2019年7月23日、トッテナム・ホットスパーはフィンセント・ヤンセンのCFモンテレイへの移籍を発表しました。
キャリア回復なるか
人員整理も少しずつ進んできました。
2016年にオランダ・エールディビジの得点王という実績を引っ提げ、およそ1800万ポンドでスパーズにやってきました。もちろんケインの控えという立ち位置ですが、リーグの得点王という肩書きはかなり期待させてくれるもの。ストライカー不足に悩むオランダ国内でも、ファン・ニステルローイやファン・ペルシーの後継者になりうる存在とされていました。
試合終盤での出場機会も多く、初年度は全く結果を残すことができなかった。得点もカップ戦で1つとリーグ戦で2つとったのみ。そのうち2ゴールはPKによるものです。AZ時代のプレーを見ていたわけではないのでトッテナムで任されたタスクが難しいものだったのか、そもそも実力不足だったのかはわかりません。スパーズはもちろんプレミア全体を見ても、リーグ初挑戦の選手が1年目に活躍できないというのは決して珍しいことではない。そのため、2年目以降に期待かなと思っていた翌シーズンはフェネルバフチェへのレンタル移籍となりました。
しかしそこでも数字を積み上げることはできず、昨シーズンはトッテナムに戻るも完全な構想外となってしまった。前半戦はプレミアリーグ、チャンピオンズリーグ共に選手登録すらされず、チャンスすら与えられない辛い状況でした。1月に怪我人が相次いだ影響で冬にはリーグのメンバー表には登録されるも、結局3試合の途中出場にとどまりました。
移籍の噂はこれまでもなかったわけではないけれど、成立することはありませんでした。ヤンセンのキャリアを考えると、昨夏に放出してあげるのが一番良かった。あれほどシビアに戦力外とするならば。ある程度の金額を回収したかったかもしれませんが、2年間も輝けていない選手に高額の移籍金を支払うクラブは現れません。最終的に630万ポンドでメキシコへ行きます。
戦力としては何も残せませんでしたが、個人的には結構好きでした。何より常に一生懸命だったから。不器用に体を張り、不器用に走り回る姿を見ていると、悪くいうことなんてできないよ。もっと時間と信頼を与えられればもっといい成果を出せたのではないかと常に思っていました。
苦しい3年間を過ごさせることになってしまったけれど、ヤンセンはまだ25歳です。時間はある。まずは試合に出ることですが、その中でも得点を重ねて、再びヨーロッパの舞台に帰ってきてほしい。応援しています。ありがとう。