トビー・アルデルヴァイレルトは理想的なセンターバックだった

2021年7月27日、トッテナム・ホットスパーはベルギー代表、トビー・アルデルヴァイレルトがアル・ドゥハイルへ移籍することを発表いたしました。

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一時代の終焉を感じさせてくれる

 もう少し一緒に戦うんじゃないかと思っていました。スタメンを外れる時期があっても、やっぱり最後には一番信頼できるセンターバックはアルデルヴァイレルトでした。

 スパーズに来たのは2015年だった。その3年前に加入していたヤン・フェルトンゲンの相棒として長らく不安定だったスパーズのディフェンスラインのレベルを格段に上げてくれた。このアヤックス産、ベルギー代表のコンビを超えるセンターバックの組み合わせを見つけるのに、あとどれだけの時間がかかるだろうか。

 身体能力に頼るわけではなく、高い守備技術でプレミアの猛者と渡り合ってきた。守備陣をまとめるリーダーシップも一発でゴールに結びつくロングフィードもまだまだスパーズには必要だったけど、いつまでも頼っているわけにもいかない。むしろ32歳という年齢でそれなりの移籍金を残して去っていってくれる事にも最後まで感謝しないといけない。

 ここ10年ほどのスパーズサポーターにとって、「普通」のセンターバック像はアルデルヴァイレルトになってしまった。残る選手や新たにやってくる選手には厳しいがハードルはかなり高くなった。

 今夏のオフには長く在籍する選手の放出が続いている。ローズに始まり先日はラメラ、そして今回はアルデルヴァイレルトだ。本来ならばこうした新陳代謝はゆっくりと行うもので、何年もかけてやるべきだったことをチームの結果が出なくなってから一気にやるから、寂しさは大きくなるし、まさに今が転換期なんだなと痛烈に感じられる。

 積み上げていけば辿り着けると信じていたタイトルから少し遠ざかり、またここから始まりというシーズンになるだろう。主にディフェンスラインの再構築が目下最大の課題となる。スパーズが強かったシーズンは守備の固いチームだった。これでセンターバックには絶対的な選手はいなくなった。これから発表されると期待される新加入の選手も含め、先5年を任せられる組み合わせは現れるのだろうか。

 アルデルヴァイレルトとの別れが近いことは感じていたけれど、まさかカタールにいくとは思っていなかったね。実力的にはまだまだヨーロッパのクラブで戦える。移籍金がかかるから手を出さなかっただけかも知れませんが、これは意外だった。

 プライベートでも寄付かなんかでニュースになっていたアルデルヴァイレルト、プレーだけでない部分でもプロフェッショナルな存在でした。出会いからここまで、悪い印象を抱いたことは一切なかった。ウォーカーの抜けた穴を、エリクセンが抜けた穴を未だに埋められていないように、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンの影をしばらくは思い返す日々を送ることになるでしょう。

 共に戦ってくれてありがとう。またいつか。

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