2024年6月5日、トッテナム・ホットスパーはエリック・ダイアー、ジャフェット・タンガンガ、ライアン・セセニョン、イヴァン・ペリシッチが契約満了により退団となることを発表いたしました。
それぞれに送ることば
エリック・ダイアー
加入したのは2014年、もう10年も在籍していたんだね。僕の記憶が正しければスポルティングからやってきた時はセンターバックの選手として獲得されていたはずだ。当時は20歳と若手だったこともあり、最初は右サイドバックとしてのデビューだった。たしかその試合で点も決めている。
その後、ポチェッティーノがボランチにコンバートしてからがスパーズにおけるダイアーの全盛期だった。DF出身なので守備は固く、その上で足元の技術があるので配給面でも光っていた。最近のダイアーは機動力に難ありなイメージがあるが、活躍していた頃はそうでもなかった。気になるほどではないという意味で。
本人は頑なにセンターバックを希望していたらしく、それが叶ったのがモウリーニョが来てから、中心になったのはスリーバックを扱うコンテに変わってから。ちなみにポチェッティーノもスリーバックの時はダイアーをセンターバック起用していた。
ボランチで輝いていた時は若い選手の多かったチームの中心にいて、しばらくは安泰だと思っていたのに、いつしか序列を下げていき今シーズンはついにサイドバックより優先されないセンターバックになってしまった。これは完全に戦術との兼ね合いによるもので、ダイアー自身が急激に衰えたとかそんな話ではないことはその後のバイエルンで実証されている。一時的な穴埋めのようなレンタル移籍だったのに、主力としてシーズンを終えてそのまま契約を勝ち取るなんてかっこいいね。おめでとう。
最後のシーズンは残念だったけど、ポチェッティーノ時代からの躍進にダイアーの存在は不可欠だった。得意不得意がはっきりしていただけで、実力はある選手だ。バイエルンで来年以降も活躍してくれることを願っているよ。ケインと共にタイトルを取ってくれよな。
ジャフェット・タンガンガ
ディフェンスの選手を育てていくって難しいことなんだなと、タンガンガを見ていて思う。4年前のリヴァプール戦でデビューした時は数年後の守備の要かと胸躍ったが、出場機会はそこまで得られず、2度のレンタルを経て契約満了となってしまった。
本職はセンターバックのはずだが、チャンスを貰えたのはほとんどサイドバックでだった。力強さがウリのスタイルは実にイングリッシュなのだが、その代わりに繊細さに欠けていてファールを貰わないような体のぶつけ方は一向に向上しないし、ボールの扱いも苦手なところがずっと足りないままだった。
新天地は決まっていないが、プレミアのクラブからの関心があるという噂を見た。そうなれば嬉しいね。スパーズの監督たちの目利きは間違っていたと証明するチャンスを今度こそ生かせるように頑張ってほしい。対戦する時以外は応援してる。
ライアン・セセニョン
加入した時の期待値は誰より大きかったのに怪我をして怪我をして怪我をしているうちに契約期間が過ぎていってしまった。もうちょっと馴染んだらきっといいプレーをするぞと見る度に思うのに、継続して見ることは結局なかった。
今年は左足を痛めて1年近くの離脱から復帰したと思ったら、同じような負傷を逆足でもしてしまい両足を手術するという大変な1年だった。次また筋肉系の大きな怪我をするようなら、引退も視野に入ってきてしまうような状態なだけに応援よりも心配をしている。プレミアのクラブでも欲しがってはくれそうだけど、それに拘らないキャリアを模索した方が良いのではないかな。
イヴァン・ペリシッチ
来てくれたときは嬉しかったよ。コンテの存在ありきとはいえこんなビッグネームが来てくれたのかと。来た時からその振る舞いはベテランの素晴らしさに溢れていた。ウイングバックでもウイングでも一人でサイドをなんとかしてしまうプレーは上質なもので、練習での大怪我のニュースを聞いたときは辛かったよ。今年のチームでフルシーズン戦っていたら、重要な戦力だったに違いないのに。
まだトップレベルでも活躍できるはずだが、35歳のペリシッチはキャリアの終盤に自分を育ててくれた母国のクラブを選んだ。もしかしたら代表でのキャリアも今回のユーロ限りかもしれない。まあクロアチアは先輩モドリッチがまだ走っているので、35歳なんてまだまだと思っているかもしれないけどね。
輝かしいキャリアの中にスパーズを選んでくれてありがとう。上手くは行かなかったかもしれないけど、後輩たちが受け継いでいくものは残してくれたんじゃないかな。満足のいくところまでサッカーを続けてくれ。