コパ・アメリカ2019は開催国ブラジルの優勝で幕を閉じました。
僕らのチームからはファン・フォイスのアルゼンチンが3位です。
右サイドの1番手と呼んで良いのでしょうか。
ポジション争いに勝利
グループステージ最初のコロンビア戦と3試合目のカタール戦のスタメンはレンソ・サラビアで、2試合目のパラグアイ戦はミルトン・カスコが起用されていた。ここからも分かるように、右サイドバックの候補として招集されていたのはこの2人。フォイスはオタメンディ、ペッセッラ、フネスモリと並んでセンターバックとしての招集です。まあ正直トッテナムで出番を増やしつつあるとはいえ、センターバックとしては4番手であり、サッカー大国アルゼンチンの代表としてコパに行くというのは予想外でした。ホントに後ろは人材難なんですね。
なのでフォイスに出番がないことは、残念ではありながら受け入れられるものでした。ただ序盤の3試合でサイドバックが決まらないというチーム事情もあり、ここにチャンスがあった。そして昨季のスパーズでのフォイス通り、わずかなチャンスをしっかり掴んできました。センターのペッセッラにも不満があったのかローテーションだったのかは定かではありませんが、カタール戦でオタメンディと組んでセンターバックで先発すると、若干のヒヤヒヤといつもの堂々としたプレーぶりで、決勝トーナメント以降の右サイドバックの座をものにしました。
サラビアとカスコのプレーをそんなに注目して見ていなかったのでフォイスがいかに上回っていたという話はできません。むしろライバルが2人もいたことを考えると、このフォイスが出るほどにその2人はよくなかったってことですかね。
右サイドで出ていた3試合の中で一番良かったのはブラジル戦です。今大会で最も名を上げた選手といっても過言ではないエベルトンと対面し、見事完封。前半だけで交代させるほどにしっかり抑えていました。目立っていたのは振り切られそうになってからの加速力でしょう。エベルトンも早いのに、先手を取られてからでも追いついていた。手をかけてファールギリギリの守備も多かったけど、不慣れな右サイドでの縦の守備とあれば及第点です。
チームの約束事として、アルゼンチンはあまりサイドバックが攻撃参加しないスタイルでした。上がっても左のタグリアフィコで右は自嘲気味。こちらのサイドにはメッシが流れてくるので、サイドバックは邪魔せず裏のケアをしなさいということ。フォイス自身もポジショニングには迷いがあったようで、ビルドアップ時の立ち位置が決まらず、サポートすべき場面で輪に入れていない場面が少なからずありました。
守備の面では十分に戦えていました。だからこそスタメンを勝ち取れていたのだと思う。ただ攻撃時の立ち位置や、クラブでもやるような勇気ある持ち上がりのミスは減点ポイント。後ろでボールを持った時の判断が遅れてしまうことが結構あったのけど、そこは経験を積んで修正されていくことを期待しましょう。
現状では、フォイスの立ち位置は「今の選手層なら仕方なく右サイドバックの一番手」だと思います。有望な選手が出てくればすぐに追い抜かれてしまうくらい。この先クラブでポチェッティーノがどのポジションで育てていくのかわかりませんが、サイドなりセンターなりでこの代表での経験を持ち帰って、実力で出場機会を増やしていけるように頑張ってほしい。シーズン中に離脱者が出れば、ボランチとして使って見ても面白いのではないかと個人的には思っています。サンチェスが伸び悩んでいるうちがひょっとするとチャンスかもしれない。