およそ1年前の冬にルーカス・モウラを獲得して以来のトッテナムの移籍関連のニュースです。
しかしこれは悲しい別れの話。
ムサ・デンベレの放出が正式に発表されました。
近年の大躍進の立役者
2018年の夏から移籍の話は出続けていました。クラブからの契約延長の交渉にも断りを入れ、契約は2019年の夏まで。半年後にフリートランスファーで出て行くか、この冬に移籍金を落として出て行くかという状況でした。そんな中、12月ごろから本格的に移籍の話が活性化仕出し、ついに公式に発表されました。移籍先は中国の広州富力足球倶楽部というクラブ、「広州富力」の方がよく目にする名前かもしれません。移籍金は1200ユーロ(約15億円)ほどと言われています。
今年も開幕当初は変わらぬ主力として活躍するも、11月3日のウルブズ戦の前半に足首を捻ってから復帰することができていません。何年も慢性的な負傷には悩まされていて、シーズンフル稼働した記憶はない選手です。半年後にはフリーで出て行ってしまうのなら、このタイミングでの移籍は仕方のない判断でした。
デンベレが加入したのは2012年のこと。今回の移籍金とほぼ変わらない(レートは違いますが)1500万ユーロでフルハムからの移籍でした。それからは多く選手が入れ替わるスパーズのボランチに置いて、押しも押されぬ主力としてあり続けました。屈強な選手の揃うプレミアリーグにおいても、負けなしの体の強さを生かした驚異的なキープ力で中盤を制圧し続けました。調子に波のある選手ではありますが、好調の時には世界中のどんなチームと対戦しても中盤の主導権は彼のものでした。
中盤引いた位置からのパスやドリブルによるビルドアップは一級品です。得点やアシストの多い選手ではないけれど、チームには欠かせない存在でした。2014年にポチェッティーノがやってきてからスパーズは急激に力をつけ、ビック4と呼ばれていたプレミアリーグをぶち壊し、今やビッグ6と呼ばれるまでになった中で、デンベレの功績は大きいものでした。
これからも怪我とは付き合って行くのだろうし、32歳という年齢も考えると代表で見る機会もあとわずかかもしれません。中国リーグに行けばプレーを見ることはなくなりますが、キャリア最後の出稼ぎに終わらず、また逞しいプレーを続けて行って欲しいと思います。
6年半本当にありがとう。大好きな選手でした。