2021-2022 プレミアリーグ 第13節
Burnley 1 – 0 Tottenham Hotspur
Stadium:ターフ・ムーア
得点
71分:ベン・ミー(Clarets)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、クルゼフスキ
MF セセニョン(79’ベルフワイン)、ホイビュア、ベンタンクール(46’ウィンクス)、エメルソン(65’モウラ)
DF デイビス、ダイアー、ロメロ
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ロドン、サンチェス、レギロン、スカーレット
バーンリー
FW ロドリゲス、ヴェフホルスト(89’バーンズ)
MF マクニール、ブラウンヒル、コーク、レノン
DF ピーテルス、ミー、ターコウスキ、ロバーツ
GK ポープ
sub:ヘネシー、ロウトン、コリンズ、バーズリー、ロング、トーマス、スティーブンス、リチャードソン
分断サッカー
あの劇的な白星から意気揚々と乗り込んだターフ・ムーアで直近5試合中4試合目になる敗戦を喫した。実にバーンリーという芯の通った戦い方でこれが他のクラブの試合だったら楽しく見られるんだろうなと思った。
クラシカルな4-4-2の守備陣形で粘り強く守り、ボールを持ったらサイドに活路を探し、隙あらば最前線のFWをシンプルに狙ってくる。難しいことなんて何もなくて、とても単純明快で気持ちの良いスタイルだ。このリーグのクラブがみんなこの戦い方をしていたらそれなりに退屈なリーグになってしまうんだろうけど、古き良きスタイルをこの時代に貫いていればそれは逆に美しさとなる。
こちらはシティ戦と同じメンバーを採用した。あの試合は数少ない速攻のチャンスに全てを賭けるシンプル思考だったが、今日は違う。プレスをかけてくる相手をいなし、ゲームをコントロールしなければならない。シティ戦の勝因として、「奪われた後にシティの選手は必死に戻っていかない。それはシティの慢心だ」みたいなことを書いたけど、今日は近いものがスパーズ側に感じられた。
後方の選手がビルドアップに苦しんでいる中で、前の方の選手は誰かがなんとかするのを待っている。ケインもたまにしかボールを引き取りに行かないし、他はもっと何もしていない。コンテ就任当初はソンとクルゼフスキのポジションの選手が降りて起点になることが多かったのに今はなくなってしまった。スリーバックとボランチ2人を含めた5人と、WBとスリートップを合わせて5人の前後の分断が酷かった。
逆に守備では前の3人とボランチ2人が前線で奪い切るようにプレッシャーをかけているのに後ろ3人とWBはただ下がるだけなので簡単に運ばれてしまう。ボランチ2人だけがずっとサッカーをしていて、他の10人は勝手に省エネしている。80%でやっていりゃいつか点が入って勝つでしょっていう雰囲気が随所にある。自分たちの現状がわかっているのだろうか。
さっきは勢いに任せてボランチだけ頑張っているなんて言ったけど、ロメロも頑張っていた。守備の安心感は言わずもがな、ボールの出しどころがない上になんとか運んでも簡単に失う前線に嫌気がさして、かなりポジションを崩して前に上がっていた。感情的に見えるプレーだったので、いつもいつもやられると困るけど、自分がなんとかしてやるんだという気概は買う。他の連中も見習いなさい。
あとはそうだな・・・コンテ式において本当に致命的な話だが、WBが攻撃を停滞させている。ケインが大きなサイドチェンジでフリーのエメルソンに最高のパスを与えても、そこで時間が止まって感覚だけでクロスを放る。セセニョンサイドからはもっと何もない。両サイド共に縦に仕掛ける選択肢がないので攻撃に深みが出ない。
終盤にWBを変えて、右にクルゼフスキ左にベルフワインを入れてから、仕掛けられるウイングバックの大切さをより感じた。あれはコンテのやけくそにも感じられたし、攻撃面ではこれを求めているんだというメッセージでもあったと思う。いずれにせよ、サイドが弱すぎる。
終わってからの会見でコンテはだいぶ落ち込んでいるようなコメントを残していた。見たことないくらい弱気だった。自分から辞めかねないような雰囲気もあって不安になったよ。今シーズン残りの成績がどうであれ、こちらからの解任はありえない。コンテで無理ならもう無理。そう思えるくらい、同じ負けでも半年前とは状況が違う。信頼しているからじっくりやってほしい。