2022-2023 UEFAチャンピオンズリーグ グループD 第3節
Eintracht Frankfurt 0 – 0 Tottenham Hotspur
Stadium:ドイチェ・バンク・パルク
得点
なし
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ケイン、リシャルリソン(79’ヒル)
MF ペリシッチ(72’セセニョン)、ホイビュア、ベンタンクール、エメルソン
DF ラングレ(79’デイビス)、ダイアー、ロメロ
GK ロリス
sub:フォースター、オースティン、サンチェス、ドハーティ、スペンス、ホワイト、スキップ、ビスマ、サール
フランクフルト
FW 鎌田、ムアニ(57’ボレ)、リンドストロム(87’エビンベ)
MF クナウフ、ソウ、ローデ(72’ペレグリーニ)、ヤキッチ
DF エンディカ、長谷部、トゥタ
GK トラップ
sub:グラール、ラマイ、スモルチッチ、レンツ、チャンドラー、アリドゥ、アラリオ
勝てそうにも負けそうにもなかった
グループステージ最後の対戦相手は、昨シーズンのヨーロッパリーグの覇者フランクフルトだ。気がつけばアーセナル戦から4試合連続で冨安、鎌田、長谷部、三笘と続きまた鎌田、長谷部というジャパニーズ・ウィークとなっている。その中でも最も主力然としているのはフランクフルトの2人だろう。今日も揃って先発だ。
対するスパーズは週末からスタメンの変更はなし。主な怪我人はクルゼフスキとモウラだけだが、サブの選手は想像以上に信頼されていないらしい。ギリギリ合格点をもらっているのもデイビスとセセニョンくらいかな。それもこの連戦のターンオーバーに選ばれないようでは意味がないけども。
リーグ戦ではドン引き戦術のスパーズだったが、この試合は前から奪いにいくスタンス。前線3人にボランチまでは綺麗に連動しているように見えるのに、そこで奪い切ってカウンターに繋げられる気が全然しない。もちろん蹴らせて回収できているところはあってそれはいいのだけれど、最大の狙いはそこじゃないはず。あんまりスパーズのハイプレスが脅威になっていないように感じられる。もう少し練度をあげていきたい。
攻撃面で面白いなと思ったことが今日はあった。後ろから繋ぐ時にロメロがサイドバックくらいの位置まで大きく開いてエメルソンを押し上げる形を取っていた。これによってリシャルリソンが中央でプレーできる。スパーズは後ろで回してはスリートップの誰かに差し込んで、そこからは素早くダイレクトにゴールに迫りたいという狙いがある。前半はこれがいくつかチャンスを生み出せていたと思う。ソンとペリシッチには決めてほしかった。
後半は疲労が出たのかバリエーションの少ないスパーズの攻撃パターンに長谷部が対応してきたのかその両方なのか、徐々に試合はトーンダウンしていった。ここでフレッシュな選手を入れて試合を活性化させたいが、交代は限定的だった。デイビス、セセニョンは特に何も起こせず、ついに今シーズン初出場&チャンピオンズリーグデビューとなったブライアン・ヒルもむしろコンテの正しさを証明するような出来だった。
が、ヒルにはいつも通り一定の好感がある。体は細くて何度のフィジカルコンタクトに負けていたし、パスも目の前の選手に引っ掛けまくってはいたものの、動きの量でエネルギーをもたらしてくれるところは評価できる。まあかと言ってあのボールロストの確率では使いにくいのもよくわかる・・・辛抱して使っていけるといいのだけど。
そして最後にちょっと触れておくと、鎌田も長谷部もとても良かったですね。長谷部はケインにも臆せず戦えていたし、後ろでボールを持った時の冷静な対応を見るにまだまだやれるなと思った。38歳でこのレベルでやれる日本人選手なんてこの先出てくるだろうか。
鎌田は攻撃に変化を生む存在だ。フォーメーションは互いに3-4-3なのに同じ位置のソンと鎌田の役割はまるで違う。鎌田は中央で自由に動いてとにかくボールに触れて変化を起こすのが仕事だ。スリートップの全員がフィニッシュを強く意識しすぎるよりも、1枚はこの役割ができる方がいいよなあと思ってしまった。
グループリーグの折り返しを終えてだいぶ混戦になってきた。どのクラブにも可能性がある。本当はこんな展開になってほしくはないんだけどね。後半戦のホームで確実に勝点を稼げれば大丈夫だけど、ちょっと心配ではあるよね。