2024-2025シーズンの冬の移籍市場が閉幕しました。全く動かないクラブもある中でトッテナムは3選手を獲得しました。
アントニン・キンスキー
1月に入ったらすぐにでも補強を敢行しなければならないという戦力状況だったのにも関わらず、素早く動いたのはゴールキーパーだけでした。ヴィカーリオの離脱中にフォースターが体調を崩したので、ついに公式戦での経験がなかったオースティンだけになった事でこれは急務だった。
来夏の獲得を予定していたというキンスキーはここまで他のゴールキーパーとの「違い」を見せてくれている。ロリスからヴィカーリオに変わった時はヴィカーリオのような足元の上手いキーパーが来て良かったなと思ったものだけど、キンスキーを見ると上には上がいると思わされる。初戦から自信を持ってボールを扱い、近場だけでなく長距離のパスも出せることで後ろは安定感を増した。セービングに関してはどっちが上下というのはまだ難しいが、確実に自分だけの色はある。背番号1が戻ってきてからのポジション争いに期待したい。
ケヴィン・ダンソ
そもそも開幕時点で本職のセンターバックが3人しかいないことがおかしいとは思うものの、グレイが頑張ってくれていることでなんとかやってきている。いや、今の順位を見るとやれていると言っていいのかはわからないが・・・
今や当たり前に本職サイドバックのベテランと、本職中盤の18歳が組んでいるとうわけわからん状態を解消するために最近の若手路線ではなく26歳の実力者を獲得だ。5年前にセインツにレンタルされていたことがあるらしいが、その時はインパクトを残すことは出来なかった。本人もプレミアリーグへの再挑戦へ気合いが入っていることだろう。
余談ではあるが移籍市場終盤に、クラブへのオファーは承諾されながら本人から断られるケースが続いていた中でダンソは「スパーズほどのクラブに声を掛けられたら”YES”という選択肢しかなかった」というコメントと共にやってきたので好感度はとても高い。
マティス・テル
そんなお断りしていた選手の1人がテルだ。オドベールと同じU19フランス代表の19歳で、17歳にしてバイエルン・ミュンヘンに引き抜かれたエリートだ。この2年はバイエルンでそれなりに出場時間を貰い、結果も出していた方だと思うが、先発を奪い取ることはできず、さらなる活躍を期して移籍を決意したという。そんな状況だったためにいろんなクラブが関心を示していた。スパーズのオファーがバイエルンに通った後もテル本人は「アーセナルやユナイテッドが興味を示しているのならそちらを検討したい」とお断り。まあでもそりゃそうじゃないかとも思うよ。僕らはクラブに誇りを持っているからいい気分ではないけれど、フラットに見ればネームバリューは上述のクラブに敵わないのはわかるし、何より今うちはボトム10だからね。
というわけでレヴィ会長が直々にドイツで交渉したにも関わらず破談という話だったので諦めていたら、最終日にいきなりのhere we goだからびっくりだった。聞くにまたポステコグルーが電話で口説き落としたみたいです。あの監督の求心力はとんでもないね。
しかし2年前に、スパーズに留めておけなくなってしまったハリー・ケインを超高額でバイエルンに売ったと思えば、そのケインに出場機会を奪われた超有望株をこうして獲得したわけで上手いことやったよねこれ。ケインとダイアーの存在だってテルがスパーズを知る上で役に立ったはずだしさ。
契約は半年のレンタルで買取オプションを付随している。つまり単なる負傷者の穴埋めではないということ。むしろハマらなかったらお返しするだけなのでかなりいい条件を付けたと言える。攻撃のポジションなら左右中央どこへでもという万能選手は選手層の薄い今のスパーズにとって頼もしいものだ。
デイン・スカーレット
獲得ではなくレンタルバックですが一応。
レンタル先で活躍できていないことで呼び戻された生え抜きのスカーレットが、緊急出場となったヨーロッパリーグで決勝点を奪い後半戦のスカッドに入った。その代わりにランクシャーがレンタルに出たので頭数は変わらないが、この枠に何人もいたとて起用できないのでお互いに環境を変えるという意味では悪くない。
テルの加入もあるし負傷者がそろそろ戻ってきそうという事で、どれだけチャンスをもらえるかはわからないが、準備をしっかりと出来るといいね。あのケインだって、チームが不調の時にチャンスを活かしてスパーズでのキャリアが始まったのだから。