[PL]第6節 アーセナル vs トッテナム・ホットスパー

2021-2022 プレミアリーグ 第6節

Arsenal 3 – 1 Tottenham Hotspur 

Stadium:エミレーツ・スタジアム

得点
12分:エミール・スミス・ロウ(Arsenal)
27分:ピエール=エメリク・オーバメヤン(Arsenal)
34分:ブカヨ・サカ(Arsenal)
79分:ソン・フンミン(Spurs)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、モウラ
MF エンドンベレ(70’ヒル)、ホイビュア、アリ(46’スキップ)
DF レギロン、ダイアー、サンチェス、タンガンガ(46’エメルソン)
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ロメロ、ロドン、デイビス、ロチェルソ、スカーレット

アーセナル
FW オーバメヤン
MF スミスロウ(88’タバレス)、ジャカ(82’ロコンガ)、ウーデゴーア、パーティ、サカ(87’ナイルズ)
DF ティアニー、ガブリエウ、ホワイト、冨安
GK ラムズデール
sub:レノ、ホールディング、ソアレス、マルティネリ、ペペ、ラカゼット

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最低限の情熱が足りていない

 これで3試合連続となったロンドンダービーの中でも、最も大きな意味を持つはずのノース・ロンドン・ダービーを迎えた。スパーズを応援するずっと前、サッカーというスポーツを知った頃から、ダービーマッチというものは知っていた。それは選手が、クラブが、サポーターが強烈なライバル意識をむき出しにする、絶対に負けられない一戦なんだと。

 それから10数年が経ち、その意味は変わってしまったのだろうか。今日その最大のライバルクラブのホームスタジアムに赴いた白のクラブの選手たちは誰もダービーの重要性を教えられてこなかったのだろうか。戦術的な失敗は確かにあったが、そもそも熱を感じなかった。切り替えの速さ、球際の厳しさ、そうした意識で変えられる部分の戦いに全ての局面で負けていた。

 前半のスパーズはまるでいいところがなかった。どういうゲームプランだったのかがよくわからない。中盤の3枚はアンカーのホイビュアまでもかなり高い位置を取ってショートカウンターを狙う構えなのに、スリートップは特にハイプレスのスイッチを入れないので、冷静にパスの出しどころを探される。中盤と最終ラインの間は間延びし、自由に使われていたのに45分間で修正はなかった。

 ボールを持っても意味不明な布陣になる。アリがほぼケインの横くらいまで上がっていき、モウラが引いてボールを受ける。これはまあわかる。ビルドアップをエンドンベレとモウラのドリブルに託そうという考えだ。あまりに個に依存しているので良くはないが、一つの方法であることは否定しない。しかしモウラが通用しないとなると、アリの位置はそのままにモウラが右ワイドに張り出すようになる。すると右のインサイドハーフのポジションには誰もいなくなる。当然パスは出せないし、ロングボールを蹴ってもセカンドボールを回収する人はいない。この状況を試合中に誰も指摘できないのは相当まずいんじゃないだろうか。

 ほとんどの場面で前線のケイン、アリ、モウラは直立不動でいいパスが来るのを待っている。あんな運動量で許されるのは1試合に確実に1点を約束してくれるスーパースターだけだし、それが3人もいればチームとしては成り立たない。エンドンベレが攻撃のために前に上がればカウンター対策はホイビュアのみ。たった1人で中盤のあれだけのスペースを守るのは不可能だった。3失点とも全部このバランスの悪さが原因だ。

 前半の時点で3点差をつけられ、勝負は決してしまった。前半終了時点で帰っているサポーターもいた。首位に立ってからわずか3試合で最下位にいたライバルに逆転された。心の底から、最悪の試合だったと思うよ。

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戦える選手を使ってほしい

 3点差を追うべきハーフタイムでエメルソン、スキップという守備の選手の交代をしなければならなかったのが何より絶望した。その交代自体は適切だと思えてしまったのが輪をかけてキツイ。

 スキップの能力というよりは、スキップとホイビュアが後ろでエンドンベレが前という整理がされたことで、中盤のバランスは一定の改善を見せた。エメルソンはタンガンガよりはボールの扱いの上手さは感じられるが、前にいるモウラが連携プレーのできない選手なのでエメルソンの攻撃性を生かせるシーンはなかった。

 スパーズの選手の中で最高点をあげたいのは、点を取ったソンではなく、途中交代のブライアン・ヒル。残り20分だったというのもあるかもしれないが、足を止めることなく動き続けることで変化を生んでくれた。パスを出した後の次の動き、思うところにボールが出てこない時の動き直し。他の選手たちは全員ブライアンヒルを見習えよ。基本中の基本がなってないんだよ。

 棒立ちでパスを待つだけ、奪われて悔しがって止まるだけ、そんな選手はいらないから必死になれる選手を使ってほしい。ケインであっても例外じゃない。先発の座は実績だけで勝ち取るものであってはならない。少なくともこの試合でブライアンヒルは戦う姿勢を見せてくれた。線が細いとかまだ若いとか何かと理由をつけているのかもしれないけど、もっと時間をもらうだけのプレーはしていると思う。

 3連敗になった今日の試合はチーム作りを見直すきっかけにすべき試合だったことは間違いない。スキップやヒルが投入されてから少しは良くなったことだけが明るい試合だった。

2021-2022シーズン 試合結果一覧

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