2021年11月1日、トッテナム・ホットスパーはヌーノ・エスピリト・サント監督の解任を発表いたしました。
まあ同情できる余地はあるよな
就任したのは6月30日、そして今日11月1日に解任となりました。およそ4ヶ月の共闘です。手元の集計ではスパーズでの公式戦の戦歴は9勝7敗1分(勝率:53%)でした。
ダメな監督だったと断罪するのはだいぶ酷だよなと思う。モウリーニョの元で過ごした1年でポゼッションを重視する攻撃スタイルを放棄してきたのに、それじゃ面白くないから攻撃的にしてくれ、と向き不向きを考慮されずに依頼された。ウルブズをいいチームにはしていたものの、イメージする攻撃サッカーをする監督じゃなかったはずだ。
それに肝心の攻撃的な選手はといえば、ベイル、ラメラ、ヴィニシウスがいなくなり、そこにセセニョン、クラーク、ブライアンヒルだ。ヒル以外は戦力になる兆しすらない。うまくいっていなかった去年のメンツをグレードダウンして託されたようなものなのに、フロントの意向だけで劇的な変化を加えるのは難しかった。
サントなりに色々やろうという姿勢は見えていた。開幕から4-3-3に挑戦していたし、それは実らなかったけれど、ボールを握るチームには変わってきているのは明白だ。何度も言うが監督がひとこと言えば攻撃サッカーに転換できるなんてことはない。ちゃんと前には進んでいたんじゃないだろうか。
転換期だと分かってはいても、結果を度外視することはできないのが監督の苦しみだろう。勝っているときはギリギリの1点差。負ける試合は最初から良くない試合内容で、まるで修正できないまま大敗する展開が多かった。そんな試合はもれなく運動量が少なかったり、シュート数が少なかったりする。ちょっとの差で変わったのに、とすら思えない状況ではこの先の未来が想像できないのだ。
ただこの解任の早さには驚いた。パッとしないながらに長い目で見るような空気だと思っていたのに、ユナイテッド戦のあとでその雰囲気が一変した。スールシャールの去就を楽しみに見ていたのにあの試合でかかっていたのがサントの首だったなんて。よほど今のユナイテッドに負けたことが首脳陣を焦らせたのだろうか。
この記事を書いている時点では後任は決まっていない。モウリーニョ退任後みたいに苦労しなきゃいいんだけど。とりあえず、火中の栗を拾うような形でスパーズの監督になってくれたサントには感謝したいと思う。今回の失敗は元々のチーム状況によるところも大きいと思うのでそんなに傷つかないで欲しい。ありがとうございました。