あっという間のステッリーニ解任

2023年4月25日、トッテナム・ホットスパーはクリスティアン・ステッリーニ暫定監督の解任を発表いたしました。

まあそうだよねっていう結果に

 しかし早かったですね。コンテの解任が3月26日なのでちょうど1ヶ月って計算でいいのかな。覚えている中でこれほどのスピードで成績不振の解任にあった監督を知らないよ。代理でやっていたときは良さげな勝率だったかもしれないが、正式にトップに立ってからは1勝2敗1分でした。もちろんニューカッスル戦の大敗が引き金になったわけだけども、それだけではないですよね。

 そもそもコンテを切ったのに、コンテの右腕にチームを託そうとする人事がおかしい。ステッリーニはずっとコンテとやってきたわけで持っている哲学はコンテの受け売りでしかない。本当のところは頭の中を覗けるわけじゃないのでわからないが、指揮をした試合を見ているとボスと同じことをやっているようにしか見えなかった。

 コンテのコピーでオリジナルよりも良い成績を出せるわけもなく、状況は何も変わっていない。ステッリーニが見せた「違い」はソンをビルドアップのタスクから解放したことだけだ。それによってソン自体の動きはとてもよくなったものの、チームとして結果に繋がっていないので特に意味はない。あとはもう先発選びもフォーメーションも交代策も何もかもコンテ流を踏襲していた。

 暫定監督の後任の暫定監督というわけわからんタスクはまたしてもライアン・メイソンに託された。モウリーニョの後を引き継ぐ形で2年前もやってくれたけど、あの時はなかなか良い印象を抱いていた気がする。引いてカウンターを徹底していたモウリーニョの反動もあって、ボールを握って攻撃的にいくスタイルを模索していた。あの時はベイルもいたし、そういうエンタメ要素は大切だった。

 別にメイソンの勝率は特段良かったわけじゃないと思うし、今回引き継ぐチームの状態はあの頃の比じゃないくらい悪いと思われるので、結果はあまり追求したくない。ただどんな形であれ変化は欲しい。戦術でも選手起用でも何でもいいから、今の雰囲気を払拭しうる何かを探して欲しい。

 夏には正式な監督を見つけてくるはずなので、メイソンのミッションは順位どうこうではなくチームに立ち込める暗雲を少しでも払う風を吹かせることだ。前回は就任後の初戦がカップ戦の決勝だった。今回はユナイテッド、リヴァプールとの連戦である。なんか不憫ではあるけれど、少なくともステッリーニよりはいいムードになるんじゃないかと期待してる。期待するしかないだけかもしれないけどね。

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