この夏の移籍市場は何点でしたか

 2026年夏の移籍市場が閉幕しました。という書き出しを用意したのに公開するのはだいぶ後になってしまいました。たくさんの入れ替えのあった夏、どう評価するべきでしょうか。関係ないけど夏はもっと暑い方が魅力的じゃないですか。今年は涼しすぎる。プライベートでこれを言って共感してくれる人はゼロでした。風情がないね。

これぞ大刷新

まずはinoutの整理をします。

放出

名前移籍先形態
グリエルモ・ヴィカーリオユヴェントスレンタル
クリスティアン・ロメロアトレティコ・マドリー完全移籍
ケヴィン・ダンソサンダーランドレンタル
ラドゥ・ドラグシンフィオレンティーナレンタル
アシュリー・フィリップスミドルズブラ完全移籍
ルカ・ヴシュコヴィッチブライトン完全移籍
高井幸大シント=トロイデンレンタル
ジェド・スペンスインテル完全移籍
ソウザポルトレンタル
イヴ・ビスマ未定契約満了
ジョアン・パリーニャバイエルンレンタル終了
パペ・マタル・サールユヴェントスレンタル
マノル・ソロモンウェストハム完全移籍
マイキー・ムーアケルンレンタル
ランダル・コロ・ムアニPSGレンタル終了
デイン・スカーレットレイトン完全

加入

名前加入元形態
マルティン・ドゥブラフカバーンリー完全移籍
ヤン・ポール・ファン・ヘッケブライトン完全移籍
マルコス・セネシボーンマス完全移籍
トシン・アダラバイヨチェルシー完全移籍
アンドリュー・ロバートソンリヴァプール完全移籍
サンドロ・トナーリニューカッスル完全移籍
マテウス・フェルナンデスウェストハム完全移籍
サヴィオマンチェスター・シティ完全移籍
ミハイロ・ムドリクチェルシーレンタル
オマル・マルムシュマンチェスター・シティレンタル

 改めて見ると凄いな。16人がチームを離れ、10人が加わりました。放出の方はレンタル多めですが、高井、ソウザ、ムーア以外は基本的にはお別れだと思っておいた方がいいでしょう。獲得の方はマルムシュは事実上の完全移籍、ムドリクは1年限りが濃厚です。

 さあ、まとめは終わり。まずは放出の方からかな。たくさん選手を取った印象が強かったが、終わってみればきっちり整理も出来ていた。即戦力を多数加えた反面、昨年までの主力もチームを離れている。完全移籍でチームを離れて行った選手には共通点がある。それは「このチームで戦う熱がなくなったこと」だ。ロメロのようにシーズン中から気持ちが外を向いていた残念なパターンもあれば、ヴィカーリオやダンソのようにデゼルビのスタイルと自身の得意・不得意が噛み合わなかったパターンもある。いずれにせよ。去るものは追わずという姿勢は一貫していた。唯一ベリヴァルだけは慰留したという話もあるが、それでも懇願したというよりは、残って欲しいけど出ていくなら仕方がないというくらいだった。

 これで良いと思います。将来性のあるヴシュコヴィッチや汎用性の高いスペンスなんかを残しておきたかったという気持ちは理解できるけども、チームのために戦えない選手がいるとどうなるかを僕らは散々学んできたはずだ。デゼルビの言っていた「最後はモチベーションが違いを生む」という言葉は至極名言だと思う。移籍市場の度に思い出して心に刻みたい。気持ちが大事なんていう言い古されたフレーズが苦手だったのですが、すっかりサッカー観が変わってしまったよ。まあ新しい考え方を問答無用で受け入れていける人間でありたいからいいんです。人は変わる。前言撤回して生きていきます。

 繰り返しになるんだけどさ、最終的に加入した選手と比べて「これならあの選手を残しておけばよかった」なんていうけれど、絶対にそんなことはないと今は言い切りたい。自分の意思で出ていくことを決めたのなら、残念だけど送り出した方がお互いのためだ。そんな言葉で来てくれたばっかりの選手を傷付けてプラスになることなんて何もない。長年同じチームを応援していれば、所属してくれる選手は変わっていく。その時戦う覚悟を持った選手と我々も戦うべきだ。批判はプレーを見てからでも遅くはない。それも最低でも半年は我慢してからにしたい。

 次は加入の方にいきましょう。この前のように一人ずつピックアップして感想を言います。

トシン・アダラバイヨ

ポジション:DF
国籍:イングランド
年齢:1997/09/24(28)
前所属:チェルシー

 まず名前の発音がわからない。昔はアダラバイヨという表記だった気がするけど、最近はアダラビオヨの方をよく見る。英語だとAdarabioyoか。ローマ字読みするとビオヨですよっと。とりあえず個人的にしっくり来る方にして、あとはU-NEXTに合わせます。とはいえそもそも4番目のセンターバックだったダンソの代わりに加入した選手なので、試合数の少ない今シーズンにどれだけ出番があるだろうか。おそらくベンチ入りする機会も多くはないはずだ。というかそうなることを願う。彼が出るということはまたディフェンスラインにトラブル多発ということだろうから。

サヴィオ

ポジション:FW
国籍:ブラジル
年齢:2004/04/10(22)
前所属:マンチェスター・シティ

 昨夏から移籍したいと言ってくれていたサビーニョはシティの抵抗を跳ね除けてスパーズに到着、よっぽどシティ時代を払拭したいのか登録名をサヴィオに変更した。こっちが本名らしいのでまだ慣れませんが馴染むようにどんどん口に出していこうと思う。本当はチームで最も充実しているはずの右ウイングがようやく埋まる。シティでは左ウイングでも起用されていたように両サイドどちらもこなせるというのは大きい。控えだった選手にしては理不尽な値段ではあったが、まだ22歳と若いし活躍してくれれば問題なし。なかなか重たい今の攻撃陣を変える嵐になっておくれ。

オマル・マルムシュ

ポジション:MF
国籍:エジプト
年齢:1999/02/07(27)
前所属:マンチェスター・シティ

 もう一人もシティから。正直ワールドカップのエジプト代表の試合を見ていても、他の選手と比べて突出して目立っていたわけではなかった。シティでもハーランドの控えという立場だったので出場時間も限定的。まあそれはわかった上でシティに行ったんじゃないんですかという感じ。やっぱり中心選手として扱われるところで花を咲かせたいという話なら、どうぞこちらで大暴れください。まだ2試合しか見ていないが、これまでのCFにはない上手さが随所に見られて好印象だった。しかし結局はゴールが全て。その大役を担ってくれ。

ミハイロ・ムドリク

ポジション:FW
国籍:ウクライナ
年齢:2001/01/05(25)
前所属:チェルシー

 最後の最後に紆余曲折あった末にスパーズが選んだ最後の一枚はある意味で超有名な選手だった。チェルシーが獲得した時の金額には驚いたよ。活躍したとはお世辞にもいえない一年を経て、ドーピング検査に引っかかり2年間も試合に出ていない。来なかった選手の名前は出さないでおくが、昨年リーグで大活躍だったウインガーを期待させておいて、結局は2年間プロサッカー選手ではなかった人が来れば高低差に耳キーンなりますわな。

でもね、開き直るとムドリクは超ロマン枠として面白いと思えてきてる。スピードという明確な武器があるし、もしかつて共闘したデゼルビの元で爆発できればラッキーで、ハマらなくても無理に使わなくて良いレンタルだからリスクも少なめ。まず何より数が足りなかったアタッカーが埋まったのだからそれで十分だと思いましょうや。ちなみに2年間のブランクについて知らないXの人が「ムドリクが2年間プレーしていないのは事実だが、公平を期すために付け加えると、我々の主力選手たちも2年間ほとんどプレーしていない」って言ってて笑いました。座布団一枚あげてください。

総評

100点満点で120点の夏

 勢いよく獲得を決めた7月の印象より、直近の苦戦が印象に残ったことで、不満そうなサポーターの声が大きく聞こえる。まあいつだってなんだって、批判の声の方が大きいのが世の常ではある。そりゃあの選手が来ていればとか、この選手を取る必要があったのかとか、文句を言おうとすればいくらでも言えるだろう。でも冷静になるべきだ。昨シーズンが終わった時にこれだけのスカッドを揃えられると信じていた人は絶対にいなかった。

 獲得した10人のほとんどは移籍を決めた理由が「出場機会がより増えそう」だと思う。そうじゃなかった4人のうちデゼルビとまた戦いたかったファンヘッケだけが明確に理由がわかる。トナーリは監督とイタリア人繋がりだがそれだけでは正直弱い。よほど説得の電話が上手かったのかね。セネシは完全に謎。給料が良かったのかい。フェルナンデスはユナイテッドと競合していたが本人はどちらのプロジェクトにも賛同しておりクラブ間合意が早く取れたから来たと聞いた。これは凄いことですよ。普段はビッグ6と呼ばれることについて、個人的にはどうでもよいと思っています。自分たちで名乗ったわけではないので、「スパーズはビッグ6にふさわしくない」みたい な煽りも別になんとも感じていなかった。でもこの移籍は今まで思っていたよりもビッグ6という括りが大きな意味を持っていたらしい。

 22歳のフェルナンデスにとっては、スパーズとユナイテッドは同格のクラブだということだ。考えてみればビッグ6という呼び方が生まれてから15年ほど経っている。若い世代にとってはそれが当たり前なんです。先ほどのようにスパーズがビッグ6かどうかみたいな議論をしている人たちは30代以上に違いない。何を言いたいかというと、来てくれた選手たちはこの2年を成績を受けても、スパーズはビッグクラブだから一時的にうまくいっていないだけですぐに定位置に戻り上位争いをするだろうと信じてくれているんだということ。そして、まだ世間にビッグ6という言葉があるうちに本当にそこに戻らないと、補強したくても選手が選んでくれないようになってしまうということです。

 お金を使えば成功であるといえないのがフットボールの難しいところだが、少なくとも現時点でやれるだけのことはやったと思う。今までは値切りにこだわって何も買えないのが夏のお決まりだったけど、今年はほぼ言い値で相場より高いかもしれない額でも決断をして監督の望む選手を揃えてくれた。あれだけ毎年お金を出さないことに文句を垂れていたサポーターが使ったら使ったで払い過ぎだとか言っているのは滑稽だね。他のチームと競争力のある形で補強をするというのはこういうことだ。痛みを伴わずに戦い勝てるなんてことはないのだ。あまりにも寄せ集めが故に今しばらく時間はかかるかもしれないが、きっと良いチームになってくれることでしょう。少なくとも去年よりは悪いシーズンにはならないよ。まあそれは去年の初めにも言っていたことなんだけどね。

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