ワールドカップがあったために、いつまでが昨シーズンでいつからが新シーズンなのかよくわからなくなっております。出場していた選手たちにとってはワールドカップの最後の試合が2025-2026シーズンの終わりになる。ワールドカップに出場していなかった選手たちは7月に入ったくらいからロンドンに集まって地球の反対側でやっている大会を各々の思いで見つめながら体を動かしていました。お祭りが終わって一週間も経たないうちにスパーズのプレシーズンマッチが始まった。ありがたいことにサポーターにはオフシーズンはないようです。1試合目は見られなかったのですが、残りの3試合は見たのでそこら辺から触れていきます。
昨シーズンの終盤に就任してチームを降格から救ったロベルト・デ・ゼルビはここまでは自分の理想に少し蓋をして戦ってきた。我々は2年前、同じように攻撃サッカーを信望する監督の元で、理想のためなら散って本望という教育を受けていた。今回の監督はそれに比べるとやや柔軟らしい。自らのボール保持に対する想いをむしろ選手たちのモチベーションを上げるためだけに使用し、結局のところ前進はロングボールに頼りながら泥臭く残留することに成功した。もう既にここまでの功績でデゼルビの招聘は大成功だったと言えるかもしれない。残留はもちろんのこと、彼のスタイルに魅力を感じる選手たちが続々と集まってきているのに加え、移籍濃厚な雰囲気の出ていた主力の引き止めにもその存在は一役買っているからだ。そんなデゼルビの目指すべきサッカーはどのくらい見えているのか。
方向性だけでいうと、かつて眺めていたブライトンのサッカーの雰囲気はかなり感じられるようになってきた。最終ラインでボールを持って相手のプレスを意図的に誘い、そこからボランチ経由、もしくは長めの縦パスでスピードアップを狙う。ただしここまではアカデミーの若手たちの出場している時間が圧倒的に長い段階なのでその完成度や威力という意味ではまだまだなんとも言えないという感じ。むしろ今のところ見えているデゼルビ政権の最大の特徴はプレー時間の管理の方かもしれない。休暇明けや負傷明けの選手たちの起用時間はかなり厳しくチェックしているようで、とにかく今はリスクを冒すときではないという発言もよく聞くほど。もう来年は怪我人が多いから勝てないんだっていう言い訳はしたくないもんね。
さっきも言ったように主力と呼べるメンバーの出場時間は長くないし、対戦相手もアカデミー中心でそれなりにやれてしまうくらいのレベル感なのでチーム全体の完成度的な話をしても仕方ないと思っている。なので気になった若手たちに触れてみようと思う。
まず驚きだったのは、ルカ・ウィリアムズ=バーネット。トップチームでの出場歴も一応はあるが、そこでの記憶はあまりない。有望な若手として名前はよく聞いていたものの、同じくらいの熱量で有名だったマイキー・ムーアが先にいたので活躍はもう少し先かと思っていたのだが、こりゃまた面白い選手が出てきたものだ。柔らかいボールタッチと身のこなしで相手の逆を取るのが上手い。トラップ一つで局面を打開してしまうセンスの高さはかなり目立っていた。対面してのドリブルもどんどん仕掛けていくし、かと思えばサポートの来た味方も球離れよく使っていて好印象。逆にレンタル明けのムーアがおとなしくて心配になってしまった。こうした良い選手を見るとどうしてもトップチームに帯同させてシーズン中に起用するチャンスを伺いたいと思ってしまうが、それが理想通り行った例がなさすぎてこの期待感をどうしたらいいのか難しい。10月1日に18歳になるまではレンタル移籍は出来ないようなので半年は手元に置いておけるのが楽しみかな。
次の発見はリオ・キーレマテン。もしかすると発音に近い別の表記もあるかもしれないんですが一旦これで行きます。主に左サイドバックとして出場していたキーレマテンも良かったね。あ、でも今調べてみたら21歳か。若くないとは言わないけど、少なくともどこかのトップチームで出場時間を得ていないとまずいくらいの年齢ではありますね。このプレシーズンでの活躍が誰かに目に留まってほしい。本職はどうやら中盤らしいんだけど、左右のサイドバックとしては結構存在感があった。俊敏に動き回ってボールを奪ったり運んだり。チェルシー戦の独走からのクロスバーショットでインパクト大のハイライトを残してくれたけど、他の試合も目立っていた。ただ今のトップチームはサイドバックはたくさんいるのですぐにチャンスは来ないはず。レンタル先を見つけて頑張ってください。
最後に高井・・・と言いたいところだけど、残念ながらセンターバックのポジションで評価を高めたのはマラキ・ハーディの方だった。相手が相手だったので守備面での良し悪しはよくわからないが、縦パスをバンバン刺していって自分はデゼルビ監督に合う選手ですよとアピールに成功した。聞いている限り高井もそうしたプレーが出来るはずの選手のはずだけどこのプレシーズンの期間は無難なプレー選択が多かったように見えた。隣が積極的だったからなおさら。チェルシー戦でダンゾがアホな退場をした時に誰を選んだかがこのプレシーズンの通信簿だったのかなと思われる。登録枠を勝ち取らないといけない高井の残留の線はだいぶなくなってしまった。別に悪いプレーをしていたとかではないんだけどね。
そもそもこれだけ若手主体のチームを組んでいる時にはアピールが難しいんだという見方もできるかもしれない。でもその中でもグレイやソロモンはとびきりの存在感があった。このレベルなら圧倒的でないとこの先の枠には入れないんだよと示してくれているようでもあった。グレイは中盤の序列の下の方の選手だし、ソロモンに至っては基本的には戦力外の位置にいる選手である。むしろこの2人と同時に出ていた若手にどんな評価を置くべきかといういい指標になっていたようにも感じた。トップチームのメンバーになるためにはまだ道は長いんだぞと。
あと開幕まで2週間とちょっと。プレシーズンマッチはたしか3試合だったかな?いろんな選手が見られるのでそう言った意味では楽しいけど、シーズンへの期待値とかそういう目線だとまだよくわからないですね。毎年のようにここで初めて見る若手にワクワクさせられるけど、その後定着する選手ってまあいないし。でも楽しいんだけど。デゼルビはまだ2、3人の補強を目指しているって明言していたのでそっちにも振り回されつつ開幕を待とう。プレシーズンってやつは平和で良いぜ。