2022-2023 UEFAチャンピオンズリーグ グループD 第5節
Tottenham Hotspur 1 – 1 Sporting CP
Stadium：トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴：64勝23敗8分(勝率：69%)
得点
２２分：マーカス・エドワーズ(CP)
８０分：ロドリゴ・ベンタンクール(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、モウラ(82’エメルソン)
MF ペリシッチ、ホイビュア、ベンタンクール、ドハーティ(71’ヒル)
DF デイビス(82’ラングレ)、ダイアー、ロメロ
GK ロリス
sub：フォースター、タンガンガ、サンチェス、スペンス、セセニョン、ホワイト、ビスマ、サール
スポルティングCP
FW トリンコン(71’イサハク)、パウリーニョ(75’ジュスト)、エドワーズ(71’ゴメス)
MF サントス(62’ナジーニョ)、守田(62’フェルナンデス)、ウガルテ、ポーロ
DF レイス、コアテス、イナシオ
GK アダン
sub：イスラエル、パウロ、マルティネス、ドロプロス、エッスゴ、ロシーニャ、カブラル
流れの中で点を取れない現状
連敗中で良い雰囲気ではないけれど、グループ突破を最終節まで持ち越したくないのでホームでしっかり勝っておきたい。不安はあるけれど多少のターンオーバーをして始まってみたら地力の差を見せて見事勝点3ポイント、なんていうリヴァプールみたいなことは起こらないのが安定のトッテナム・ホットスパー。こういうシチュエーションで予想に反して勝ち切った試合の記憶がないぜ。
3-5-2で結果が出ていないこともあり、今シーズン初めてルーカス・モウラをスタメンに抜擢して3-4-3に戻してきた。そしてこの前半はここまで最悪レベルの出来だった。
立ち位置は全体的に高いのに、前線3人がプレスに行かないので相手はディフェンスラインから試合をコントロールしていた。素早い展開が好きなスパーズ相手に徹底して試合のリズムを落とす戦法だ。丁寧にボールを回してボールを運んでくる。そんな中でも先制点が生まれた場面では、右CBが不意を突く縦パスを最前線のパウリーニョに刺し、チームとして一気にスピードを上げた擬似カウンターで攻略してきた。完全に思い通りに試合を運ばれてしまった。
実況解説が指摘していたように、モウラの守備意識は問題だった。ソン、ケインに比べて下がってしまうので、モウラのサイドにボールが渡るとプレスが遅れる。かといって低い位置で守備を頑張るわけでもないアリバイ守備。なんとなく守っている風でボールを取る気持ちなんて感じられない。さらに攻撃でもなんでもないショートパスを適当に蹴っては相手にプレゼントしまくりだった。
が、別にモウラのせいで前半は劣勢だったわけじゃない。ソンとケインも寄せが甘く、ホイビュアとベンタンクールの周りにはスペースが大きく空いていた。全員プレー強度が低く、30分を過ぎたあたりからサポーターが怒りの声を上げるようになっていた。横パスやバックパスといった消極的なプレーには容赦のないブーイングが響いていた。
ハーフタイムに喝を入れられてきたのか、後半の立ち上がりからチームは大きく変わった。モウラの位置が高くなり、スリートップが真剣にプレスをかけるようになったことで息を吹き返すことができた。さらに攻撃面でもモウラ、ソンをサイドに開かせて内側をドハーティ、ペリシッチに使わせる変更を入れてきた。これによってモウラが輝く。フリーの位置でボールを受けてドリブルを開始出来のでサイドバックにとって嫌な仕掛けがたくさんみられた。まあこのウイングを開かせる作戦は15分のすれば忘れられてまたいつもの並びに戻っていたけど。
さらに途中出場のブライアン・ヒルが攻撃を活性化していた。相変わらずの動きの多さで流動性を作り、サイドでの積極的な仕掛けから、若干クルゼフスキを彷彿とさせるようなインスイングのクロスを連発。加入してから一番良かったんじゃないですか。もっと出番を挙げてほしい。
右はヒル、左はペリシッチがそれぞれクロスマシーンと化して主にダイアーが決定機を大量に迎えていたものの、結果はコーナーキックからの1点のみ。後半の頑張りからすると逆転しても良かった思うんだけど、それは叶わなかった。
困った時のセットプレーがかつてないほど成果を上げているシーズンだが、反対に流れの中からのゴールが著しく減っている気がする。スリートップが中央によって動きを止めてしまうことでスペースがなくなり、効果的は崩しはあまりない。押し込んでずっと攻撃していたのにケインの存在感は小さかった。
これで来週のマルセイユ戦を真面目に戦わないといけなくなったわけだけど、コンテはこのままローテーションなしにワールドカップまで突き進むつもりだろうか。今日もチームのベストプレイヤーだったベンタンクールが見ていて痛々しくなってきた。そろそろ休ませてあげてほしいよ。
