ああ、ウィンクスとの別れは悲しい

2023年7月1日、トッテナム・ホットスパーはハリー・ウィンクスがレスター・シティへ完全移籍となることを発表いたしました。

ちょっとずつ足りなかったのかな

 ケイン、ウィンクス、スキップ、タンガンガ。現在ちゃんと戦力としてカウントできるトッテナムのアカデミー出身の選手たちだ。ケインは特殊な例としてもやはり下部組織からトップチームの主戦力となりうる選手が出てくるというのはなかなか難しいことなんだなといつも思っている。

 その中でもウィンクスはケインに次ぐ成功例になったと言える。ここ1、2年で序列が下がってしまったが、ポチェッティーノが監督をやっていた頃は安定して試合に出ていたし、まだ20代前半だったこともあり、成長も大いに期待できる選手だった。体は小さいもののハードワークを厭わない真面目な姿勢でサポーターからの支持を集め、機動力を生かしたボールキープとテンポの良いパススキルを持ってポチェッティーノからは「リトルイニエスタ」とも呼ばれていた。

 ただし守備力がウリというには球際の強さは物足りない。本人としても自分の武器はパスだと自覚していたと思う。ならば課題となるのは攻撃への貢献だが、そこは最後まで求められる水準に達することが出来なかった。

 側から見ていると、攻撃面で決定的な中長距離のパスを出すセンスはあるように見えるのに、どうしても近場で無難なプレーを選択してしまう傾向にある。最初の選択肢はいつも横か後ろだった。監督に言われた時なのか、縦へのプレーを意識している期間は時々あって、その時はついにウィンクスが開花する時なのかと期待させられもしたが、しばらくするといつもの消極的なウィンクスに戻ってしまうのだ。

 将来性も評価に入る若手の時はそれでも良かったのだが、中軸を担うべき年齢になってくるとそうはいかない。守備では弱さが目立ち、攻撃でも控えめになれば強い特徴の無い選手になってしまう。何か尖った部分が欲しかった。なんか書いていて自分自身にも突き刺さってくるような話だなこれは。

 新天地は降格してしまったレスター・シティ。2部でのプレーにはなるが、おそらくチャンピオンシップではウィンクスの技術は突出したレベルにあると思う。レスターを一年で昇格させてもらって、ぜひまたプレミアの舞台で再会したい。長年成長も見守ってきた選手の移籍には悲しみも大きいが、伸び伸びやれる環境で思う存分暴れてきてほしい。ウィンクスの成功を心から願っている。寂しい別れだけど、また会おうな。

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