2024-2025 カラバオカップ 準々決勝
Tottenham Hotspur 4 – 3 Manchester United
Stadium:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
通算戦歴:94勝38敗12分(勝率:66%)
得点
15分:ドミニク・ソランケ(Spurs)
46分:デヤン・クルゼフスキ(Spurs)
54分:ドミニク・ソランケ(Spurs)
63分:ジョシュア・ザークツィー(Utd)
70分:アマド・ディアロ(Utd)
88分:ソン・フンミン(Spurs)
90+4分:ジョニー・エバンズ(Utd)
トッテナム・ホットスパー
FW ソン、ソランケ(90’ジョンソン)、クルゼフスキ
MF マディソン(79’ベリヴァル)、ビスマ、サール
DF スペンス(90’レギロン)、グレイ、ドラグシン、ポロ
GK フォースター
sub:オースティン、ホワイトマン、ドリントン、ハーディ、オルセシ、ランクシャー
マンチェスター・ユナイテッド
FW ホイルンド(55’ザークツィ)
MF フェルナンデス、ウガルテ(70’ガルナチョ)、エリクセン(55’メイヌー)、アントニー(55’ディアロ)
DF ダロト、マルティネス、リンデロフ(45’エバンズ)、ヨロ、マズラウィ
GK バユンドゥル
sub:オナナ、マグワイア、マラシア、カゼミロ
マンチェスター・キラーなり
リアルタイムで見るには厳しい時間だったんで、一日情報を遮断して帰ってきてから見たんですけど、なんか朝起きた時に負けていそうな予感がしたんですよね。それで見始めたら3点リードの展開になって、杞憂に終わったのかと思っていたら面白い失点で1点差になり、やっぱり予感は正しかったのだと不安になりながら遅々として進まない時計を見ていたら、ソンが直接コーナーキックを沈めてくれたので大きな声が出ました。いやあコーナー直接なんて中々見ない。たまにどこかで話題になってその動画が回ってくることはあっても、自分のチームの試合で決勝ゴールが直接コーナーなんて一生なくてもおかしくない。キックの質もそうだし、VARのない試合でギリギリを攻めたベリヴァルも良くやった。
スパーズはそもそも選手が足りなすぎることもあり、現状できるベストメンバーがスタメンに並ぶ。ユナイテッドは新監督になったばかりで色々試しているところだとは思うが、リーグ戦からは変えてきたようだ。試合後にSNSで主にユナイテッドのサポーターが、ターンオーバーによって出てきた選手の質を負けた要因にしている声を見かけたけど、今日に限っては言い訳にもなっていないよね。スパーズのベンチには僕も知らない若手が並んでいる惨状だし、センターバックは18歳のMFに無理やりやらせているのだから。
アモリム新体制の色となっているスリーバックは今のスパーズの苦手とするところだ。高い位置からのプレッシャーにも苦戦しがちではあるが、いつもと違ったのはユナイテッドは5-4-1のような形でプレスをかけてくるので、うちのセンターバックにプレッシャーがかかりきっていない印象を受けたところ。それと最前線のホイルンドをはじめ、サイドにいるのがブルーノ・フェルナンデスとアントニーなので、高い位置で引っ掛けても縦へのスピードが出ないところもスパーズからすると助かった部分ではある。
ただし、そこまで質が高く見えないユナイテッドのハイプレスにもそれなりに押し込まれてしまったところはやはり気になる。引き込んでいると言えば聞こえはいいが、下げさせられたら裏を狙って走る選手がいるべきだよなとは思う。しばらくしてユナイテッドにまとまりが出てきたら、次も同じようにはいかないだろう。プレスの連動もスリーバックでの守り方もイマイチ浸透していない時期で助かった。
文句ばっかり言っていないでたまにはいい部分を探そうと思う。まずは守備陣。3失点はフォースターがパニックに陥った2つとコーナーだったということで、流れの中では守れていたと言える。本来の先発はポロだけで控えのドラグシン、中盤のグレイ、右本職のスペンスの並びでよくやっている。
それとウイングにもいい変化がある。サイドに張るだけは止めやすいという話を最近はしているが、ソンとクルゼフスキはサイドを起点にはしているが内側に流れてプレーする時があり、やっと流動性を欠いていた前線が動き出した感がある。それとあくまでも余談なんだけど、点を取る選手なイメージのなかったクルゼフスキの4試合連続ゴールというのを見るに、ジョンソンの6試合連続ゴールもジョンソンの覚醒という話ではなく、単に今のスパーズが右ウイングに点を取らせる構造になっているだけなのではと少し思ったりもした。
さてまた褒める時間は終わるんだけど、フォースターの2回のアレについて。解説の方は、ポステコグルーのスタイルからして後ろからの繋ぎに関するミスは許容しているリスクだからしょうがない、といったコメントをしていた。もちろんそういう見方が少なくないことは理解している。一定間違ってはいないだろう。ただ個人的にはチャレンジした上での前向きなミスだとは思っていない。
今回のミスは最近指摘している、準備が出来ていないのに無駄にリスタートを急いでいる、というやつが失点に繋がった例だと思う。1点目は切り替えが済んでいないのにゴールキックを始めたことで、センターバックが出しどころを失っていたし、2点目は自陣でのフリーキックをビスマがとりあえず近くにいたグレイに出したところで、グレイは出すところがなくてフォースターに下げたというシーンだった。
これは本当にもったいない。味方の準備が出来ていないのにプレーを急いでもそれが速攻に繋がることはない。チームとしての約束事としてあるのなら切り替えの出来ていない選手が悪いと言えるが、もし約束事だったとしたらあまりにも休まることのないスタイルすぎるので変えたほうがいいと思う。もちろん素早く始めることが効果的な場面もあるから、チームの中での決め事をもっと明確にすべきだし、試合中で誰かがリーダーシップをとって、ゲームをコントロールしたい。
さてこれでカラバオカップは準決勝に進出だ。リーグの順位や最近の戦績を見れば不思議なぐらいの好成績と言える。準決勝だけはホーム&アウェーになるのでタイトルまで残りは3試合だ。残っているクラブはリヴァプール、アーセナル、ニューカッスルという強豪ぞろいで、我々はプレミアで数少ない好調クラブ、リヴァプールを引き当てた。もうここまで来たらいつ当たっても同じなので苦手な相手といえどタイトルを取るためには乗り越えるべき壁として大いなる挑戦といこうじゃないか。