ホイビュアがマルセイユへ

2024年7月23日、トッテナム・ホットスパーはピエール=エミール・ホイビュアがマルセイユへ移籍することを発表いたしました。

献身には感謝しかない

 正確には今はレンタル移籍だということですが、買取義務が付いているようなので事実上の完全移籍です。クラブの帳簿の関連で移籍形態が決められただけ。

 1500万ポンドで獲得した元サウサンプトンのキャプテンは、来るやいなや主力として大きな故障もなく戦い、契約期限の1年前に移籍金を残して去っていきます。その移籍金も報道によってばらつきはあれど、出来高込みで最大2000万ユーロとも言われている。ポンドとユーロの為替を考えてもほぼ同じか少し多いくらいだろう。2020年のホイビュアの獲得は大成功だったと言えるんじゃないだろうか。

 チームのために走り戦う姿はすぐにサポーターの心を掴んだ。不器用なタイプかと思えば繊細なロングフィードを持っていたりもする。そして守備的な選手にも関わらず、大事な時には得点を奪うこともできる。細かい負傷はあったかもしれないが、この4年間で長期の離脱はなかったと思う。少なくとも昨シーズンは全試合でベンチ入りしていた。数々の才能が怪我によって泣かされてきたことを思うと、これも立派な才能であり日頃の努力の賜物なんだとわかる。ベンチに降格して悔しい思いをしたシーズンでもあったはずなのに、暗い表情をしていたり公に不満を漏らすことは一度もなかった真のプロフェッショナルだ。

 世界中どのチームにいても重宝される選手だとは思うけど、そりゃ本人はプレーできるクラブにいたいよね。8月には29歳になるわけだし、今が一番輝ける年齢なので。だからこそ、リーグ1を選んだのは意外だった。スペイン、イタリア、イングランドといろんなクラブが獲得を検討しているというニュースを見てきたから。デンマーク代表の選手だけど、母親がフランス人らしいからその辺の影響もあるのかもね。

 マルセイユといえばデゼルビが就任したクラブで、グリーンウッドの移籍でも話題になっていた。昨年はあまりいいシーズンじゃなかったそうで、巻き返しに気合を入れているのが補強からも見て取れる。プレミアにいると麻痺してくるが、2000万ユーロは他の国だと高額な移籍金だ。それを素早く用意したこともこの移籍を後押ししたんだろう。

 これは完全に蛇足なんだけど、ブライトンをただの中堅クラブではないくらいの注目クラブにしたのはデゼルビではなくてポッターだったと個人的には思っている。イタリアでも評価されていたのでいい監督ではあるんだろうけど、ブライトンに関していえばポッターがじっくり煮込んで完成させた料理に独特なスパイスを振ったのがデゼルビという認識。作り直しのマルセイユでどこまでやれるんだろうという興味がある。まあ試合見て追いかける余裕は流石にないんだけども。

 話がそれた。ホイビュアだ。重ね重ね感謝の気持ちを伝えて締めようと思う。

 「長くプレーできるクラブに来たかった」と最初に話してくれた時に考えていたよりは早い別れになってしまったと思う。ホイビュアがやってきたあの頃はスパーズの1つのピークが去った後の難しい時期だった。それを必死に支えてくれたのに、今からまた上向きになっていくタイミングでお別れとなるのは悲しいことだ。でもそうした場所で泥臭くもがくように戦うのもホイビュアらしいと言えるかもしれない。次のクラブもまたそういう状態にある。どのクラブでも愛されてきた闘争心を武器にこれからも頑張ってほしい。ありがとう。応援しています。

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!

ニュースの最新記事4件