰がチャンスメイクで誰がフィニッシャーなのかという共有がない。誰も動き出さないのでパスも出せず自ら膠着の時間を作っていて非常にもったいなかった。
まずは誰から裏に走る、その選手が空けたスペースに近くの選手が動く、そうやって相手ディフェンスを撹乱させる努力をしていかないとそりゃ自動的に決定機がやってくることなんてありませんて。それについてお手本を示してくれていたはロバートソンだ。クドゥスの幻のゴールとなった起点の裏抜けを始め、何度か裏を狙うランニングで局面を変えていた。本当はもっと他の選手にも要求して欲しいんだけど、新加入でまだ目に見えた結果が出ていない状況で偉そうに振る舞うと人はついてこないですからね。今ロバートソンは悩んでいると思うよ。そうした伝え方を。ロバートソンを見て自分で気がついて欲しいものだけどな。
そうした最後の決定機創出の拙さと決定力には相関関係があると思う。ザイオンのセーブのように対戦相手のゴールキーパーのスーパーセーブが多く感じるのは、こちらのシューターがシュートの瞬間に余裕を持てていないからだ。窮屈でこれしかないというギリギリのシュートになるからコースも制限されるしミートも甘くなる。必ずしも選手個人の質の問題だけではないはずだ。同じように相手のスーパーゴールが多すぎるように感じるのもこちらの守備の甘さが故だ。ハイプレスを突破された後は取り所がなく、誰も奪うためのアクションはせずに寄せて眺めるだけなのでズルズルと押し込まれ、その眺めるだけの守備がバイタルエリアで発動することで余裕を持ったミドルシュートを打たれてしまうのだ。ソボスライのもブエンディアのもだいぶゆったりとシュートコースを見定めて打たれていた。
まあいいやそんなことは。今日はもっと怒りたいことがある。具体的に3人の名前をあげます。ロベルト・デゼルビ、サンドロ・トナーリ、ロドリゴ・ベンタンクール。今日の君たちの振る舞いは許されない。あわやチームはこれで崩壊していた可能性すらある。
1点目はロバートソンの判断ミスだったかもしれない。ベテランだからより残念には感じられるけど、ことさら敗因だと槍玉にあげるほどじゃない。2点目はもっと酷い。ザイオンのフィードに対してこちらのセンターバックの2人はヘディングで競りに行くことをサボり、いとも簡単に決められてしまった。多分行くべきはファンヘッケだとは思うが、そういえば前の試合でもグレイやベリヴァルが競り合いを諦めている場面が気になっていた。得意不得意はあるだろうけどそんなのは関係ない。戦うことすら拒否する姿勢は年齢に関係なく糾弾していきたい。本当はそれに怒るファイターがチームにいるべきなんだけどいない。ただこれは簡単に出てこないだろうから現地のサポーター頼みます。
しかしこの試合の最悪の敗因はこの後だった。前述の3人を断罪したい。ミスとはまた違う種類のものだからだ。この2点目の残念すぎる失点の仕方を受けて、まずはデゼルビがベンチで試合を捨てた。諦めとフラストレーションの表情を隠すことなくベンチにふんぞり返り、隣にいるコーチに何やら愚痴を言っていた。もはやこの試合をどうしたら立て直せるだろうかということは考えてすらいなかった。試合後の会見で語っていたように、確かに許されないような失点の仕方ではあったが、わずか2点差にされただけであの顔をされてしまえば逆転や同点の可能性はない。
トナーリとベンタンクールも同じだ。2失点目を受けて明らかにやる気を失ったのだ。攻守の切り替えは遅いというよりは無いと言って良いくらいになった。表情も沈み運動量や献身はここから皆無になった。チームの土台になるべきポジションの2人が同時に不甲斐ない味方のミスに諦めてしまい取り返してやろうというプレーは無くなった。君たちは世界中にいるスパーズを愛している人たちの代表としてそのピッチに立っている。そんな態度を取る資格なんて誰にもない。そりゃこの2人は多少他の選手より良いプレーをしているのかもしれないが、それがなんだというのだ。自分たちは守備を頑張りバランサーとして安定に貢献していると思っているのかもしれないが、ここでいつも指摘している通り、攻撃への貢献がないのも点が取れていない要因の一つではある。他のチームの試合を見ていてもダブルボランチが二人揃って全く攻撃参加をしないチームなんて他にないぞ。結局今シーズンの初ゴールは、ボランチに入ったギャラガーがペナルティエリアまで飛び込んだことで生まれている。もっと自分を振り返るべきところはあるんだよ。そうした2人がやる気を失っているプレーは見ていてすぐにわかったのに、3失点目を期するまで交代されなかったのはデゼルビが諦めて試合を見ていなかったからか、思考を止めていたからだ。だからこの3人に怒っている。
3点目を失って万事急須になってから、ようやくトナーリとベンタンクールは交代となり、ギャラガーとベリヴァルが投入された。この2人が頑張ってくれなければ、シーズンを棒に振るような致命傷になりかねない敗戦になっていた。チームが劣勢の時のコナー・ギャラガーほど有難い存在はいない。もう終わっている試合でも無駄にするまいと中盤で3人分走っていた。ベリヴァルもバランス役として気を遣いながらも要所で前を向くプレー選択で、チームに前向きな風を吹かせる。そんな2人の熱意に連動したグレイが右サイドの高い位置で粘りを見せると、クドゥスが局面を切り裂き、クロスにギャラガーが飛び込んでついにシーズン初ゴールが記録された。この試合の勝敗にこそ焼け石に水だったものの、続くファンヘッケのゴールも合わせて2-3で試合を終えたことでチームは崩壊寸前で踏みとどまれたと思う。これがやる気すら失った0-3の敗戦だった場合、ここから立て直すのは相当厳しかったんじゃないだろうか。3週間もすればダメージは薄れ、勝利まで後少しだったと記憶違いをして次の試合に迎えるようになる。瀬戸際を救ってくれてありがとう。
5節全てが消化された時点で、スパーズは最下位で中断期間に入る。ある程度は我慢の時期だと覚悟をしていたが、いざ順位表を見ると不安な気持ちはもちろん湧いてきてしまうよ。でもこれだけは言える。デゼルビの去就を議論するのは時期尚早です。噛み合わない部分があるだけで着実に変化はしているからね。監督の希望する選手を揃えるフロントになったとしても、時間を与えないのなら事態を好転させられる監督なんていないし、そろそろやりたがる人材すらいなくなる。形はどうあれ得点が生まれたわけだし、近いうちに初勝利も来るでしょう。そしてどこかで歯車が噛み合い、強いチームにきっと戻れる。まだそう信じていたい。