[PL]第13節 ウェストハム・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー

2019-2020 プレミアリーグ 第13節

West Ham United 2 – 3 Tottenham Hotspur

Stadium:ロンドン・スタジアム

得点
36分:ソン・フンミン(Spurs)
43分:ルーカス・モウラ(Spurs)
49分:ハリー・ケイン(Spurs)
73分:マイケル・アントニオ(Hammers)
96分:アンジェロ・オグボンナ(Hammers)

トッテナム・ホットスパー
FW ケイン
MF ソン、ウィンクス、アリ(79’エリクセン)、ダイアー、モウラ(82’シソコ)
DF デイビス(75’ローズ)、アルデルヴァイレルト、サンチェス、オーリエ
GK ガッサニーガ
sub:オースティン、ウォーカー=ピータース、フォイス、ロチェルソ

ウェストハム・ユナイテッド
FW アレ、ヤルモレンコ(56’フォルスナス)
MF アンデルソン(46’アントニオ)、ライス、ノーブル、スノドグラス
DF クレスウェル、オグボンナ、ディオプ(64’サンチェス)、フレデリクス
GK ロベルト
sub:マルティン、バルブエナ、サバレタ、アイェティ

変わった部分とまだまだな部分が両方見られました。
まずは勝利に安堵です。

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まずはバランスを重視

下位に沈む2チームによるロンドンダービー。ウェストハムのホームだというのに当然話題はこの人がさらっていきます。新監督、ジョゼ・モウリーニョ。日本の実況、解説も、現地のカメラもことごとくモウリーニョを抜いていました。ベンチに置かれたメモ帳までドアップで映されるほどの注目ぶり。そしてそれは当事者である我々も同じ。さて、どんな手を打ってくるのか。

選手選考から少し変化を加えてきました。ポチェッティーノと比べてここは違うだろうというのは3箇所です。まず左サイドバックにはローズではなくデイビスを起用してきます。ここは後述しますが戦術上の思惑が大きく関わってくるところ。デイビスはついに立場逆転となるのでしょうか。それからこれまで余程のことがなければスタメンで出ていたシソコも外れ、ダイアーとウィンクスのコンビです。特徴をはっきり分けたボランチコンビにしたかったのかもしれませんが、まだよくわかりません。最後にモウラの器用です。右ワイドはこれまでも色々な選手が使い分けられてきたポジションですが、基本的に左にアタッカーのソンが入った時はゲームメーカータイプが入ることが多かった。それに冷遇というほどモウラは使われていなかった。

フォーメーションは4-2-3-1ですがやり方は違います。攻撃時にはデイビスのオーバーラップは控えさせ、オーリエだけを攻撃参加させるスリーバックになる。ボランチはどちらも高い位置を取ることはなく、基本的には横並びで低い位置でさばくだけです。なるほど、この役割をボランチに与えるのならば確かにシソコが使われなかった理由もわかりますね。現時点ではボランチにはリスクマネジメントの方を強く求めたいらしい。

そんな形なので、攻撃は前線の4人でよろしくという感じ。遅攻になればオーリエが上がってきて5人になるまで。前の5と後ろの5は明確に役割分担されていました。前線の4にもミッションがある。ケインは攻め残りしすぎることなく自由に動いてまずボールに触らせる。後半なんかは4-2-1-3の1くらいのポジショニングでした。ソンは左ワイドに張ってサイド攻撃を軸にさせ、モウラはオーリエにスペースを空けるためにも中央寄りでプレーしていた。モウラのドリブルは最終局面よりは中盤で相手を剥がす方が向いているのでこれは良かった。しっかり得点も奪ったし、出ていない割には上々でした。

そしてアリ。今日はアリの日でした。就任早々のモウリーニョに「君はデレの方か?それとも兄弟か?デレの方ならデレらしくプレーしろ」と独特の発破をかけられたらしく、早速輝いていた。ハマーズの守備の問題もあるのでしょうが、相手のディフェンスラインと中盤の間で受けるプレーがうまく、トップ下としてのプレーに専念することで上手く攻撃を操っていました。最前線のケインに両ワイドがドリブラーとなれば、アリがチャンスメイクをするしかない。様々な局面で攻撃に変化をもたらせる存在でした。

早くに3点を奪ったことで終盤はサンドバック状態になってしまい、結局は2失点と追い込まれたものの、プレミアリーグのアウェー戦では1月のフルハム戦以来の白星です。監督が変わってすぐにチームが完璧な状態になることなどあり得ないわけで、その辺を加味すれば十分満足のいく新体制の初戦だったと言えるでしょう。

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役割はどうか

もちろん今日見せてくれた方針が今後の全てではないでしょうが、色々思うところはある。まずはサイドバックの人選です。今日は攻撃のオーリエと守備のデイビスでした。この形は継続で両サイドのバランスを考えた配置になるとすれば、ローズが出る時は反対にオーリエの出番はないことになります。そうなるとフォイスが選ばれるか。ウォーカー=ピータースに比べれば守備のイメージは強いです、がフォイスはそもそもセンターバックの選手なのでそこをモウリーニョがどう考えているかにもよりますね。

右サイドハーフにシソコを投入したのも興味深い。元は右が主戦場でしたが、それではまるで存在感を出せず、スパーズで戦力として数えられるようになったのはボランチへのコンバート後でした。そしてこの2年ほどはボランチ専属です。それが今回右サイドでの起用です。ソン、モウラのようにサイドアタッカーにはドリブルや推進力を求めるのであれば、シソコのサイド起用には納得できますが、すると今度はトップ下問題が深刻になってしまいそうです。

アリの交代にエリクセンを選んだように、ここには純粋なプレーメーカーを置きたいのであれば、ラメラやロチェルソも含めて4人で1枠を争うことになってしまいます。まあそんなアホなこだわりを持ち続けるとは思えませんが、少なくともこの試合ではサイドにはアタッカーをという思想が見えました。

わずか数日ながら、これだけ自分の色を出してくるのはさすが百戦錬磨のモウリーニョです。しばらく苦しい試合が続いていたので非常に楽しめたということが正直な感想です。さあこれからの連戦で、また順位を取り戻していこう。

2019-2020シーズン 試合結果一覧

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