2021-2022 プレミアリーグ 第12節
Tottenham Hotspur 2 – 1 Leeds United
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:45勝18敗6分(勝率:65%)
得点
44分:ダニエル・ジェームズ(Leeds)
58分:ピエール・エミール・ホイビュア(Spurs)
69分:セルヒオ・レギロン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、モウラ(88’アリ)
MF レギロン(79’セセニョン)、ウィンクス、ホイビュア、エメルソン
DF デイビス、ダイアー、タンガンガ(68’サンチェス)
GK ロリス
sub:ゴッリーニ、ロドン、ドハーティ、、エンドンベレ、ベルフワイン、ヒル
リーズ・ユナイテッド
FW ゲルハート(87’マッキンストリー)
MF ハリソン、フォーショー(72’ロバーツ)、フィリップス、クリヒ(59’フィリポ)、ジェームズ
DF ストライク、ジョレンテ、クーパー、ダラス
GK メリエ
sub:クラーソン、ドラメー、マッキャロン、クレスウェル、ジェンキンス、グリーンウッド
少しずつ変わってきた
就任して間もなかったエヴァートン戦と違い、代表選手以外としっかりトレーニングを行えた今日の試合はまた新鮮な注目を集める試合だ。ベースとなるメンバーは前回と同じだが、負傷のロメロと出場停止のスキップに変わって選ばれたのはタンガンガとウィンクスだった。
リーズは変則的なシステムで、アンカーのフィリップスがほぼセンターバックとしてプレーをして、右センターバックをサイドに追いやってサイドバックを攻撃参加させる。ただエースのバンフォードがいない上にロドリゴ、ラフィーニャという得点源を軒並み欠いているリーズの攻撃はハリソンとジェームズの突破力頼りで、ボールを持っているわりに怖くはない。
立ち上がりは、もうここ2年ほどで何度見たかわからないいつものスパーズだ。相手がハイプレスで元気よく立ち向かってくると、あっという間にそれに飲まれて防戦一方になってしまう。なんでいつもこうなんだか。
まず全体的にラインが低くて、前の方からのプレッシャーにいけていない。ただそれもチームとして決めていたいう雰囲気ではなくて、ケインが寄せても周りがついていけないシーンは結構あった。重心が後ろすぎるので奪っても運べない。そこで回収されてまたリーズがボールを握る。そんな事を繰り返し前半はスタジアムから大きなブーイングを送られて終わった。
ハーフタイムにコンテがどんな指示を送ったのかはわからないが、後半は見事に立て直した。ウイングバックが高い位置をとってサイドで主導権を握ることで、全体として高い位置で試合を進められるようになった。
その他にも前線3枚が下がってボールを引き出して、ボランチにシンプルに落としてから展開するような、3人目が連動するビルドアップはコンテとの練習の成果であり、当たり前のプレーなのにスパーズにとっては目を見張る変化だ。3人目の連動というのがエリクセン移籍以降本当になかったものだから。
レギロン曰く「人生で最悪の2週間」を経て、確かにチームは変わりつつある。走れるチームになってきたし、連動も生まれてきた。あとは試合の中で深めていくしかないけれど、だいぶ希望は持てている。
ポジション争いが始まった
まずはセンターバック。ここはロメロが戻ってきたらまたデイビスとダイアーと並ぶのだろうが、現状の4番手がタンガンガだということはわかった。ただハードな守備はできるものの、スリーバックにも求められる機を見た攻撃参加はあまりなかった。今日はダイアーでさえ上がっていくことがあっただけに、右はおとなしく感じられる。そんな事情もあってか途中でサンチェスに交代となった。まだ合格点とはいかなかったかもしれない。
続いては久しぶりのプレミア先発となったハリー・ウィンクス。序盤こそは試合勘がなくなっているが故なのか、なんでもないパスミスが目立ってしまったが、時間が経つほどに安定していった。パスの正確性と縦パスを狙う意識はスキップに軍配が上がりそうだが、思い切りのいい持ち運びはウィンクスの方が上だ。課題は持って上がった後でチャンスを生むプレーができないことかな。これはもう何年も思っていることだけど。しかしまあ、前監督に冷遇されていた事を考えるとそんなに悪くないとは思う。圧倒的にスキップの方が良いわけではなさそう。
そしてライバルがいなかったはずのレギロンのウイングバックにライアン・セセニョンが帰ってきた。正直言って復帰してこんなすぐにチャンスをあげるとは思わなかったけど、それだけ評価されているということか、はたまたレギロンに物足りなさを感じているのか。
ウイングバックにも得点力を求めるコンテだけに今日のレギロンの一発は良いアピールになったはず。いつも貪欲に攻撃参加をしているだけに、これが加入後初ゴールというのは意外だった。ただここ数試合は必ず途中交代となっているし、セセニョンに出来次第ではポジションは怪しくなってくる。こっちからすると高いレベルでの切磋琢磨は歓迎だが、さてレギロンは踏ん張れるのだろうか。
各ポジションでこうした争いがあるのは良いこと。やっぱりサントのやったように明確に1軍と2軍を分けてしまうのはマネジメントとして失敗だったのだろうね。まだ始まったばかりだが、試合中に何度も観客を煽り、勝利に雄叫びをあげるコンテの熱さは信用し、付いていきたくなるカリスマ性がある。選手たちもその熱を受け、それに応えていってくれ。