2020-2021 プレミアリーグ 第29節
Tottenham Hotspur 2 – 1 Southampton
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:36勝15敗6分(勝率:64%)
得点
30分:ダニー・イングス(Saints)
60分:ギャレス・ベイル(Spurs)
90分:ソン・フンミン(Spurs)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、モウラ、ベイル(83’ベルフワイン)
MF ホイビュア、ロチェルソ(79’ラメラ)、エンドンベレ(73’ウィンクス)
DF レギロン、ダイアー、アルデルヴァイレルト、オーリエ
GK ロリス
sub:ハート、サンチェス、タンガンガ、シソコ、アリ、ヴィニシウス
サウサンプトン
FW アダムス、イングス(57’ディアロ)
MF テラ(84’レドモンド)、アームストロング、ウォード=プラウズ、ウォルコット(67’ジェネポ)
DF サリス、ヴェスターゴーア、ベドナレク、ウォーカー=ピータース
GK マッカーシー
sub:フォスター、スティーブンス、フェリー、ヤンケビッチ、南野、エンルンドゥル
ポジティブな初陣
カップ戦を獲るために、リーグ4位を目指すために、ダニエル・レヴィのとった決断は監督交代というものだった。新監督は元スパーズの背番号8、ライアン・メイソンだ。今日はその初陣、わずか2日で何を変えてきたか。
先発には少しの変化。決まらなかったセンターバックはダイアーとアルデルヴァイレルトの実績コンビ。ロドンがベンチにも入らなかったのはちょっとかわいそうだなと思った。ベイルがスタメンに入り、注目のワントップにはルーカス・モウラ。この選出にはポチェッティーノイズムが感じられた。
久々先発のベイルをはじめ、ウィンクスにベルフワインも途中交代で起用してきた。ここには好みやパフォーマンスというよりは、モウリーニョがつけた優劣はもう関係ないんだよ、というメッセージだと受け取った。やや閉塞感の漂っていたメンバー選考がまたリフレッシュされるのは雰囲気改善には効果的だ。
さあどんな試合になるかと思えば、開始1分30秒でロリスが立て続けのスーパーセーブを見せた慌てたスタートになってしまった。セインツが勢いを持って入ってきた。おそらく新監督のあれこれを整理する時間を与えないぜという作戦でしょう。試合の序盤だけはリスタートも異常に早くしてたし。
前半はあまりメイソンの色というものは見られなかった。レギロンがいつも以上に前に出ていた気はするから、その辺のリスク管理の制約は少し緩くなったのかもしれないが。オーリエが内に絞ってスリーバックのようになっていたのはメイソンの戦術というよりは、外に開かせているベイルとの兼ね合いだろうからちょっと違う。
セインツの印象はといえば、前に対戦した時から一貫しているという部分。ラインは高く保って前からプレスをかける。上手にサイドに追い込んで奪い切るのが目標でそんなインテンシティに苦労させられた。切り替えの早さでは攻守ともにスパーズは負けていた。
そんなパッとしない前半から、後半は見事に軌道修正できた。ベイルを中央寄りに動かすことでオーリエを上げて、最後尾にはホイビュアが落ちる。後ろの3枚は勇気を持って高い位置を取って中盤との距離を近づけると、エンドンベレはほぼトップ下のような高さでロチェルソと共にボールを引き出しては前を向く役割だった。モウラも後半は何か割り切ったようにCFのポジションにこだわらず、自由にボールを探しに行ってはドリブルで変化をつけていた。
ケインなしでこれだけボールの預けどころが見つかった試合はだいぶ久しぶりなんじゃないだろうか。後方でボールを持つ時間もいつものように出しどころがなくて詰まっているだけじゃなく、上手く回避して運べていた。本当に困ったら、シンプルにソンに裏を狙わせる攻撃も復活していた。
後半はかなり良い内容だったし、逆転勝利という結果がついてきたことも明るい。ボールを握って攻撃的に戦えて選手も楽しかったでしょうね。守備的にやって勝てないのが一番精神的にキツいから。
レギロンはほぼウイングだったし、ダイアーもモウリーニョの下では考えられないくらい前で守備をしていたから、毎度この感じだと裏を取られて失点するんだろうけど、新監督の初戦という意味ではこれくらい意思表示をしてもらった方が良い。素直な感想を言うと、後半は楽しい試合だった。それが嬉しい。
まずは結果が出てメイソンもホッとしていることでしょう。史上最年少の指揮でこの試合が最年少勝利記録だ。最短で出せてよかったね。次は早くも大きな試練、シティと戦うカラバオカップの決勝だ。少なくとも週末までは解任ブーストが持続してほしいぜ。
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