[PL]第15節 トッテナム・ホットスパー vs ウェストハム・ユナイテッド

2023-2024 プレミアリーグ 第15節

Tottenham Hotspur 1 – 2 West Ham United 

Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:76勝31敗10分(勝率:66%)  

得点
11分:クリスティアン・ロメロ(Spurs)
52分:ジャロッド・ボーウェン(Hammers)
74分:ジェームズ・ウォード=プラウズ(Hammers)

トッテナム・ホットスパー
FW ジョンソン(84’ヒル)、ソン(88’ベリス)、クルゼフスキ
MF ビスマ(84’サール)、ロチェルソ(67’リシャルリソン)、ホイビュア(67’スキップ)
DF ウドギ、デイビス、ロメロ、ポロ
GK ヴィカーリオ
sub:フォースター、ドリントン、エメルソン、ドンリー

ウェストハム・ユナイテッド
FW クドゥス(88’フォルナルス)
MF パケタ、ウォード=プラウズ、ソウチュク、アルバレス、ボーウェン
DF パルミエリ、アゲルド、ズマ、コーファル
GK ファビアンスキ
sub:アナング、クレスウェル、マブロパノス、オグボンナ、ケーラー、ベンラーマ、ムバマ、イングス

得点は入るものではなく奪うもの

 主力の大量離脱からの3連敗、しかし内容は悪くなかった。そしてシティ戦の魂のドローで、いよいよここから調子は上向くはずだ。前節はリシャルリソンが復帰し、今日はロメロとサールが戻ってきた。ブレナン・ジョンソンは元々スタメン級であることを考慮すれば、実は欠けているのはファンデフェンとマディソンだけになる。言い訳の要素は少なくなってきた。

 例の如く試合の入りは最高級だ。先制するまでの時間帯はポゼッションが90%を超えるほど、一方的な試合展開で圧倒していた。去年までは毎試合のように立ち上がりが悪いと愚痴を言っていたのだが、こうも変わるとは。ん、本当に変わったのか?去年は前半を捨てて後半に逆転するチームだったが、ここのところのスパーズは前半に圧倒して後半にやられている。時間帯が変わっただけなのか?

 いや、ちゃんと進化していると思っています。5試合勝ちなしの状況なのでこの後文句は言いますが、単なる不満というよりもここが課題だねというポジティブな方向性で捉えているつもりです。気持ちも後ろ向きで意思の感じられなかった去年までとはやっぱり違うよ。

 結果がついてきている間は課題が見えにくくなるというのはサッカー界ではよく言われることだが、まさに今、勝てない時期がやってきてようやくそこを見つめることができる。毎試合のように先制しながら追い付かれる展開だが、ポステコグルーの信念によれば守りきれないことではなく、トドメを刺すゴールを奪えていないことが問題になる。

 今日もめちゃくちゃ攻撃的なサッカーをしていたように一見感じられるのだが、得点はコーナーキックからの1点だけ。カウンター主体で戦えたシティ戦は流れの中から取れていたが、実はその前のヴィラ戦もコーナキックのこぼれ球をロチェルソが決めたやつだけ。ポゼッションを主体としたいチームが必ず陥る罠、ポゼッションのためのポゼッションになっている。

 特にウェストハムのように、明確に割り切って引いてくるチームを相手にすると、押し込むところまではさほど苦労せずに行けてしまう分、無駄に慎重になってしまう傾向にある。相手の狙いは明らかにカウンターであり、自分のミスが原因でボールを失うことは避けたいと、誰もが思うからだ。その結果、無難なパスのぐるぐると回るだけになり、時間だけがすぎていってしまう。

 中央を固められたことで、まずはサイドにボールを散らすのだが、ウインガーがそこで1対1の勝負を仕掛けられないのがまず1つ目の原因だ。クルゼフスキは抜き切らずにクロスに行くまでは上手いが、現状をそれを仕留めるクロスに強いCFは置いていないのであまり効果的じゃない。加入当初はもう少し縦に切り込むプレーがあったと思うのだけどどうしたのだろう。左のジョンソンは、はっきり言ってビビりすぎ。本職は右なのでやりにくさもあるだろうが、もっとドリブルを仕掛けてみてもいいと思う。押し込まれがちなフォレストで評価された選手ということもあって、こちらが押し込んで、止まったところからの仕掛けはレパートリーにないのかもしれないから、ここは伸び代だと思っておく。

 次は不思議に思ったことを聞いてほしいという話なのですが、ミドルシュートの少なさについて。押し込んで崩せなくて停滞するっていう展開はスパーズに限らずサッカー界ではよく見る光景だと思うんだけど、その展開になると決まって解説の人は言う。

「こういう状況ならもう少しミドルシュートを打っていきたいですね。決まらなくても脅威になれば、相手のDFを引き出すことにもなるので」

 100万回聞いて来たし、この手の試合の反省で選手や監督も同じようなことを口にする。

 にもかからず、今日のような試合が繰り返される。当然選手たちは上記のようなことを聞いたことも考えたこともあるはずだ。でも打たない。これは何故なのでしょう。今のところ答えは持ち合わせていません。ちなみに途中から出てきたサールは下手くそミドルを連発していた。外すとガッカリはしちゃうけど、姿勢は称賛するべきで、簡単に文句を言うべきじゃないと思う。誰もリスクを冒さなければどうなるのかを散々知って来たはずだ。

 なんかもうちょい書きたいことあったんですけど、長くなるからここまでにします。どうせこの試合をきっかけに欠点のない最強チームに変わることはないので、またすぐに同じようなことを感じるだろうから。

 挙げた2つだけでは伝わらないけど、課題だと思っているのは「自分が試合を決めるんだ、と言うプレーができていないこと」です。なんかいっつも同じことを言っている気がして来ました。ちなみにささやかなプレビューですが、ニューカッスルくらいの強豪を相手にすると、押し込みまくる展開にはならないと思うので、この課題はまた影を潜めます。

2023-2024シーズン 試合結果一覧

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