アジア大会にオーバーエイジ枠として出場していたソン・フンミンは自信最後の兵役免除のチャンスをしっかりモノにしてきました。
優勝はマストだった韓国
U-23の大会ということでオリンピック世代になるわけですが、今年23歳ギリギリでは本大会には年齢オーバーなので、東京オリンピックを目指せるのは現在21歳以下の選手だけ。日本代表はオリンピックに向けた強化を考えて、あえてU-21でチームを構成しています。
日本代表は育成が主軸ですが、韓国の選手からすると兵役免除の権利がかかった、まさに人生を左右する大会です。オリンピックでメダルを取るというのも兵役免除の条件ではありますが、各国のレベルと本気度を考慮すると現実的なのはこのアジア大会の優勝です。懸かるものの違う韓国代表はU-23のメンバーにオーバーエイジとして、フル代表でも守護神を務めるGKチョ・ヒョヌとファン・ヒチャンに加え、アジアではぶっちぎりの実績を残すソンまでを招集しました。
このメンバー構成は全くもってルールの範疇ですが、いささか韓国は強すぎました。ちゃんと見たのは決勝だけですが、韓国のワンサイドゲーム。若き日本代表は必死に守ってはいるものの、どうしたら状況を打開できるのが全く見えてこないといった様子でした。オーバーエイジの三人に加え、ガンバ大阪での好調を代表にも持ち込み、今大会得点王となったファン・ウィジョ、「韓国のメッシ」と呼ばれ、小さいながら抜群のテクニックを持つ、イ・スンウとフル代表バリの選手がずらり、かたや日本はちらほら大学生も混じっています。
ボールを持てばソンの能力は際立っていたけれど、特に王様然しているわけでもなく、チーム一部として走っていました。90分で決着がつかなかったことが不思議なくらいですが、必死に戦った日本守備陣も延長に入ると崩れ去ります。コーナーキックの流れからソンがドリブルで仕掛けると、シュート体制に入ったところでイ・スンウがそれを攫って豪快に決めて見せました。一応ソンのアシストかな?チームの大エースのシュートチャンスを躊躇いなく奪い取っていくこの姿勢はワールドカップのアルゼンチンには必要でしたね。関係ないけど。
追加点もソンのアシスト。コーナーキックやフリーキックを任されているのは驚きました。アジアの中では背も高くシュートセンスもあるのにコーナーを蹴らせるのはもったいないのでは。。得点こそなかったけども、2アシストで役目は果たしたでしょう。
優勝を逃せば今シーズンを終えたところでソンはチームを離脱することになったわけです。それを防ぐべくシーズン開始の大切な時期にソンを送り出す決意をしたスパーズの期待にも応えてくれました。これでしばらくは安泰。チームのためにもソンのサッカー人生のためにも大きな結果となりました。
コンディションが整えば復帰は15日のリヴァプール戦になりそうです。攻撃のあと一枚が欲しいいまのスパーズに最高の「補強」です。
ソニー優勝おめでとう。