2024-2025 プレミアリーグ 第27節
Tottenham Hotspur 0 – 1 Manchester City
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:97勝40敗12分(勝率:66%)
得点
12分:アーリング・ハーランド(Citizens)
トッテナム・ホットスパー
FW オドベール(66’ソン)、テル(66’クルゼフスキ)、ジョンソン
MF マディソン(82’ヴェルナー)、ベンタンクール(66’サール)、ベリヴァル
DF ウドギ(66’スペンス)、ダンソ、グレイ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:キンスキー、レギロン、ビスマ、スカーレット
マンチェスター・シティ
FW ハーランド
MF ドク(94’グリーリッシュ)、コバチッチ(94’ギュンドアン)、マルムシュ(73’フォーデン)、ゴンサレス(73’シウバ)、サビーニョ(90’マカティ)
DF グヴァルディオル、ディアス、フサノフ、ヌネス
GK エデルソン
sub:オルテガ、アケ、ルイス、デブライネ
こういう試合でもっともっと
昨シーズンの11節のチェルシー戦をきっかけに、開幕からの快進撃が壊れてしまったスパーズのように、シティにとっての崩壊の始まりはカラバオカップのスパーズ戦の敗戦だった。絶対王者としての強さと安定感が嘘のようになくなり、グアルディオラ政権になって初めての大スランプに陥っているシティは、対スパーズをシーズン3敗で終えるわけにはいかなかったはずだ。シティは冬の補強によって、スパーズは冬の選手復帰によってここから調子を上げていきたいというタイミングでの対戦になる。
ポステコグルーの選んだ11人には驚きがあった。ソン、クルゼフスキ、スペンスが揃ってベンチスタートだ。これは今後を見据えたいわゆる温存策だがまさかこの試合でそれをやるとは・・・相手は腐ってもシティであり、次のAZ戦まで1週間空くのに。これは本気でヨーロッパリーグを取りに行くという姿勢を示すものでもあったのかな。休ませたい選手を休ませるとともに、負傷明けの選手の出場時間を伸ばして調子を整えておくためには必要なことだ。勝てなければ批判が出るのはターンオーバーの常なのでそれは仕方がない。勇気ある決断だと思うことにする。
クラブ史上2番目に若いスタメン構成になったというこのヤングスパーズは流石にシティに苦戦した。特に前半はほとんど活路を見出すことは出来ず、1失点で終わったのがラッキーに思えたほど。むしろ最小失点だったからこそ後半に巻き返せる期待はあった。ベンチには流れを変えられる選手が揃っているから。そう思っていたのに、選手交代を行う前にピッチ上の選手だけで攻勢に出ていたのは予想外だった。攻撃の中心はウィルソン・オドベール。対するは本職のサイドバックではないヌネスとはいえ、キレのあるドリブルでシティに混乱を生んでいた。もう少しシンプルに味方を使うことを覚えた方がいいなと思う場面はあれど、あれだけ単独でチャンスメイク出来れば強引さにも説得力が出る。
反対サイドのジョンソンはいつも通りの評価になる。仕掛けないどころかボールを受けに顔を出すこともしないので、試合に出ている意味がない。自分が好きな形でしかボールを受けないので、ベリヴァルがボールを運ぶも囲まれてしまい、助けを求めている場面でオフサイドポジションを歩いていたりする。悪いがジョンソンがいるとマイナス1人で戦っているようなものだ。オドベールの交代には試合時間管理の意味合いがあったことはわかるが、ジョンソンがフル出場だったのはどうなのか。今期の最多得点者に厳しい物言いに聞こえるだろうが、今のジョンソンのプレースタイルは毎試合1点取ってプラマイゼロになるようなスタイルなので無得点に終わった試合はこうなる。
あと厳しい評価にしたいのは久々に戻ってきたティモ・ヴェルナー。あれだけ短い時間の出場でも目に付いたことがある。カットインドリブルの期待感の少なさは織り込み済みだから良いとして、劣勢の残り10分で出てきたのならボールに喰らいつくようにプレーするべきじゃないんだろうか。スペンスが仕掛けて奪われた後に一番近くにいたヴェルナーがすぐにプレスに行くべきだったのにそうしなかった時は画面の前で大きめの声を出してしまった。酷なことを言うが半年で契約の切れるヴェルナーの復調を期待するよりもスカーレットやムーアの成長に託した方が良いんじゃないかと思う。1試合に何度か繰り出すヴェルナーの縦突破くらいの期待感はムーアにある気がするし。
まあ敗れたとはいえ全体的には悪すぎる内容というわけじゃなかったので悲観はしていない。ただしこれからタイトルを狙うチームに本気でなるのならこうした試合を勝利に持っていくような力強さがないといけないはずだ。何がなんでも点を取るという気迫が欲しい。良い時間帯があったとしても最後は相手にパスを回されて時間が経過していくような終わり方は物足りないよ。