2024-2025 プレミアリーグ 第23節
Tottenham Hotspur 1 – 2 Leicester City
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:95勝39敗12分(勝率:66%)
得点
33分:リシャルリソン(Spurs)
46分:ジェイミー・ヴァーディ(Foxes)
50分:ビラル・エルカンヌス(Foxes)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、リシャルリソン、(55’ムーア)クルゼフスキ
MF ベリヴァル、ベンタンクール、サール(55’レギロン)
DF グレイ(94’ランクシャー)、デイビス、ドラグシン、ポロ
GK キンスキー
sub:オースティン、ビスマ、オルセシ、アジャイ、ミョンヒョク
レスター・シティ
FW ヴァーディ(76’ダカ)
MF リード(86’スキップ)、ソマレ、エルカンヌス(76’ブオナノッテ)、ウィンクス、アイェウ(86’コーディ)
DF クリスティアンセン、ベスターゴーア、ファエス、ジャスティン(94’クリバリ)
GK ストラルチク
sub:イベルセン、オコリ、マカティ、マビディディ
中盤の攻防で負けている
プレミアリーグ3連敗中のトッテナムvs7連敗中のレスターの対戦となった。必ずどちらかは連敗が止まる救済マッチである。残念ながら傷口の応急処置に成功したのレスターの方だ。泥沼の4連敗を嘆く気持ちはあるものの、選手たちに何をどこまで要求できるのかという思いもある。
サールとビスマが戻ってきた一方で、今度はマディソンがいなくなった。この試合展開でもビスマの出番はなかったので、ベンチ入りはさせていたが出場できるコンディションではなかったのだと思われる。もしかすると試合前は途中からならいけると判断していたところ、強行出場で微妙だったサールの出来を受けて無理はさせないことにしたのかもしれない。
前半はわりとボールが回っていた方だと思う。印象的だったのは、ベリヴァルのサイドチェンジからソンの惜しいミドルシュートが生まれた場面のように、サイドがいつもよりはフリーになっていて上手いことボールが入っていたこと。これについてはサールのポジショニングが良かったおかげだと思っている。
たぶん低い位置でボールを受けたくなかっただけという消極的な理由もある気がするので必ずしも褒められたものではないのだけれど、サールがリシャルリソンとツートップになるような位置を取ることで相手のサイドバックの意識を中央に寄せることに成功し、同サイドのソンにスペースを作り出せていた。
これは大事なことだと思う。中盤とウイングとサイドバックがみんなサイドに寄ってしまい、ワントップが孤立していることは今のスパーズのボール回しを阻害している要因だった。今のようにウイングをサイドに張らせるのなら、ワントップの近くに一人は必ず配置するようにして、交互に降りてきてボールを引き出す動きをさせるのが良いと思う。ただし今回のはサール個人の判断で上がっていただけだし、おそらくはそれがサイドにスペースを作るためにと思っての動きではないと思うので次はまた元に戻るはずだけど・・・そしてサイドを空けるという良い面はあったものの、サールのパフォーマンス自体は厳しいものだったというのは言い添えておく。
そして同時に擁護もする。サールもっと頑張れよというつもりではありませんよ、と。負傷明けで準備が出来ていないにも関わらず、痛みがないならピッチに立ってくれと言わなければならないチーム状況を差し引いて考える必要はある。これは追いかける展開でリシャルリソンを下げたのも同じで、再発や無理させたことによる新たな負傷を防ぐための勇気ある交代だった。
頑丈だからと出続けて疲労を溜め、交代できる選手もいない中で頑張っている選手たちに負けた試合とはいえ何を望めばいいのかわからなくなってきた。反省したい点としては言い続けているビルドアップのボールから逃げる問題に加えて守備のことを考えたい。
リシャルリソンはソランケほど常にプレスにいくわけではないので、前線だけ追いかけて間延びする現象は起こりにくく、適度に引く時間があってじっくり守れるなと思って見ていたら、ボールの近くの人がボールに寄せていく勢いがあるだけでどこに追い詰めてボールを奪うのかという決まりがないので一人一人を丁寧に剥がされてボールを運ばれてしまうという課題が見つかった。追いかけているだけで追い詰めていない。そもそも守備練習に時間をかけない監督だし、今は試合と試合の間は回復以外に出来ることなんてないだろうから、攻撃も守備もチーム練習が必要な連携の部分が深まる気配がないのが悩ましいところだ。これは監督を変えたとしても新監督の戦術の準備をする時間が取れないので監督交代は解決にならないだろうね。
状況が変わるとしたら、新規の離脱者が出ない前提で、負傷者の復帰や補強によって5人くらいが増えてからになりそうだ。どうせ出場させない若手がベンチに並んでいるうちは回復も修正も望めない。非常に苦しい状況だけど、数年後には笑い話や武勇伝にできるように一緒に耐え忍んでいきましょう。