[PL]第1節 ブレントフォード vs トッテナム・ホットスパー

2026-2027 プレミアリーグ 第1節

Brentford 3 – 0 Tottenham Hotspur

Stadium:ジーテック・コミュニティ・スタジアム    

得点
12分:キーン・ルイスポッター(Bees)
33分:ビタリ・ヤネルト(Bees)
49分:マイケル・カヨデ(Bees)

トッテナム・ホットスパー
FW テル、リシャルリソン(67’ソランケ)、ムーア(67’マディソン)
MF ベリヴァル(46’フェルナンデス)、ギャラガー(46’ベンタンクール)、トナーリ
DF ロバートソン、セネシ、ファンヘッケ、グレイ(86’ウドギ)
GK キンスキー
sub:ドゥブラフカ、ダンソ、デイビス、ウィリアムズバーネット

ブレントフォード
FW シャーデ、チアゴ(83’ウィルソン)、ワッタラ(67’アンソニー)
MF サンガレ(76’ダムスゴーア)、ヤネルト、イェンセン(67’ヤルモリュク)
DF ルイスポッター、コリンズ、アイェル、カヨデ(76’ヒッキー)
GK ケレハー
sub:バルディマルソン、ヘンリー、ピノック、シュスター

これが現実だ

 2026-2027プレミアリーグの開幕だ。今年は例年以上に予想の難しいシーズンになっている。かなりのクラブが就任1年未満の監督で、それ以外のクラブにも主力が抜かれて再編を余儀なくされているクラブもある。例に漏れずスパーズもデゼルビの最初のフルシーズンということで、大型補強も相まって予想順位を荒らしている張本人だ。17位のクラブとトップ4フィニッシュと予想してくれている人たちもちらほら見かけましたが、現時点でのスパーズはこんなものです。実に17位と9位の試合でした。

 昨シーズンの最終節と見比べて、同じく先発に入っているのはキンスキー、ギャラガー、テル、リシャルリソンの4人だけだ。特にディフェンスラインは総入れ替え、昨年の開幕戦に来年のスタメンクイズでこの並びを見せられたらどのクラブだか当てられる人はいないでしょう。最終ラインは他の選手たちの準備が間に合わなかったことで予想通りの4人、中盤はトナーリのみ確定であとはプレシーズン頑張っていた2人をプレシーズン休みがちだったベンタンクールやフェルナンデスに代えてしまうと不和が生じるだろうからという協調性重視の決断だったと思われるチョイス。スリートップは他に選択肢がなかった。言ってしまえばまだ大部分が、勝ち抜いたスタメンではなく消去法のそれだ。

 就任から残留まではデゼルビのやりたいポゼッションの空気感だけ漂わせたハイプレスとロングボールのスタイルだった。今年はもっとこだわるべく、プレシーズンから繋ぎの部分を変えてきたがプレミアリーグ本番の強度とスピードに適応できるだけの完成度ではなかったことが露呈してしまったような開幕戦となった。かつてブライトンで見せていたディフェンスラインで相手を引き寄せるようなビルドアップというよりは、昨年まで幾度となく見てきた追い詰められてボールを下げて困って蹴り飛ばすアレだった。

 ただし去年までとその中身まで同じだったとは思わない。今まではチームの誰もボールを持ちたがらない逃げの精神性でサポートの動きがなくなり、責任逃れのプレーの連発でボールを失っていただけだった。今日はそれよりはだいぶマシで、頑張る気持ちはあるのにまだまだ連携だったりチームとしての動き方がよくわかっていないが上のグダグダ感だった。ブレントフォードの選手たちの流れるような連動を見ているとその違いは特に顕著、ブレントフォードには3人目の動きが常にあってスパーズにはそれがまるでなかった。これはデゼルビにこれからお願いしたい部分である。もう何年もこんな感じなので通常のフットボールチームにあるはずの最低限の連携がないのです。教えてあげてください。まあ後はこれだけ選手が入れ替わり、チームのスタイルすら一新したとなればいきなり上手くいくわけないよねとも言えます。いずれにせよ、やりたい事はわかるからもっと成熟しないといけないねという内容だった。ブライトンの時もデゼルビは勝ち始めるまでに時間がかかったようだし、判断するのはまだ早いよ。時間はたっぷりとあるのだから。

 新加入の選手たちは概ね好印象。失点は多かったが、ファンヘッケとセネシは足元が上手い、ロバートソンのクロスの上手さも何度も見られた。あれを80分見た後のウドギのクロスを見た時は何も変わっていなさすぎて驚いたね。誰かを狙うわけでもないグラウンダーのクロスはもはやクロスではなくクリアの一種なのでは。トナーリは思っていたより大人しくてあんまりよくわからなかったが、後半から出てきたフェルナンデスは良かった。安定したボールコントロールの技術と自分を経由して攻撃させるんだという強気のメンタリティがあった。こりゃいい選手っぽいぞ。

 ミスに絡んでしまったベリヴァルの評価は難しい。劣勢の中で良い運びをしてチームに時間を作ってくれるプレーはプラスな反面、加入してから3年目になっても未だ直らない自陣でリスクあるドリブルを失敗してしまう悪癖は大幅にマイナスだ。そして何よりベリヴァルで気になるのは、攻撃の選手に見える割には決定機を演出するようなチャンスメイクはほとんどないということ。中盤で意表をついたドリブルで目立つだけで、最後の局面での貢献はほぼない。これじゃあハイリスクローリターンすぎる。出場機会の少なさを気にしているらしいが、まずは自分の欠点に目を向けた方がいい。結果に対して自信だけ過剰になる選手は成長しないぞ。最初に評価が難しいと言ったのは、変わって入ってきたベンタンクールがめちゃくちゃ良かったかというとそうでもないし、言ってもまだハタチの選手の攻めのプレーは大事にしていきたいからだ。ミスを咎めて生み出させるのは無難なプレーしか選べないウィンクスやスキップやサールなのだから。

 あともう少しベリヴァルを擁護すると、あの失点シーンの起点はベリヴァルのミスではなくリシャルリソンのポストプレーの失敗だった。簡単な仕事ではないだろうがリシャルリソンは全く良いところがなかった。パワーのみでポストプレーをするしかないのなら、この先の向上はないでしょうね。降りてくるタイミングを変えるとか、相手が捕まえにくい位置に動くとか、後はファーストタッチの技術で相手をいなすなどなど出来ないと、パワーポストプレーだけでなんの工夫もないようでは見ていてストレスが溜まるよ。何より気に入らないのは、リシャルリソンもポストプレーが通用しないことがわかっているので、転んでファールを貰うことが最初の選択肢になっていること。審判の基準なんて最初のプレーで決まるんだから、いつまでも転んでアピールするのはやめてくれ。ただ、そんなリシャルリソンすら今日は擁護することができます。ポジショニングの話をします。

 後ろがボールを持って出しどころがない時にスリートップの動き出しがないという批判を目にした。気持ちはわからなくはないが、これはデゼルビの戦術の一環なんじゃないだろうか。ブライトンの時の記憶だけど、ウイングは両サイドともに大外に張らせて待機させていたと思うのです。それこそ今日と同じように。まずはボランチのところからの運びを狙い、ダメそうな時にタイミングよく降りてくるセンターフォワードに縦パスを入れ、それを近くのトップ下の選手にワンタッチ落として前を向かせたところからウイングが斜めに走るというのスタイルだったはず。だとするとむしろ今日一番動きがおかしかったのはトップ下のギャラガーだということになる。縦パスを受けたリシャルリソンが余計なことを考えずにダイレクトで落とせる距離に寄っていなきゃいけなかったんじゃないかな。プレシーズンの時からこの形は見ていないのでまだデゼルビの要求にない部分なのかもしれないが、ウイングが動かずに開いているのは狙ってのものだろうし、ワントップが孤立しているのを改善できればもう少し良くなると思うのだ。今日の試合を見ていて思いついた改善点はここだった。ワントップとトップ下の距離感の話でした。

 まあ良いところの方が少ない開幕戦になってしまったものの、去年の中頃の絶望感があるわけじゃないので忘れて次に向かいましょう。そもそもみんな動きも重かったし、コンディションも上がっていくことでしょう。目を逸らすようなことを言って終わろうと思うんですけど、昨年も調子の良かったブレントフォードに完成度で負けた我々のそばには、昇格組に無気力で敗れたユナイテッドがいてくれます。ヴィラもありがとうな。さて、今年も一年がんばりましょう。

2026-2027シーズン 試合結果一覧

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!