ジョアン・パリーニャをレンタルで獲得

2025年8月3日、トッテナム・ホットスパーはバイエルン・ミュンヘンより、ポルトガル代表のジョアン・パリーニャをレンタルで獲得したことを発表いたしました。

安定と経験をもたらしてくれ

 高井、クドゥスに続く3人目の補強はプレミアリーグでの実績のあるパリーニャとなりました。

 ポルトガルのクラブを渡り歩いて実力をつけ、フラムにやってきたのが2022年だ。中盤のフィルター役として大きな存在感を見せると、翌年にはもうバイエルンからのオファーを受けている。その時は決まらなかったものの、さらに次の年もバイエルンがアプローチしたことで、ようやくドイツに渡ったのが去年の夏のことだった。しかし本来パリーニャを欲しがっていたトゥヘルはチームを去り、新監督に就任したコンパニは中盤に、よりボールコントロールに長けた選手を求めたため、出場機会は多くなかった。来年のワールドカップ出場も見据えて出場機会を求めた今回のレンタルになる。

 そんなパリーニャ側の思惑と今のスパーズのチーム状況が上手に噛み合ったと言える。中盤に守備に強みがある選手がいないので探していたが、若い選手を育てていくことを考えると、中堅年代を取ると数年後を見据えて若手を育てる感じではなくなるし、同じようなこれからに期待する若手では今が戦えない。実績があり、1年だけでもカバーしてくれる30歳のパリーニャは良い選択肢だった。一応今回のレンタルには買取オプションも付いているらしいが、3000万ユーロという報道を見るに、まあ完全移籍させるつもりはないから金額は適当でいいかって思ったんだろうな。来年31歳になる選手にこの額を支払うとは思えないし、かといってもっと現実的な安値を交渉していく時間を取りたくもなかったんだろう。

 中盤を3枚で考えると、決まりかなと言えるのはベンタンクールだけ。ビスマは相変わらず不安定だし、ベリヴァル、グレイ、サールの若手トリオはどういう役割を任せていくのが良いかを探っている最中だ。この若手たちに不安なくプレーさせてあげるためにも、中盤の底で守備は任せろと大きく構えてくれるであろうパリーニャには期待したい。フラムにいた時の存在感は大きかったから、あの支配力を発揮してくれれば中央が引き締まる。それが攻守にわたって全体的に良い影響が出るといいね。

 MFだけでなく、20代前半までの若い選手がほとんどを歪なチーム構成の中で、貴重なベテラン枠となる。といいつつ、去年のフォースターをベテランと呼ぶのはしっくりくるが、長年見ているせいもあってソンとデイビスをまだベテランと思えていないのに、それよりは若いパリーニャをベテランと呼んでいいのかわからないなと思えてきた。ソンが抜けると30代はデイビスとパリーニャだけになるので、年長者であることはたしかだけどね。

 パリーニャはキャリアの締めにきたわけではないだろうから、若手に出場機会なんてあげないつもりでプレーしてもらって構わない。もちろん練習場ではアドバイスをしたり、手本となるような姿勢を見せたりはしてほしい。コーチを呼んだわけではないので、当然の競争の中で若い選手は居場所を勝ち取ってくれ。若いことをスタメン決めの基準にしてしまえば、いつまでも強いチームは作れない。そういうチームは彼らが25歳になった時に同じように中途半端な19歳を起用するということになるからね。

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