2022年5月31日、トッテナム・ホットスパーはイヴァン・ペリシッチの加入を発表いたしました。
近年なかったベテランの補強
夏の補強第一号が早くも決まった。噂を立てまくって最終日までもつれ込むのが常套手段のスパーズがこんなにも迅速に動くとは。フリーで優秀な選手を連れてくるのも珍しいし、ベテランを獲得することも近年はなかったことだ。33歳のクロアチア代表はきっと大きな戦力になる。
主な所属クラブで言うと、ドルトムント、ヴォルフスブルク、バイエルン、インテルと錚々たるクラブが並ぶ、そしてそのいずれのクラブにおいても、何かしらのタイトルを獲得しているゴールドコレクターでもある。勝者のメンタリティはペリシッチに学べ。期待できるポイントしかない。
インテルではコンテとともに戦っていた時期もあり、主戦場は左のウイングバック。最重要ながら物足りなかったウイングバックのポジションが大幅に強化された。これでレギロンの去就が怪しくなってくるのは残念だが、ケインとソンが30歳目前ということも考えると、悠長に若手を育てている暇はないということだ。長期政権を築かない、で有名なコンテがいるうちに勝負を仕掛けるという判断は、決して間違っていないだろう。
昨年まではあまりなかったイタリアからの移籍になるが、今年の補強が大当たりすぎて、今や安心安全のセリエ産という扱いになってきた。さらにいえばクロアチア人の実績もある。スパーズにはかつて、モドリッチ、クラニチャル、チョルルカという選手たちが主力を張っていた時期がある。あの時はクロアチア代表ばっかりだった。その時期に頭を戻すと、今回の移籍はファン・デル・ファールトがレアル・マドリーからやってきた時の期待感に近いかなあと個人的には思う。懐かしい話ばっかりしてごめんよ。
今のスパーズでウイングバックを務めている4人はいずれもサイドバックを本職とする選手たちだ。かたやペリシッチはウイング出身、ここも色が違うところ。どうも攻撃力が物足りなかった現有戦力の中では際立った能力があると思う。クロスあげてよし、フィニッシュワークよし。らしい。
あとはニュースにコメントしていたインテルファンを見ていても、努力家で献身的でとても愛される選手だったようだ。それでいて本人が何年も前からプレミア挑戦を夢だと公言しており、今回はインテルからの契約延長のオファーを断ってきてくれたらしい。もちろんコンテの存在は大きいだろうが、うちに賭けてくれた思いには応えたいね。
たくさんの動きがありそうな今夏の移籍市場ですが、最初の補強はとても素早く、それでいて優秀な選手でよかったよ。これは期待しても良さそうだと頬が少し緩んでしまう夏の始まり。