2022-2023シーズン個人別総合評価と移籍について〜MF編〜

第3弾はMF編

採点基準:
★★★★★:驚きの活躍ぶり
★★★★☆:期待値以上
★★★☆☆:及第点
★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ
★☆☆☆☆:全く戦力になれていない

移籍可能性:
★★★:放出候補
★★☆:オファー次第
★☆☆:残留濃厚

MF

ピエール・エミール・ホイビュア

評価:★★★★☆:期待値以上

 最高のパフォーマンスを継続していたかといえば首を縦には触れないが、大きな離脱期間もなくボランチの軸として頑張ってくれた部分は評価したい。チームとして前からプレッシャーをかけに行くスタンスの時に、出足よく潰しにいく能力は高いけど、引いて守る時にはボールウォッチャーになりがちで守備のフィルターになっていないところが課題だと思う。あと、時折見せる攻撃時のセンスあるパスが本当に時折しか見られないのがもったいないね。

 ただコンテの3-4-3ではボランチの仕事の範囲が広すぎた気もするので、役割面をちゃんと整理できればもっと良く見えるんだろうなとは思う。あとプレーから滲み出る全力感だったり、闘将的な雰囲気のわりに周囲への影響力が少ないようにも見えるので、そこらへんのリーダーシップも求めていきたい。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 まあ放出はないでしょうね。何より稼働率の高さはもっと評価されていい。もっと攻守に決定的な仕事をできる選手になってもらって、チームの軸として文句の出ない選手に成長することを期待したい。

ロドリゴ・ベンタンクール

評価:★★★★☆:期待値以上

 加入半年で主力になっていた昨シーズンの後半も十分素晴らしかったけど、今年はさらに存在感を増してきた。ビルドアップの時に中盤でボールを受けて冷静に相手のプレッシャーをかわせる能力は他の人にないものだったし、その上で攻撃の最終局面ではゴール前に顔を出して幾つかの決定的な仕事もしてくれた。そんなベンタンクールを負傷で失ってからチームの結果が落ち込んだのは驚くべきことではなかった。

 ベンタンクールの負った負傷は重いもので、来年の開幕にもおそらく間に合わない。さらにあの負傷は復帰後のリハビリを終えても元の動きを取り戻せるかはわからないという話も聞いた。何より辛いのは本人だろうし、プレッシャーにならない程度に復帰を待っていたいと思う。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 怪我の影響もあって今夏に獲得に動くクラブはないはずだ。それを置いてもこのポジションで最高の選手だったベンタンクールを放出するのはあり得ない。残留です。

イヴ・ビスマ

評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ

 ブライトンで見せていた圧倒的な存在感をついに見ることがないままに1年がすぎてしまった。ククレジャもトロサールも新天地では期待されたパフォーマンスは見せられていないこともあり、チーム力の高かったブライトンが本来以上のパフォーマンスを引き出していた可能性もあるなと思わざるを得ない。

 疲労骨折から戻ってきての終盤の数試合では良いプレーを見せていたから、来年の覚醒に期待したい選手だ。しかし敵としてはあれほど怖かったビスマでさえも初年度は活躍できないんだから選手の獲得というのは本当にむずかしいものだよ。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 本人としてもクラブとしてもこの1年は納得のいくものではなかったはずで、リシャルリソンと並んで闘志を燃やしているはずだと信じている。

オリバー・スキップ

評価:★★★☆☆:及第点

 前半戦はポジション争いに絡むことも出来ておらず、なんならサールより序列が低そうな時期もあったが、最終盤に離脱者が続出した時はスパーズに来て初めて継続して試合に出ていた。中盤での潰しだったり、大きなサイドチェンジだったりと良いプレーもあった反面、難しいプレー選択を失敗して失点の生み出してしまったプレーも目立ってしまった。

 良い勉強になっているといいが、あれを見せられるとまだスタメンとしての計算はしにくいなと思ってしまう。まあ後ろの選手がみんな逃げのパスを選択する中で運ぶために勇気を出したプレーという見方をすれば、その精神性は評価したいけどね。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 本人の希望があればレンタルの可能性もなくはない。きっと来期の構成でも4番手であることは変わらないだろうから。ただそうするとスパーズは代わりの選手を取る必要があるわけで、自身のライバルをまた増やすことになるから残って勝負した方がいい気もする。この辺の判断は難しい。

パペ・サール

評価:★★★☆☆:及第点

 5番手としてシーズンに入り、期待通り5番手の仕事はした。一時期はコンテに目をかけられて、出場時間を増やしていた時期もあり、それでも多いとはいえない出場時間でアピールできたのか、なぜかワールドカップにも出場していた。20歳の選手と見れば、役割は果たしたんじゃないだろうか。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 完全移籍はないと思うけど、レンタルで出場機会は求めにいった方がいい。現状のサールではポジション争いをするレベルにはないと思われる。

エメルソン・ロイヤル

評価:★★★★★:驚きの活躍ぶり

 まさに「驚きの」活躍ぶりだった。ワールカップまでは全然ダメで、サポーターも不満を募らせていたが、コンテはブレずに起用していた。そんな中でも本人は腐ることなく、向上心を見せていたことが1月に突然報われた。ポロの加入の噂が大きくなるほどにその輝きが増していた。

 守備はもともと良かったところに攻撃のセンスが開花した。サイドに開いて縦に勝負するのは向いていないと悟り、インナーラップでゲームメイクを始めた。まるで去年のドハーティの覚醒と同じ。クラブを壊すように出ていったコンテの最大の功績はエメルソン・ロイヤルの覚醒なのかもしれない。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 2022年にはいつ放出されてもおかしくないような選手だったのに、今や主力として上位に数えられるようになった。4バックを想定してもロメロとエメルソンだけは固いと思っているよ。

ペドロ・ポロ

評価:★★★★☆:期待値以上

 不甲斐ない右のウイングバックの救世主として迎えられるも、エメルソンが新しいエメルソンに進化したせいで思ったようなデビューにはならなかった。縦に仕掛ける姿勢は他の選手にはない新鮮さがあったが、守備が軽くて計算しにくい。この辺はプレミアに慣れきったら変わるのだろうか。

 メイソンがウイング的な起用をしてからは逆サイドのソンとバランスを取って守備をしたり、高精度のキックでシュートやクロスで活躍したりと思ってもなかった順応性を見せてくれた。新監督がアタッカーとして使うのかサイドバックとして考えるのかによってだいぶ来シーズンは左右されそうだ。

移籍:★☆☆:残留濃厚

 加入半年でこれだけやれれば問題なし。

イヴァン・ペリシッチ

評価:★★★☆☆:及第点

 コンテたっての希望により獲得された経験豊富なビッグネームも初挑戦のプレミアで納得のいくシーズンにはならなかった。同サイドのソンとの連携が確立できず、常に孤独にドリブルとクロスを求められていた。なんだかんだクロスを上げきってくれるのはさすがだが、それが必ずしもチャンスを生んでいたわけではなかったのがもったいないところ。

 アシストは順調に重ねていたものの点が取れずにいた中で、日本戦を敗退に追い込むきっかけになったゴールだけは複雑な気持ちで見ていたよ。

移籍:★★★:放出候補

 ボスもいなくなってしまったし、次の監督が4バックを採用するのなら、ペリシッチの立場は苦しくなる。サイドバックをやらせるには守備力が不安だし、ウイングをソンと争えばベンチが定位置になるでしょう。それを受け入れてくれるならこのベテランは頼りになるけど。

ライアン・セセニョン

評価:★★☆☆☆:まだまだやれるはずだ

 後半戦をまるまる欠場したので印象がとても悪い。相変わらずすぐに怪我をしては戦力に穴を開けてしまうので、今後も主力として計算していくのは厳しいと思われる。幸い、左サイドバックは数がいるから補強を急ぐこともなさそうだが。

 序盤はペリシッチに負けずにポジションをキープしていたし、巧みなフリーランで左サイドの攻撃を活性化させていたので、期待値も高まるばかりだった。このままいけば何も残せないままに時間だけがすぎていってしまう。まずは強靭な体作りがセセニョンの課題だ。

移籍:★★☆:オファー次第

 稼働率が低すぎて欲しがるクラブはないだろうが、我々としても計算しにくい選手なのでオファーがあれば強引に残すこともしなさそうだ。

補強ポイント

 ボランチはサールやスキップをレンタルで出す分と、ベンタンクールがまだ戻れないこともあって1人くらいは取りそう。まさかエンドンベレには期待しないだろうからね。

 ウイングバック勢は来年はサイドバック扱いかもしれなくて、そうなれば各々身の振り方は考えたいところ。ただしここはレンタルバックも多くて、右はスペンス、左はレギロンにウドジェがいるので新規獲得はないでしょう。

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