ビッグサマーだと沸き立ちながら、加入が決まった選手たちについて触れていなかったので歓迎の言葉を述べさせていただきに参りました。ところで人間ってやつは相変わらず過ぎ去ったことは忘れる生き物ですよね。ここまで決まった6人のうち6人目だったトナーリの獲得発表が7/6です。そこからアタッカーの獲得が最低2人はあるぞと言われながらもう一ヶ月以上進展が見られないことを受け、「いつもの夏」の雰囲気になってしまっている。例年にないほどお金を使って派手に動いているはずなのに7月の前半にその喜びは置いてきて不安と不満が強まってきた。まあ気持ちはわかります。とはいえ今の前線の選手層を見れば、さすがに誰かはやってくるでしょう。僕たちはレアル・マドリーではないので我慢しつつ待ちましょう。冷静になれば2年連続17位のクラブにはありないくらいの補強が出来ているんだから。
革命軍たち
アンドリュー・ロバートソン
ポジション:LSB
国籍:スコットランド
年齢:1994/03/11(32)
前所属:リヴァプール
シーズン終了を待たずに残留しさえすれば決定的という報道が流れていた通りにやってきた。リヴァプールで一時代を築いた名サイドバック、アンドリュー・ロバートソンがやってきた。これはこの1年の学びから実現した獲得だ。若い才能ばかり集めても彼らは勝手には育たない。手本になる先輩と高め合う文化がまずはクラブには必要なのだ。近年は20代前半までの未来に賭けた補強が多かったが、崩壊しかけたチームをなんとか水際で支えてくれたのはパリーニャやギャラガーという戦える経験者たちだった。
リヴァプールでも控えに回ることが多かったロバートソンを先発の置き換えとして獲得したわけではないと思う。まあ左のウドギは怪我が多すぎるのでそれなりに出場機会はあるだろうが、スパーズとして期待しているのはそのリーダーシップだと思っている。勝てるチームの文化とはどんなものなのか。それをチームに根付かせてくれ。加入早々わかっているなと思ったのは、背番号3を選んだことだよね。長年つけていた26番はスパーズではレドリー・キング以降事実上の欠番としている番号なのでそれを尊重してくれたとか。信頼とか愛情ってこういうところからですよね。
マルコス・セネシ
ポジション:CB
国籍:アルゼンチン
年齢:1997/05/10(29)
前所属:ボーンマス
何が凄いってボーンマスの目利きです。もしくは選手の活かし方。2シーズン前に大活躍したザバルニーとハイセンのセンターバックコンビがそれぞれパリ・サンジェルマンとレアル・マドリーに引き抜かれ、こりゃ厳しいシーズンになるぞと思った昨シーズンは控えから昇格してきたセネシが大ブレイクするのだから。なんというか良いチームにいる選手って何割か増しでよく見えたりするものだからそこがちょっと心配よね。
自分のチームの調子が悪いと他のチームの試合を見るモチベーションも下がるので、正直セネシのプレーの記憶はあんまりないです。ロングパスの成功回数とDFのアシスト数でリーグトップという数字はセンターバックのボールコントロールから攻撃を始めるデゼルビにピッタリとあうピンポイント補強だ。これがフリー移籍だっていうんだからフロントはいい仕事をしてくれた。まあ気になるのはそのポジションにはファンデフェンがいるということ。どうやって活用していくのでしょう。今のところスリーバックの気配はないし、右センターバックはファンヘッケで確定だろうし。
マルティン・ドゥブラフカ
ポジション:GK
国籍:スロバキア
年齢:1989/01/15(37)
前所属:バーンリー
新シーズンの守護神はアントニー・キンスキーになるようだ。セカンドゴールキーパーが実力でポジションの序列を変えるというのはそんなにあることじゃない。ヴィカーリオはイタリア方面への移籍になるようで第二ゴールキーパーとして経験豊富なドゥブラフカをこちらもフリーでの獲得だ。長年ニューカッスルで活躍していたベテランでポープの加入以降は控えに回ったが、ポープが怪我の多い選手なので割と試合には出ていた。
デゼルビの求める足元の上手なタイプであるという印象はないけど、セカンドキーパーまではそれを求めるのは難しいのかな。若いキンスキーが主力としてプレミアリーグを戦う最初のシーズンになる。ある程度浮き沈みはあるだろうから、しっかり横で支えてあげてほしい。
ヤン・ポール・ファン・ヘッケ
ポジション:CB
国籍:オランダ
年齢:2000/06/08(26)
前所属:ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン
全然どうでもいい話なんですけど、ファンヘッケを狙っているという噂を見た時にもう若手枠ではない選手にしっかり移籍金を払って獲得しようとするなんてスパーズらしくないな。と思ったのです。そんな「もう若手枠ではない選手」も2000年生まれなんですね。驚きました。20世紀生まれの選手が完全にいなくなって目が飛び出す日もそう遠くないってことか。
今年の獲得選手の中では最もよく見てきた選手だ。三笘の影響でブライトンの試合を見ることも多いのでファンヘッケはブライトンに来た時から知っている。あの頃は足元の技術にアイデンティティを持っているのはわかるものの、そこに拘りすぎてミスも多い選手という印象の選手だった。それがデゼルビの下で大きく成長し、あの時のブライトンの戦術のキーマンになっていた。今回の獲得はこの師弟関係によるもので、フロントが契約が残り1年の選手にこれほどの移籍金を出したのもデゼルビに賭ける思いの強さからだ。縦パスを刺すだけでなく、ボールを持って運ぶことも得意。スピードにはやや難があるもののそこは同郷のファンデフェンがカバーすることでしょう。デゼルビ流をチームに浸透させるために重要な役割を担うことは間違いなし。
マテウス・フェルナンデス
ポジション:MF
国籍:ポルトガル
年齢:2004/07/10(22)
前所属:ウェストハム・ユナイテッド
スポルティングで育ち、2024年にイングランドにやってきた。最初のサウサンプトンでは主力としてプレーするもチームは降格。それに伴って翌年はウェストハムに移籍するもチームは降格。未だプレミアリーグで残留したことのない選手が選んだ次のステップは2年連続17位のトッテナム・ホットスパー、はたしてジンクスは破れるのでしょうか。
クラブ史上最高額を出して獲得した選手ではありますが、セネシのところで書いたのと同じ理由で全く見た覚えがありません。ボールの扱いが上手くタフに戦える選手だと聞いています。このプロファイルだとベリヴァルと同じやないかい。まあ自分の目で確かめます。ボールを持つスタイルにチームを変革させるために中盤の補強をするのは理にかなっていると思う。おそらく今いる選手でも能力的には可能だけど、ずっとやってこなかったのと成功体験がないので、それなら外から人を入れてたほうがチームに戦術が浸透するのが早まると思う。上手くいっているところに今の選手を融合させた方がいいイメージを持って試合に入れるんじゃなかろうか。情けない話だけどな。そんなプライドを捨て去るのがリビルドというものだよ。
サンドロ・トナーリ
ポジション:MF
国籍:イタリア
年齢:2000/05/08(26)
前所属:ニューカッスル・ユナイテッド
クラブ史上最高額での選手獲得をほんの数日で更新した。もちろんご存知サンドロ・トナーリ。このレベルの選手がやってくるとは思っても見なかった。デゼルビの威光恐るべし。ニューカッスルの試合を見ていると、ギマランイスとトナーリの2人はいつ見ても異彩を放っている。積んでいるエンジンが違うという感じ。ボールを持ったところからグイッと進んでいくエネルギーがある。そしてトナーリもリーダーシップを持ってチームを引っ張っていけるタイプの選手だ。
攻撃陣の補強がないままではシーズン全体への期待感的なことはなんともいえないが、後方の選手の補強は十分すぎるほどだ。単なるプレーの質だけでなくチームに波及させる影響力のようなものも考えた改革の補強だ。お金の使い方を見てもこの支出を何年も続けられるわけはないと思うので、今年の成否はこの先しばらくの未来にも関わってくるだろう。別に今年優勝争いに絡めるとは思っていない。まずはデゼルビの下で自分たちはこういうスタイルで勝負するんだというものを確立させること。そうすれば結果は後からついてくる。