サンチェスとエンドンベレはガラタサライへ

2023年9月5日、トッテナム・ホットスパーはガラタサライに2選手の移籍を発表いたしました。ダビンソン・サンチェスは完全移籍、タンギ・エンドンベレは買取オプション付きのレンタル移籍になります。

クラブレコードの移籍金コンビ

 欧州のいわゆる主要リーグたちは、日本時間の9月1日をもって移籍市場を閉幕としたが、そうでない国もある。今はサウジアラビアリーグが各クラブを戦々恐々とさせているが、今回はトルコリーグのガラタサライ。スパーズからすれば、期限内に放出しきれなかった放出候補の行き先が決まってひとまずホッとしたというところ。

 まずはエンドンベレにさらっと触れる。昨年はセリエAで優勝したナポリにいた。ポステコグルーがやってきて、心機一転頑張りそうなコメントは見かけたが、いつ写真を見てもお腹周りに余計なモノがついたまま。ついに愛想をつかされて、プレシーズンマッチを含めてもポステコグルーの元でプレーすることはなかった。試合でのミスは構わないが、コンディションを整えない選手に対しては擁護の言葉もない。引き取り手がいてくれてよかったよ。

 エンドンベレはレンタルだが、サンチェスは完全移籍だ。ついにお別れの時がやってきた。軽率なプレーに何度腹が立ったかわからないが、スパーズのためにいつだって真剣に戦ってくれていたことは知っている。最高の選手にはならなかったが、最高の男だった。

 2016年にアヤックスから、当時のクラブレコードの移籍金でやってきた。高い身体能力を誇る若い才能は輝いて見えた。スパーズの守備を支えていたアルデルヴァイレルトとフェルトンゲンと同じ、アヤックス出身ということも期待値を大きくさせていた。

 あの頃はチェルシーのコンテがスリーバックを流行らせていた時代で、トッテナムも例に漏れず試していた。その時はサンチェスが加わってそれなりに良かったと記憶しているが、流行が終わって4バックに戻ると、サンチェスは控えに落ち着くことになる。ベルギー代表コンビの壁はとてもとても厚かった。

 加入当初から守備はスピード任せな部分が大きく、ちょっとプレッシャーがかかると慌ててしまい、判断が怪しくなる癖がある。若いうちはそれでも良かったが、一向に改善される気配がなく、失点に直結するミスをする選手という印象がついてしまった。緊急のバックアッパーとしては悪くないが、シーズンを託す存在としては心許ない。そんな感じ。

 ただ、コロンビア代表としてプレーしているサンチェスを見るときは、なんだか別人にように見えた。代表の中ではヨーロッパでの経験の長いサンチェスはリーダー格であり、最終ラインでも自信をもってプレーしていた。ボールを持っても焦っている様子がない。もしかしたら成長はしているのに、スパーズでプレーするときは色々考えちゃうのかな、なんて思っていた。

 クラブ通算200試合を超える出場数を記録した。途中出場も多かったし、望んでいたキャリアにはならなかったのかもしれない。最後のプレーがPK失敗だったことも、スパーズでのサンチェスを象徴するものだったと言えるかもしれない。あのシーンなんて蹴る前から外すと思ったくらいだもんね。

 でもまあサンチェスはサンチェスなりに、全力を尽くしてくれていたことは疑っていない。ベンチにいても真っ先に味方のゴールを喜んでいる映像を何度も見てきた。ピッチの上で見せていた闘争心は本物だった。ほんのちょっと、技術が追いつかなかっただけで。

 新天地での活躍を本当に応援している。尽くしてくれたことは忘れない。僕らはこれからもチャンピオンズリーグを目指して戦う。そこで会えたら嬉しいね。

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