[PL]第5節 ウェストハム・ユナイテッド vs トッテナム・ホットスパー

2022-2023 プレミアリーグ 第5節

West Ham United  1 – 1 Tottenham Hotspur 

Stadium:ロンドン・スタジアム

得点
34分:ティロ・ケーラー(OG)(Spurs)
55分:トーマス・ソウチュク(Hammers)

トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、クルゼフスキ(76’リシャルリソン)
MF ペリシッチ、ホイビュア、ビスマ、エメルソン
DF デイビス、ダイアー、サンチェス
GK ロリス
sub:フォースター、タンガンガ、ラングレ、ドハーティ、スペンス、セセニョン、サール、スキップ

ウェストハム・ユナイテッド
FW アントニオ
MF ベンラーマ(78’パケタ)、ライス、フォルナルス(85’エメルソン)、ソウチュク、ボーウェン
DF クレスウェル(72’オグボンナ)、ケーラー、ズマ、コーファル
GK ファビアンスキ
sub:アレオラ、ランドルフ、ランシーニ、ダウンズ、コルネ、コベントリー

スポンサーリンク

またこんな感じかい

 新しめなスタジアムによる照明と音楽の演出から、ロンドンスタジアムにはウェストハム史上最高額での獲得となったルーカス・パケタのお披露目会が行われていた。昨年の躍進から期待されたシーズンの初めに早速つまづいてしまい、この試合開始前には19位に位置している。そんな中の明るい話題にサポーターは沸き立つも、プレーは重めだった。両方とも。

 連戦が始まったがコンテはまだローテーションはなし。脳震盪で休息を取る必要があるベンタンクールに変えてビスマの初先発があっただけだ。中2日の影響があったのかなかったのか、選手たちの動きはスピード感がなく、インテンシティも低い。

 ウェストハムはホームながら、スパーズにボールを持たせる展開を選んだ。特に難しいことはしていない、前から取りに行かずに縦パスを狙うという引いた構えにスパーズはわかりやすく苦戦した。スパーズはカウンターが得意だけどビルドアップが苦手。そんな言われ尽くした課題に改善の空気も見られないことに絶望した90分にされてしまった。

 こちらのスリーバックには基本的にボールを持たせて、そこからのパスコースを埋めていく、それだけで何もできなくなってしまったのだ。サンチェス、ダイアー、デイビスがひたすら横パスを繋ぎ、たまにホイビュアとビスマが関わってはすぐに下げるのみ。ホイビュアはまだできる限り前を向こうという努力はしていたが、その先の選手の動き出しもないのでスイッチが入らない。ビスマに至ってはほぼバックパスだった。ブライトン時代の推進力はどこへ。

 カメラが全体を写しているわけではないので、後方の選手のフィードの技量の問題なのか、前線の引き出す動きのなさなのか根本的な原因は理解しにくい。まあおそらく両方だろうとは思うけども。ウイングバックの選手は高い位置で張り出す役割があるので、たぶんスリートップの誰かがボールを呼び込まないといけないんじゃないかと思う。前の5枚がみんな相手の最終ラインに並んでいては遠すぎてパスが出せない。

 例を出すなら、かつてのエリクセンのような動きが欲しい。4-2-3-1のトップ下か右サイドに配置されていたが、ビルドアップが上手くいかないと最終ラインくらいまで下がってはとにかくボールに触っていた。そこから一撃で流れを変えないにせよ、周囲を使いながら前に運んで行ったり、エリクセンが空けた前線のスペースに誰かが動くことで流動性も生まれる。今は前線がそれぞれの持ち場から動かないので流れができず相手はマークしやすいはずだ。別にケインのように一発で裏を狙ったり派手なサイドチェンジをしなければならないわけじゃない。ボールと人を動かすために、無駄だと思える努力もしていかなければという話だ。

 というか未だにこんなことを言っているのが悲しい。コンテ就任直後はウイングが降りてきてビルドアップを助ける動きがあったのに、できている試合はあるのにこうしてサボってしまう試合があるのが悲しい。カウンターで点を取る方が爽快だし楽なのかもしれないが、やっぱり上を目指すならボールを握って攻められるようにもならないといけないと強く感じる。80分を過ぎたあたりで相手が引き分けでも良しとしてリスクを冒さなくなれば、そこで今のスパーズは何もできない。終盤の劇的ゴールの雰囲気は皆無。むしろビルドアップが出来なさすぎてウェストハムの方に決定機があった。コンテは3ポイント取れた試合だと言っていたが、負けなくてよかったという印象が残ったよ個人的には。

 失点シーンは確かにくだらないものだった。あの時間はサンチェスがロリスに下げまくっていたし、そこを狙われてスローインに逃げるしかなくなり、全員が気を抜いて緩んだ瞬間を狙われた。みっともないがポイントを落とした要因はここじゃない。この場面のせいにしてはいけない。

 試合を通じてスピード感はなく、ボールを運べずに後ろで保持してるだけ。動き出しのない前線に怒っている場面も、ボールを出さないディフェンスラインに怒っている場面も全くなかった。試合が終われば反省して次に生かすしかない、学ぶことの多い試合だったと言うが、今日のような試合は何度見てきたことか。

 無敗を継続できたことはまだポジティブだが、チェルシー戦は奪い取った1ポイントで今日は2ポイント失った試合だ。昨年わずか2敗のリヴァプールが優勝を逃したことを考えても、勝ち続けないといけないんだから。このままズルズルいきませんように。

2022-2023シーズン 試合結果一覧

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!